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ネット回線のセーフティネットとしての電力線通信というのはアリなのでは?

PLCというのは以下の記事中にもありますが、既存の家庭用コンセントを通じて電力線をネット回線として使うための機器です。無線LANの電波が届きづらい、あるいは使えない場所でなおかつ有線LANのケーブルを這わせるのも難しいような場合に利用されます。が、そもそもそんな場面自体が少ないために実用化された後もあまり普及はしていません。

パナソニックがコンセントに差すだけのネット接続家電
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190406-00010000-newswitch-ind

PLCによって、コンセントから電源を取る家電も全て簡単にインターネットにつなげられるようになる、という内容です。

PLCについては以前、個人的に使用したことがあります。その頃はまだ無線LANの普及していた規格が、11bや11gあたりの頃でしたので通信速度が速くなく、PLCでも結構使える、という印象がありました。

その後、無線LANがどんどん高速化していき、最近ではメッシュ対応のルーター・アクセスポイントも増えてきたので、ネットにつなぐのはまず無線LAN、という時代になりつつあります。そうでなくても、最近の新しい家・マンションでは各部屋に家の玄関やリビングからLAN配線を壁や屋根伝いに最初から作り込んでありますので、PLCがネット利用時の通信手段として第一選択肢になることはもう無いでしょう。

しかし、あくまで第一選択肢としての利用が無いだけであって、もしものときの備え、としては逆に非常の有利なのではないかと思います。

有線LANはスピードと安定感はありますが手軽さでは無線LANに勝てません。その一方で無線LANは高速化していき、かつ5G時代になれば無線LANもなくてもいいようになるでしょうけれど、電力を供給するコンセント・電力線が無くなることは考えるのが難しいはずです。超小型の太陽光発電装置か、ドラえもん内部にあるような核融合発電装置が、ノートパソコンやスマートフォンに搭載されることにより使う側から充電されるようにならないかぎり、IT機器への電力供給は必須です。最近では無接点充電を数メートル離れてても出来る技術がありますが、それでも部屋の中にコンセントがあるのは数十年後も変わらないでしょう。

有線LANが無線LANと5G(あるいはその先の6G)に取って代わられるのはおそらく間違いないでしょう。IT機器がどんどん小型化していく中で、有線LANポートは間違いなく邪魔になります。無線LANやモバイル回線のモジュールの方が、LANポートよりもサイズ的にも小さくなっていくことでしょう。そうなると、無線接続がメインになり、各家庭にも有線LANの配線が無くなり、ルーターも有線LANポートがほぼ無くなるはずです。機器から出ている物理的なケーブルは電源ケーブルのみになるでしょう。

しかし、そのような状態になったときに、無線LANやモバイル回線の不具合、接続障害が起きてしまうと大変なことになります。ネット接続前提のPC・モバイル機器がネットにつなげなくなると無用の長物となります。YouTubeが見れなくなる程度であれば大した話ではないでしょうけど、そのような時代になっていれば、生活を営む上で必要な情報のやり取りや生命に関わるような問題が発生するかもしれません。

そうなったときのために、電源ケーブルと通してネット接続出来るPLCは通信におけるセーフティネットになるかもしれません。

PLC通信が第一選択肢でなくても、第一選択肢の通信経路が途絶えたときに通信できる第二選択肢という道は、PLCにとって生き残る道であり、PLCにしか出来ないものだと思います。

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