※ 本記事は、「矢野俊策」「有限会社ファーイースト・アミューズメント・リサーチ」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。（C）矢野俊策／F.E.A.R.

私HSNGが初めて作ったDX3rdキャンペーン、『Dirty Pair』を頒布してから2年ぐらいが経ちました 遊んでくださった方、ありがとうございます！
今までふせったーさん、Privatterさん等のワンクッション置けるツールをお借りして気まぐれに裏話や設定などを垂れ流したりしていたのですが
「なんか情報が散逸していて親切じゃないな……」と思ったため
この記事一本だけ見れば諸々がわかる！みたいなものを各話ごとに纏めることにしました
本記事は
・『Cobalt Plan』をプレイしたばかりのPL
・これから『Cobalt Plan』のセッションを行う予定のGM
に向けたものとなっております
『Cobalt Plan』以外の拙作シナリオのネタバレは含まないようにしておりますが何かあればご指摘していただけると幸いです

↓↓↓↓以下『Cobalt Plan』本編ネタバレの内容となります↓↓↓↓

◆シナリオテーマについて

【裏切り】
PC②が全貌を知っており、クライマックスで盛大なネタばらしをする壮大なドッキリ ただし、GMもPC②のプレイヤーもPC①及びそのプレイヤーを出し抜こう、驚かせようという意識が行き過ぎないよう注意してほしい要素です
このシナリオを作った当時は私自身も勘違いというか配慮が欠けていた点ではあるのですが、Wハンドアウトルールを掲載しているサプリ『ユニバーサルガーディアン』にも「無用な対立を助長するものではない」とありますので、最終的にはPC同士味方であることを忘れずに！

【孤高の人とレネゲイドビーイング】
人ならざるものとどう向き合うべきなのか、人間とはどういう生き物なのか 突き詰めるとこのシナリオは相互理解の話です
レネゲイドビーイングは少なからず人間に対し興味を必ず持っている(『基本2』p207)という設定に基づいて、「なぜこの人間は自分に冷たいのか？なにか理由があるのか？」といったファーストコンタクトがあると興味を持てるかな と思いこのような設定にしました
方や一人でも活動できる優秀なエージェント、方や長らく隠匿されてきたレネゲイドビーイング エンドトレーラーにもありますが異なる形であれPC2人は孤独だったということになります

【大切な人】
設定上オーヴァードが望ましいとありますが非オーヴァードでも問題ありません、自由にやってください
PC①がジャームにならず理性につなぎ留められている歯止めであり呪縛

◆NPCについて

ぶっちゃけこんなものは本編に関係ないのでフレーバー程度の情報と捉えていただければ幸いです　その卓ではその卓の設定が正しい！
誕生日と身長は聞かれたものだけ決まっているため全員分ありません悪しからず

伊比津美摘(いびつ みつみ)

元ネタ：歪
シンドローム：ハヌマーン
ワークス/カヴァー：UGN支部長/暴走巫女
コードネーム：荒御魂
性別：女　年齢：27
身長：167cm　誕生日：-

よくよく考えたら本編での出番がほぼない人
育ちはいいので戦闘能力、家事(料理・掃除)、ファッションセンス等は圧倒的に荒御魂の方が上です 事務仕事も実は出来ますが気性が荒いこともあり表人格を和御魂に任せた方がスムーズに事が運ぶこと、《戦闘用人格》ではなく《奇妙な隣人》であることは万が一の時奇策を打つ伏せ札になり得るため表向き隠しています PC②を最終兵器として隠していたことも含めわりと武上はUGNの秘密主義が色濃く出ている支部なんじゃないでしょうか
データ上は【精神】が10を超えており、クライマックスまでインディゴ本体を自身の中で押さえつけています 本気を出せば人格を取り返せる上、計画が失敗した場合は中身のインディゴごと自害する覚悟(彼女にとっても部下を何人も酷い目に遭わせた仇であるため)です
本来中身がインディゴでなく荒御魂本人であれば、無理にPC①②を組ませることはありません 彼女もまたレネゲイドビーイングに苦労させられてきたため、口では悪態をつくもののPC①のトラウマをあまり刺激したくはないと思っているようです
組織の決定にはなんだかんだ従順で、だがそれはそれとして文句は言うぜ！暴れるぜのマインドの持ち主 パワハラには変わりないので諫めましょう
右脚の入れ墨はイビツオオカミを馴染ませるために施されたもの

