CLOはリーマンショックの再来をもたらさないのか?

日本の機関投資家において、企業向け貸出債権であるCLOの所有が増えているそうです。

CLOの説明については
CLO(ローン担保証券)の仕組みとポイントを分かりやすく解説
https://finance-gfp.com/?p=2448
こちらが分かりやすいかと思います。

そして長期に渡る日銀のゼロ金利政策によって投資先に困った日本の機関投資家(銀行や年金など)が目を付けたのがCLOです。アメリカではFRBが日銀ほど極端な施策を取っていませんのでCLO以外の金融商品にも旨みがあり、CLOの人気が低下しているようですが、逆に日本からの需要が増えています。

CLOは米国で人気低下、利上げ見通し後退で-日本からの需要は強い
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-02-25/PNBHS26S972M01

果たして、このCLOは安全なのか危険なのか?
絶対安全な金融商品など存在しませんが、邦銀が大量に抱えているこのCLOについてリスクを理解しているのでしょうか?

このような邦銀の姿勢に対して、金融庁や地銀協会が警鐘を鳴らしはじめました。

CLOローン担保証券、金融庁が調査 景気悪化時、不良債権化リスク
https://mainichi.jp/articles/20190312/ddm/008/020/107000c

ローン担保証券警戒 地銀協会長、リスク指摘
https://mainichi.jp/articles/20190314/ddm/008/020/162000c

かつてのリーマンショック時のサブプライム・モーゲージ債や、それを元にしたCDOや、さらにそれを中心としたCDSで大損害を出したのに結局懲りないんでしょうか。

リーマンショックが起きる直前、アメリカの投資家が逃げ始めたような場面でも日本の投資家がさらに購入していましたから、今の状況が過去と重なって見えるのは私だけなのでしょうか。

CLOを購入している人達は、CLOが「信用度の低い」方から焦げ付くと思っているかも知れませんが、12年前のサブプライムローンを元にした証券化商品はほぼ「全て」焦げ付いたのですが、CLOはそうはならないという確信は何を根拠に思っているのか知りたいです。CLOはサブプライムモーゲージ債とは違って、企業に貸し付けている債権を元にしているから大丈夫、と思っているのなら思い違いです。

かつてのサブプライムローンの問題点は、返済能力が無い借り手に対して、ろくに審査をせずに貸していたことでした。そして不動産値上がり後に借り換えをさせて返済させていた自転車操業が行き詰まったところで不動産バブルの崩壊と、不動産ローンが焦げ付いたことでそれを元にした証券化商品が破綻していってリーマンショックが起こりました。

不動産は値上がりし続ける、という理屈は幻想でした。
そして、企業の株価も長期的には値上がりし続けるもの、という理屈も幻想なのではないでしょうか。

ちょうど、先日、アメリカの株価も長期的にみて絶対に上昇するとは限らないということを、日本の株価を引き合いにして指摘している記事がありました。

「数十年待てば株価上昇」は確実でない-日本を見よとガンドラック氏
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-03-13/POABFG6K50XS01?srnd=cojp-v2-domestic

CLOが理性を保った貸付に基づいているのであれば、正常な範囲の焦げ付き率で収まるでしょうが、サブプライムローンの時のように、本来貸すべきではない企業への貸付を元にしたCLOが存在するとしたら、そしてその企業が倒産しCLOが破綻したら、CLOを保有する日本の機関投資家も大きな損害を受けることになります。そのような事態にならないことを祈ります。

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平繁無忙

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