16.研究計画書完成までの長い長い旅路・・・

たぶん書いてなかった研究計画書のこと。
どんな感じで作っていったのか振り返ります。

<通信入学前>
2月:大学院受験を決断
3月:予備校受講開始
4~5月:KALS(紫)や予備校の資料をもとに「興味のあること」をノートに書き出しまくる。会社員というバックグラウンドがあるので、社員の過労自殺、職場ストレス、ソーシャルサポートなど、かなりの数のワードが出てきた。
6~8月:↑で書きだしたワードをもとに、書店やサイニー、国立国会図書館などで論文探し
※この時点で勉強と仕事のストレスから左耳が聞こえなくなる&公認心理師を取るための通信大学を検討し、今期の大学院受験を中止したため、執筆ペースをかなり落とした。
9~12月:計画書を仮作成。(使用する尺度、データ収集方法、分析方法などは未執筆状態)
1月:予備校のフィードバックを受ける
2~3月:フィードバックをもとに修正を行うが上手く構築できず、構成を解体し一から作成することを決定

<通信入学1年目・2年目(3年次・4年次)>
4~10月:関心ワードの抽出、論文収集、文献読み込み
11~2月:計画書たたき台作成→志望校へ訪問し、自分の研究領域が指導可能であるか確認&フィードバックを頂く
3月~4月:計画書仮作成
5月:添削を受ける
6月:修正→再添削
7月:修正→SNS等の知人に複数人共有し、様々な視点からフィードバックを頂く
8月:完成
9月:出願

<書いたこと概要>
・職場のメンタルヘルス一次予防に関すること
・問題と目的(1,800字)、社会的意義(300字)、方法(250字)、引用文献(25本)
・研究の方向性→質問紙調査および統計的仮説検定(共分散構造分析)による量的研究

<構成上で気を付けたこと>
・超具体的に書く&その根拠を明示(ターゲットは何歳、何の職業、何人なのか、その根拠は何か。使用する尺度とその根拠。社会的意義を裏付けるエビデンス。何の統計手法を使うのかとその根拠)

・できるだけ実現可能な内容(ただし、データ収集方法に関しては実現するにはハードルが高いと考えていたため、代替案を用意し面接に挑んだ)

<振り返り>
・計画書作成は本当に時間がかかる
・まずアイディア出しにとてつもない時間がかかる→意外と勉強以外の時間にアイディアが沸くことが多く、風呂場、台所、移動中など様々な場面でアイディアを書き留めておけるようメモを携帯していた。(孵化効果)
・アイディアが出ても良い文献が見つからず、アイディアの拡散・収束が起こらない
・いざ書き出してみると自分の言葉で上手く書けない。尺度って何?何の統計使えば良いの?データってどうやって集めるの?・・・いろんなことで頭がぐるぐる混乱しました。
・添削を受けるの超大事→その時は自分の計画書を否定されるかもしれないけど、新しい意見を頂戴するチャンスだから謙虚に。
・研究室訪問で計画書を共有することはとても良い経験になった→「その方向性ではうちでは指導できません」というフィードバックもあった。事前確認して良かった!!

あと、量的研究と質的研究どっちが良いの?って疑問がよくあると思います。
個人的にはどちらも優劣無いと思います。
ただし、指導する教員が「量的はダメ」とか「質的では十分指導できない」と仰る場合があります。
「量的のほうが客観性が保ちやすいから無難」という指摘をどこかで見ましたが、それは「質的は客観性が保ちにくいからダメ(価値がない)」ではありません。
そもそも量的と質的はアプローチの方向性が異なっているだけで、どちらも臨床心理学において有益です。
理想は量的と質的を円環的・循環的に行い、エビデンスの確立と個の理解を深めることですね。

とどのつまり、自分がやりたい研究を考えていったら「結果的に」量的or質的になった、という文脈が理想と思います。
やりたくもないのに量的にするとか、苦手だから質的にするとか、そういう次元で考えてしまうと自分の研究計画書に愛と熱が無くなってしまいます。
そういった愛と熱は文章や面接の中にも表れてしまうと思います。

研究計画書作成は恐ろしく大変で膨大な時間がかかる作業です。
だいたい作成に半年から1年ぐらいかかるようです。
でも同時に心理と英語の勉強もしなくちゃですよね。
自分は勉強にすごく時間をかけてしまうので、
通信入学前から手を付け始めることができて本当に良かったなと思いました。
半年前から着手でいいや~ではなく、是非出願1年以上前からコツコツと取り組んでいきたいものですね!


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