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負けず嫌いと99の壁

HSNGです
皆さん敗北を知っていますか? 私は勝ちたいです

どうやら自分は負けず嫌いに分類される人種らしく、幼少期はゲームでも何でも負けると泣き怒り周囲を困らせていたらしいです
まあまあ大人に近づくにつれ世の中には自分より能力の高い人間はごまんといること、というか何事も評価されることが全てではないことに気付き落ち着いていくわけですが......屡々古の負けん気は呼び起こされます
という訳で一番それが酷かった小学生時代のお話です

小学生なんぞ多少運動と勉強がそこそこできればわりと敵無しなんですね
昔から絵描くのが好きだったのでコピー用紙を一枚一枚セロテープで接着させ装丁したた○ごっちの漫画を連載しクラスの男子にまで見せて回ったり消しバト(消しゴムバトルの意)のクラス対抗試合を企画したり学芸会で脚本主演のコントやったりまあやりたい放題だったわけです
しょ~じき、正直な話苦手ではない分野では一番を取らないと気が済まなかった子供でした 最悪だよ!
そんな自分のことを無敵だと思っていた小学生ホソンゴが明確に敗北した事件が発生したのは小学2年生ぐらいの時だったかなあ

国語の授業で現在扱っている作品を音読させる宿題が頻繁に課されており
音読がんばりカード
というシートに作品名と回数を記録して保護者から印を貰い提出することで証明がなされていました
抑揚や声の通りまで保護者に評価される恐ろしいカードです

配布された当日には読破するくらい国語の教科書大好きマンだったためこれが全然苦でなかった私は楽な宿題だなあと胡坐をかきながら1、2回の音読を毎回こなしていました

しかし、その日はやってきたのです
いつも通り登校と同時に音読カードを教卓の上に提出しようとした時、それは視界に入りました
先に提出したであろうクラスの女子(以下A子)の音読回数が10回だったのです
こいつ正気か⁉課題として数回で事足りるのに⁉
今までノーマーク(?)であった女子に音読回数で負けたことが悔しかった私は「じゃあそれをゆうに超える回数を音読してやろうじゃん......」となり
次回の音読の宿題で99回音読してやると決意しました

Q. どうして99とかいうキリの悪い数字だったんですか?

A. 当時「沢山」という目標の達成に"100"を選ぶのは短絡的過ぎてアホっぽいと思ったからです

99も充分アホだよ

さて、別にA子が10回も音読してきたことで周囲や教師から褒められていた訳でもないし以前もこれからも音読回数が教室内のステータスとなることは小学校を卒業するまで一度も無いという前提にてこの不毛of不毛な戦いは繰り広げられることとなります
あとA子とこの件に関して口論どころか直接話題にすることも無かったです
ですがA子は絶ッッッッッッ対に私を意識していましたね
「私は○回音読したんだが?」みたいな煽りを吹っかけてくるでもなくこの女は音読カードという""結果""で私と勝負をしに来ているのだ
んじゃあ此方も""結果""で示さないことには対等にならねえよなあ?

私は本気(マジ)だった マジで99回の音読をした
最終的にカードに印を押して判定役を担うため全99回の音読を聞いてくれた母も「なに......?」みたいな顔をしていたと思う
まあ小学校低学年用の文章であるため大人からすればさほど長くはなかったでしょうがそれでも99回は苦行ですよ普通に
途中でお経のような棒読みになりかけるもこのカードは声のトーンまで評価されるのだ 一回一回に気を抜くことなくぶっ続けで読経しました

そんなこんなで満を持して99回と記録された音読カードを提出した私はそりゃもうA子の音読カードを漁りました
ガハハ見てろよと こちとら99回やぞ
数倍に増やしたところで太刀打ちできる数字じゃないぞと



200回




いや......

いや................................................

嘘つけ!!!!!!!!!!!!!!!

20倍だよ インフレが過ぎるよ
その後さらなる回数に挑戦し不毛な争いを続けたかどうかは覚えてないです 多分飽きたか忘れたかでやってないかな
A子に嘘を指摘することもありませんでした 証拠も無いし元々静かな戦いだったので
もしかすると対抗心を燃やしていたのは私だけだったかもしれないと思わなくもないですね......

そしてA子と私の冷戦(普通に仲は良かったです)はたびたび続きました
マラソンカードというのがありまして カード大好きかよ
1から続く数字のマスがずらりと並び、校庭を1周する度に1マスずつ色鉛筆で塗りつぶしていく秋冬の長距離走を促すためのカードです
これもまた配布されるのみで教師側からああしろこうしろここまで走れなどとは一言も言われていないのですがA子が凄まじい勢いで塗りつぶしていたのを見た私は総距離が学校から東京タワーに到達するまで(目安となる具体的な距離と対応するシンボルが描かれており東京タワーはゴールの象徴だった)休み時間の殆どを校庭集会に費やしていました
自分が走るのに必死で気づいていなかったんですがそういえばA子が走っている様子は一度も見たことが無かったです

明らかな嘘に対抗するためにドッジボールの誘いを断ったり相当マヌケなことやってましたね
冒頭で評価が全てではないと言いましたがなんだかんだ自分が納得するかどうかが基準で評価は二の次なのかもしれませんね 独りよがりだ~
負けん気ないと活動のエンジンがかからない時がままあるので今後も上手く付き合っていきたいと思います

99枚絵描くか!

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