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上野公園に三国志展と松方コレクションを見に行きました

先日、ルヴァンカップ準々決勝第2戦FC東京対ガンバ大阪を見に上京した際に、ついでというかスタジアムに行く前に上野に寄りました。

京にはこれまで何度も来ていたけれど、上野に来るのは初めてです。台風15号が接近する中、天候が不安でしたが羽田空港に朝着いて、モノレールとJRを経由して上野駅で降りたところ、快晴でした。むしろ暑すぎる。台風到来前の特有の蒸し暑さですね。

お上りさん状態で上野公園をキョロキョロしながら歩き、まずは国立博物館へ。

お目当ては三国志展です。

https://sangokushi2019.exhibit.jp

この国立博物館での開催の後は、関西は無くて九州国立博物館での開催になるので何かの都合があれば見たかったところにちょうどガンバの試合もあったので良かったです。

国立博物館に入るところの行列が結構あって驚きましたが、チケット売り場も多くてそれほど時間をかけずに入れました。しかし展示されている平成館の前にも行列があり、朝とはいえさすがに日曜日ですね。

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中に入るとやはり混雑していますが、子ども連れも多く普通の博覧会・美術展なんかとは違いますね。また、ここでは展示物の写真撮影可となっていて、この辺も異なるところです。

展示カテゴリの最初に、該当する横山光輝の三国志のページが拡大されて掲示されていました。

日本人にとって三国志というのは、いわゆる歴史書の「正史」の他に、フィクションも追加された「三国志演義」、昭和に書かれた吉川英治の「三国志」やそれを元にした横山光輝の漫画「三国志」、NHKの人形劇「三国志」、コーエーのゲーム「三国志」など、時代とジャンルを問わず様々に派生してきましたが、正史も演義も漫画も網羅した博物展となっていてこういうところも珍しかったのではないでしょうか。

NHKの人形劇三国志で用いられた、川本喜八郎作の人形もいくつも展示されていました。アラフォー・アラフィフあたりのオッサンホイホイになっていた気がします。私も含めてですが。

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最後、グッズ売り場も大混雑でしたが、川本喜八郎作の人形をフィギュアで有名な海洋堂が復刻したミニチュアモデルフィギュア(1個540円)を買いました。諸葛亮でした。

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さて、国立博物館から出てきましたが、まだ試合開始時間までは時間があるので、もう一つの目的の国立西洋美術館で行われている松方コレクションにも行くことにしました。

https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2019matsukata.html

三国志展も松方コレクションも9月で終わりなので本当に良いタイミングでした。

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チケット売り場で並んでいる間にスコールのような雨が降っていましたがそれはいったん忘れて中に。

作品のリストは上記リンク先にあるので個別には書きませんが、有名な芸術家の名前が並んでいて驚かされます。モネ、ロダン、ミレー、ゴーギャン、ゴッホ、ピカソ、セザンヌ、ドガ、マネ、マティス、藤田嗣治などなど。戦前の日本が先進国だったであろうことはこの豊富なコレクションからも見て取れるのではないでしょうか。

ちなみに展示物の最初にデジタル技術を用いて推定復元されたモネの睡蓮が巨大モニターに映し出されていて、展示の最後にはその復元前のボロボロになった同じ作品の現物がありました。

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松方コレクションの一部は購入した欧州で保管されていたものもあり、それがナチスドイツの戦火に巻き込まれて散逸してしまい、ようやく見つかったときには保管状況の悪さからとてつもなく劣化していたわけですが、今回の松方コレクションの展示のメインテーマはこれだったのでは無いかと思います。

明治期からの殖産興業で豊かになった日本人が美術品を買い、
第二次世界大戦中のナチスドイツによる侵略と収奪から逃れるために隠され、
戦中戦後の混乱の中で重要な美術品でさえ散逸され、
見つかった時には汚損されていたが修復し、しかし破損している部分はそのまま残すことで、この一連の流れがモネの一枚の絵に集約されて表現されることになりました。

もちろんモネ自身の意図とは全く関係ないことではありますが、一枚の絵が20世紀の悲劇の歴史をその中にとどめる形となり、それはまた美術品に不朽の価値を付け加えることになりました。完璧に保存された作成当時のままの美術品とは全く異なる魅力、人の心に訴える力を、このモネの半壊した作品は永遠に持つことになったのです。


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