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曖昧になる境界線(職場におけるオンとオフについて)

私が働いている職場には若い世代、いわゆるミレニアル世代の若いアルバイトの従業員も何名かいます。
良い悪いというつもりはないですが、私が受ける感覚的に、公私のオンオフが厳密に分かれていないような気がします。

特にそれで問題を起こす、というわけではないのでいいのですが、この辺は結構、昭和生まれの人間からすると違和感っぽいものがないわけではありません。

うまく言葉に出来ないですが、オンとオフが分かれているのではなく、境界線が曖昧になって重なり合っているような感じです。

昔はオンとオフをはっきり分けることが社会的にも求められていて、家庭に仕事を持ち込むと軋轢の種になりましたが、今の時代では携帯電話やSNSにより、プライベートな時間に仕事の情報を見ることが多くなりました。

いわばプライベートがパブリックに侵食されているとも言えるでしょう。その代わりに、パブリックもプライベートに侵食されるようになっているのかも知れません。

仕事の際に男性の服装としてはワイシャツ・スーツ・ネクタイというのは当たり前でしたが、今では結構崩れています。もちろんきっちり上記3点セットをしている人も多数いますが、昔はそれこそほぼ間違いなくサラリーマン全員がそういう格好をしていました。しかし今では、チノパンやセーター、TシャツとGパン、スニーカーやサンダルで普通にオフィス街で働いている人も結構見かけます。

服装についてはITベンチャー系の企業が比較的緩めということもあるのでしょうけれど、クールビズもその一つの原因だと思います。

クールビズについては、2000年代に政府主導で推奨され、2011年の東日本大震災の後の電力不足による節電対策としてさらに普及しました。ネクタイを締めず、ラフな格好で涼しく過ごすことが目的でしたが、夏だけではなく冬場もワイシャツ・スーツ・ネクタイという3点セットにこだわらない習慣が結構確立してきているのではないでしょうか。

この辺りはまさに、プライベートな服装でパブリックな仕事を行ってもいい時代になったと言えると思います。

それ以外にもフレックスタイムやテレワークなど、プライベートがパブリックに影響を与える傾向にあります。

若い世代だけではなく、プライベートとパブリックが重なり合っている時代になっているのでしょう。

その一方で、いわゆる飲みニケーションといった、終業後の会社の人との付き合いは昔に比べると減っています。人間関係はオンオフがはっきりしている代わりに、自分の行動はオンオフが曖昧になっているということになります。

昭和の時代は、飲み会や慰安旅行など職場での人間関係が濃厚でオンとオフが曖昧でしたが、いざ自宅に帰ったり休日にはオンとオフははっきり分かれていました。
平成の時代(特にその後半)は逆に、職場の人間関係はオンとオフがはっきり分かれている一方で、業務に関しては休日でもメールやSNSでつながる可能性がありますし働き方もプライベートが混ざっているような状態になりつつあるようです。

さて、令和の時代には、パブリックとプライベートの関係はどのようになっていくのでしょうか?

職場の人間関係については、AIや自律ロボットが普及することで人間同士のつながりは疎になる場合と密接になる場合の二極化するのではないかと思います。

一人の人間が大量のAI・ロボットを管理出来るようになりほぼ人と人との直接のコミュニケーションはなくなる一方で、人間でしか出来ない仕事・サービス等に関わる職場ではコミュニケーションが濃密になると思います。ただし、そのコミュニケーションは面と向かっての会話だけではなく、ネットを通じてのものもあるでしょうから、やはり働き方としてはオンオフが曖昧になってくると思います。
昭和から平成にかけて迎えた変化がさらに極端化していくのが令和の時代における働き方、オンとオフの関係になるのではないかと推測していますが、令和の時代の終わりには想像もつかないような状態になっているかも。怖いようでちょっとは楽しみですね。

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