イビツオオカミ

元ネタ：神、紙
シンドローム：ハヌマーン
ワークス/カヴァー：レネゲイドビーイング/式神
コードネーム：和御魂
性別：男　年齢：数千
体長：15cm　誕生日：-

伊比津神社の祭神兼巫女に代々憑依する男神 よくよく考えたらこちらもあまり出番がない
面影島以前より人間と交流してきたレネゲイドビーイング、ゆえに柔和な態度こそとっていますが人間とレネゲイドビーイングの接触に関しかなり気を遣っています
レネゲイドビーイングに因縁を持つPC①に軽率にPC②を合わせるべきではないし、潜在能力が高いからこそアイデンティティが確立しているとは言い難いPC②を武上という大きなコミュニティにいきなりぶち込むのは避けたいと考えた末の"武上の最終兵器"という措置でした


衣良海りね(いらみ-)

元ネタ：麻(ramie、linen)
シンドローム：モルフェウス/エグザイル/オルクス
ワークス/カヴァー：レネゲイドビーイング/ゼノスメンバー
コードネーム：ラミーピクシー
性別：女　年齢：不明
身長：148cm　誕生日：-

無関心担当
毛先は布状になっていて、巻きつけて捕縛したり防御壁にしたり手当にも使用できます 切断しても痛みはありません
本来は《インフィニティウェポン》で布を巻き付けた槍を生成し、《縮地》《バックスタブ》で接近して攻撃を行う白兵型アタッカー
プランナーが彼女を傍に置いている理由はレネゲイドビーイングとして人間の興味が希薄なことを心配しているためです

坂月かづ樹(さかづき-き)

元ネタ：なし
シンドローム：オルクス
ワークス/カヴァー：UGNエージェント/高校教師
コードネーム：ジャッジメント
性別：男　年齢：35
身長：181cm　誕生日：-

心臓と耳に黒曜の鎧生えてると言われた実績のある自信過剰自意識過剰ごきげんオルクスおじさん 作劇的意味はそんなにないマクガフィンなんですが居ないと全体的に暗くなってしまうので賑やかし要員として配置されました
領域を操作し、不可視の鎖で味方を補助します
便宜上データには載せてないのですが《大地の牙》による射撃攻撃もできないことはないです 得意なのはどちらかというと支援方面 何せ私は優秀ですからね

武上ではなく、さらに隣町の早郷谷(さごや)支部から派遣されてきた外部エージェント 各所で厄介払いされているのか色々な場所に派遣されては首を突っ込んでいくのが主な活動形態
蒼い錠剤の運搬に彼を呼んだのは荒御魂からインディゴへのささやかな嫌がらせです 何故かへこたれない人間と人間が狼狽える様を見るのが趣味のインディゴは実は結構相性悪かったりします それはそれとして荒御魂も坂月のことは普通に鬱陶しいと思っているので吹き飛ばすのは止めません

元チルドレン教官、現エージェントという経歴を持っています カヴァーの高校教師としての仕事もしっかりこなしており、担当教科は倫政です
自信満々な理由は覚醒生誕ゆえの選ばれし人間意識もあるんですが、一番は「大人が自信満々であれば子供は頼りやすいはず」という想いでやっています 戦闘員として前線で子供の前に出られるので、各地を飛び回るスタイルは性に合っているんじゃないでしょうか
カトリックのクリスチャンでロザリオを持ち歩いています

インディゴ

元ネタ：スライム、インディゴ
シンドローム：エグザイル
ワークス/カヴァー：レネゲイドビーイング/アメーバ
コードネーム：インディゴ
性別：男　年齢：不明
体長：不定　誕生日：-

