Google・HUAWEI対立はアメリカが中国進出に失敗し続けていることの延長線上にある

HUAWEIがリリースしたスマホの新機種、Mate30proに対して、GoogleがGooglePlayを始めとするAndroid関連サービスを利用できないようにしたというニュースがありました。

ファーウェイ最新スマホ、グーグル・アプリ利用の抜け道ふさがれる
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-10-03/PYSX4IDWX2PV01

Amazonタブレットなどではデフォルトでは同じくGooglePlayが利用できないですが、こちらは抜け穴が放置されているためインストールできます。あくまで正規手段ではないので何が起きてもGoogleもAmazonも責任を取らないだけで、両者とも利用者が増える分にはお目溢ししているのでしょうけれど、HUAWEIの場合は違います。こちらは国家間の貿易戦争に関わるので放置するわけにはいかないのでしょう。GoogleにとってはSamsung同様、HUAWEIもお得意様だったはずですが、中国政府にも色々やられているのでHUAWEIには容赦するつもりがないのでしょうね。Googleにしてみたら、中国国内で自由にビジネス出来ないのになぜ協力しないといけないのかという疑問もあるはずです。

そしてこれによってHUAWEIはフラッグシップ機においてGoogleサービスが使えないハンデが出てきましたが、そもそもGoogle Playが使えなくても、ブラウザベースのサービスであればブラウザさえ最新のHTMLに準拠していれば問題無く使えるはずです。大半のサービスはスマホからブラウザでアクセスした時にはその画面に合わせて表示を変えますので、使い勝手もそれほど悪くないはずです(例えば、私自身はnoteの利用はスマホでもタブレットでもアプリではなくブラウザから常に利用しています)。

アプリネイティブでないと使いづらい、あるいは使えないサービスであれば困りますが、そもそも欧米でリリースされている新しいサービス・ビジネス形態は大抵似たようなものが既に中国国内で普及しています。UberやLiftなどのライドシェアはDiDiがありますし、全ては調べていませんが代替手段は中国国内の企業で見つかるはずです。そういった企業が HUAWEIのプラットフォームにアプリを提供すれば解決です。

おそらく、一番困難なのがゲームです。ほとんどがアプリネイティブでないと利用できないはずです。これには中国のユーザーも失望するかも知れませんが、遮断というのは双方にとって影響があることであって、ゲームアプリをリリースしている企業にとっても、巨大な市場である中国を無視するのはもったいない話です。ゲームメーカーがHUAWEIのユーザーを無視できなければ、そしてHUAWEIがそのプラットフォームに簡単に移植できる用意を整え、さらにはHUAWEIがアプリ開発側へユーザーが課金した中の支払いのパーセンテージを大きくしたら、それでも中国市場を無視できる企業はどれくらいあるでしょうか。ゲームのソフトハウスはアメリカ以外にも多数存在します。そしてその企業が上場していれば、みすみす中国市場を逃す経営陣を株主が許すでしょうか?

以前、こういうnoteを書きましたが、書いた頃からあまり自体は変化していません。米中貿易戦争は報道されている限りでは特に進展が無く、むしろ追加関税の話くらいしかニュースになっていません。

今回は、GoogleがHUAWEIから離れるという話でしたが、結局の所、アメリカ企業の中国進出への難しさは昔から大して変わっていません。

アメリカも中国も独善的で非常に相性が悪い相手同士であり、争っている間に日本やヨーロッパなど他の国が動いて利益を得るということでも結局は19世紀〜20世紀初めの頃と変わっていないのかもしれません。今回であればロシアやインドも含まれますが。

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