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【ISO30414に対する考え】#4:コストと多様性(ダイバーシティ)の活用方法

最終更新日:2024年4月16日

今回は、コストとダイバーシティについて見ていきます。特に昨今では多様性についての重要性はもはや疑う余地はありません。今後、日本においても重要な指標になってくると考えます。

コストとダイバーシティ

コスト
▼総労働力コスト
組織が従業員に対して実際に支出した金額を算出します。
給与、税金諸手当などが代表的な数値です。

▼外部労働力コスト
派遣労働者やコンサルタントへの支払いのことです。

▼平均年収
正社員の平均年収です。
賞与の変動が大きい場合には、平均月収、残業金額、賞与金額などを区分して集計しておくと状況が把握しやすくなります。

▼一人あたり採用コスト
新卒と中途採用それぞれを分けて採用コストを算出します。
基本的には社外に出費した金額を採用人数で割り戻して計算します。アルバイト、パートが多い場合にはそれぞれに対する採用コストを計算しておきます。

▼離職に伴うコスト
自発的離職に伴って発生するコストです。採用や研修に関連するコストや機会損失費用などです。

多様性(ダイバーシティ)
▼男女比率
男性と女性の割合です。

▼年令帯比率(10才単位)
20才代、30才代、というように、10才単位で人数を集計します。
より細かく、5才単位で集計する場合もあります。

▼従業員国籍別比率
国籍毎人数比率です。
海外従業員比率を計算する場合もあります。また、英語でコミュニケーションできる人数(TOEIC高得点者)割合などを計算すると実用的になります。

▼独立社外取締役割合
上場企業の取締役会についてはコーポレートガバナンスコードによる規定がありますが、その中でも、過去に今の会社で働いたことがない、関係取引先の者ではない、などの条件を満たした独立社外取締役割合を意識することをお勧めします。

ここに出てくる数値もある程度準備しなくても計算すれば出せるかと思います。このように見ていくと、人的資本の情報はそんなに難しくはないかもしれません(出すだけなら)。

まずは、社内でしっかりと情報整理を行いましょう。これらの活用方法としては、採用力を強化する、対外的に自社の多様性をアピールするなどが考えられます。特に世界を目指す企業であれば、国籍別比率などは重要になりそうですね。

セレクションアンドバリエーション株式会社

参考文献
「ISO 30414:2018
Human resource management — Guidelines for internal and external human capital reporting」(International Organization for Standardization、2018)

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