気さくなレネゲイドビーイング
カラーリングは全然インディゴブルーではない
面影島事件の時期との兼ね合い上『Dirty Pair』のステージ時系列が5年後設定になっている主な原因はこいつです
クライマックスまで頑張って荒御魂を演じていました(素の性格が似ているのでそんなに意味はなかった)
彼の厄介な点はどんなにダメージを与えても分散して逃げ回ったり、人質を取ったうえで取り憑いた対象を殺害したりジャーム化させたりする悪質さで本体のデータはそんなに強くないです

基本的に人間を見下しています 逆にレネゲイドビーイング同士だと仲間意識はあるようで、プランナーやPC②に対して疑いは持っていなかった模様 身内に甘いヤンキーの思考
彼の思考もまた歪んだ形ではありますが"人間への興味"です
ロイスをPCに結ぶとすればPC①に対し「○執着/殺意」、PC②に対し「○連帯感/無関心」でしょうか 無関心は表面上つるんでるだけで本質を見れていないという解釈
なんならPC②よりもPC①のことをずっと見ています 大切な人殺したとき反応よかったな……もう一回見たいな……的リピート視聴感覚及び人間の癖に楯突いてきてむかつく、殺そう！念入りに丁寧に！
そこでとある筋からプランナーを頼るよう手引きされた彼は逆に嵌められてしまった、というのが本編での顛末です
元ネタのインディゴは染料としては染めにくい物質で、毒性持ちの扱いづらい代物

《ヒューマンズネイバー》イメージは上記の通りです
もしPCにとどめを刺されないifがあるとしたら強制的に人間の姿にさせられて収監とかじゃないでしょうか 一番の屈辱だと思います

プランナー

公式NPCですが本編解説も含め少しだけ
正直個人的にはプランナー本人がプランの詳細をベラベラ語るの解釈違いなんですが説明しないとお話にならないのでPC②ハンドアウトシーンでは語り手となってもらいました

和御魂の言っていた通り【蒼蒼計画】の提案はかなり脅迫に近いものです
子供たちが無事なのは直接憑依されたのではなくインディゴの因子をごく微量に含んだ錠剤を摂取して暴走しただけだからなのですが、ジャーム化には至らないとはいえ危険に晒すことになるため和御魂は反対してました

本来インディゴ錠剤の殆どは廃棄して正常なものにすり替えていて(足りなくなっている一因)、ただし本編で坂月が指摘したようにインディゴ自身の目に触れる発注分は本物を仕込まざるを得なかった感じです
わざわざ細切れになって体細胞提供したのに捨てられているインディゴ
といいつつもプランナーは日々出に関してだけはわざと彼女に錠剤が蓄積するよう野放しにしておりました
・インディゴにいつPC①を殺害するのか急かされた時にダシにするため、「特別な素体を用意してありますよ、彼女ならきっと〜」みたいなことをインディゴに言ってたんじゃないでしょうか
・患者の中の誰が暴走するかのランダム性を排除するため
・長期入院患者で都合が良かったため

えぐいことはしつつもなんとなくおちゃめに描くようにはしています
なぜ彼女がPC②に興味を持っているのか、詳しい内容は今のところ伏せられたままでしょう

◆その他設定

■武上町
市ではなく町 モデルは幕張
『Code Magenta』の小佐古市と比べて面積は小さいですが発展度合いは比べ物にならないレベルでこちらの方が都会
野球スタジアム、アウトレット、レストランゲームセンターショッピングモールなんでもござれ
郊外に伊比津神社(ちなみに幕張にも神社あります)があり、イビツオオカミが祭られ、代々伊比津の一族が巫女をやっています

■武上総合病院
9階はオーヴァードを収容する棟になっています
職員の殆どは非オーヴァードで、武上のメンバーとは大体面識があり任務後の治療行為はここで行われることが多いです
年に一度の健康診断もこの場所でやります 侵蝕率が高いと怒られることでしょう

