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住民票の発行から考えるエコロジー

先日、千葉県の市川市がLINEで住民票の写しなどを発行を申請することが出来る仕組みを試すというニュースがありました。

全国初、市川市で住民票のLINEオンライン申請実験
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1175856.html

しかし、未だに住民票などの公的書類が紙媒体でしか存在しない、ということの方が問題のような気がします。

日本はデジタルデバイスを数多く生産しているのに、企業や役所などではアナログな対応が多いことが批判的に取り上げられますが、これもその一つと言えるでしょう。

デジタル先進国ではないのは、経済的に大国と言える国の中で日本だけではないのかも知れません。

こんな風に、イスラエルでもFAXが未だに必要だそうですし。

ハイテク立国イスラエル、人気デバイスFAX? 「片足を未来に、片足を聖書に置いた現代の国」
https://diamond.jp/articles/-/195145

しかし、そもそも紙媒体の住民票を必要としない社会システムを構築すべきなんじゃないでしょうか。
別にデジタルネイティブな国家を戦略的に構築しろ、と要求するつもりはないのですが、紙でなくてもいいものは紙以外つまりはデジタルデータで提供してもいいのではないでしょうか。

電子国家として名高いエストニアほど過激にデジタル化を進めることは日本においては不可能でしょうけど、紙を使わない「ペーパーレス」社会を構築するのは環境的には良いはずです。

日本の7割は山林で、豊かな木材資源があるはずですが、日本国内における木材やパルプの供給は輸入品に頼っています。

わが国の木材供給量と自給率(木材の輸入量)
https://www.shinrin-ringyou.com/data/mokuzai_kyoukyu.php

日本製紙連合会 | 製紙産業の現状 | パルプ
https://www.jpa.gr.jp/states/pulp/index.html

どこから来るのかといえば、当然ながら外国です。計画的に植林された木を伐採して持ってくるのであればいいのですが、熱帯雨林を大量伐採して輸入している分もあります。それによって日本の森林が守られているとしたら笑えないジョークでしょう。
日本での木材建築や紙での書籍・雑誌販売、オフィスや家庭での大量の紙の使用が外国の森林資源に支えられているという事実は直視すべきです。

もちろん環境保護のためだけではなく、公的書類のデジタル化はいちいち印刷して紙の書類を郵送や手渡しして、といった手間を省けるメリットもあるはずです。メリットとエコロジーを両立できますし、印刷する費用も省けます。書類のやり取りに必要な人件費も省けます。

時間も手間も費用も節約できるというメリットがあればエコロジーは実現出来ると思います。

様々な環境保護施策は、従来のものや方式よりも費用がかかることが多いため、なかなか進展しません。エコな方が安くつくようにならなければ進まないのです。逆に言うと、エコであるために高い費用が必要であるのならば進まないのはある意味当然でしょう。それを実現するのはテクノロジーの発展と進歩であり、IT先進国であればその実現により多く貢献できるはずです。

自己を最優先するエゴイズムは、地球環境を大切にするというエコロジーと対極的な存在とみられがちです。しかし、エゴを突き詰めていくと、エコに最終的にはつながるものだと思います。前述の住民票で言えば、紙の住民票が不要なシステムを作り上げれば、紙の使用量を減らすことが出来て森林伐採を減らせます。また、書類のやり取りに必要な時間と手間と人件費を減らせます。

究極のエゴはエコにつながると思います。

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