■UGN武上支部
PC①を中心とした200～300人程を抱える中規模支部
表向きは駅から5分ほどの距離にあるおしゃれなオフィスビルとなっており、ドリンクサーバーやカフェテリア、テラス等が完備されています
武上支部のエージェント代表、と言われれば必ずPC①の名が上がります 支部内をうろついていると面識のない職員からも視線が集まるでしょう
武上で行われる式典の式辞はエージェント代表としてPC①がやらされることが多いです 良くも悪くも武上の顔で、日本支部から招集がかかることも少なくないです
支部長、PC②を除いたレネゲイドビーイングは所属しておりません(PC①でなくともインディゴの一件でレネゲイドビーイングに対してうっすら敵対意識を持っている職員もいた) なのでPC②も本編終了後は周囲から物珍しい目で見られるかもしれません
支部長として仕事を割り振ったり事務仕事をするのは殆ど和御魂です 戦闘に出るのは稀なので荒御魂の姿を見たことが無い支部員もいます

↓↓↓↓以下、『Perfect Gray』に向けたGM向けの情報になります↓↓↓↓

◆処理・マスタリングについて

【ハンドアウト配布】
PC①：孤高のエリートエージェント
"優秀なエージェント"という肩書は本人のデータよりも周囲のリアクション・評価によって成り立つキャラクター性であるため、なるべく事前にPC①のプレイヤーと話し合い「周囲からどう扱われたいか」を擦り合わせておくことを推奨します
サンプル設定を3種用意してありますが、
・なぜ孤高(1人)なのか？
・「大切な人」との関係性がどのようなものであったのか
といった設定がはっきりしていればどのような設定でも進行しやすいです

PC②：謎のレネゲイドビーイング
情報量が多いです 認識の擦り合わせのためPC②のプレイヤーから質問があればなるべく答えるとスムーズに進行できます このハンドアウトは本編の真相の殆どを占めているためネタバレを気にせず伝えてしまいましょう
PC①のプレイヤーを過剰に騙そうとしないこと、表向きの一時的な敵対であり最終的には味方同士であることをGM、プレイヤー共に気を付けてください クライマックスでどのようにインディゴ(荒御魂)に攻撃描写をするのか、このあたりも事前に話し合っておいた方が良いです
また、和御魂といつから・どのように友人関係を結んでいるのか設定しておくといいでしょう

【ハンドアウト公開タイミング】
■PC①
・シーン6、蒼い目の子供たちを見た直後
・シーン7、坂月との合流後
・支部に帰還、情報収集時
■PC②
・シーン9固定
以上がよくあるタイミングです
プレイヤーからいつ公開したらいいか尋ねられたら「フリは用意してありますよ」と言うか具体的にぶっちゃけてしまったほうがスムーズです
PC②のハンドアウトシーン直前のインディゴ(荒御魂)への攻撃描写の際は、置いてけぼりにしないよう焦らずにPC①のリアクション及びRPを待ちましょう

【戦闘】
■推奨ビルド
単体アタッカー＆範囲アタッカーの組み合わせが一番安定します
手数が少ない場合は魔法使いの下僕の数を1体ずつ減らしたり日々出の体力を10~20程度削ってもいいでしょう
坂月に《妖精の手》を取得させ情報収集などの補助をさせてもよいです

■ミドル：VS 子供たち+α
PCの侵蝕率が不安であればこの戦闘は魔法使いの下僕に行動放棄宣言をさせても構いません

■クライマックス：VS 日々出(インディゴ)+従者
従者のHPは坂月の支援を考慮した上での数値となっています 範囲攻撃持ちのPCに積極的にダメージ支援をしましょう
衣良海のダメージ軽減は主に対日々出の範囲攻撃を防ぐためにあります PCのロイスを守る方向で対応できることが望ましいです

◆蛇足

(私信なのでここから読まなくていいです)
2作目です
『Code Magenta』を経てWハンドアウトに味を占めて作ったシナリオなので大分邪道な仕上がりになっています 今はこういった形のプレイヤーを騙しかねないシナリオは作らないかなあ……とは思うのですが人外と孤高の人の組み合わせ自体は好きなので、流れてくるエリートと最終兵器たちを楽しく眺めています
最終話に向けて頑張ってください！ 遊んでくださってありがとうございました