【UX名古屋】「共感マップ」を使ったインタビュー実践

【日にち】 2019/07/09
【主 催】 @uxnagoya さん
【内 容】 共感マップを使ったインタビュー実践

UXには、顧客の心に触れる作業が不可欠。
「顧客は本当は何を必要としているのか?」
顧客自身もこれを把握できていない場合がほとんど。
そこで「インタビュー」を実施する事で、顧客の潜在ニーズを掴みに行く。

今回は、そのインタビューのやり方について学ぶ回でした。
顧客を分析するために使ったのは、「共感マップ」。
これで顧客の心と頭の中を可視化します。

【共感マップ】 @takoratta さん画像1


※以下、「インタビュー相手=対象者」と表記しています。


1.対象者に本音を話させる ※重要!!

対象者が楽しくノリノリで話すインタビューでは、対象者の「本音(真の声)」が聞ける。では、どうやってそんなインタビューにするのか?

答えは
「対象者に緊張感を与えず、対象者が話しやすい状況を作ること」

・場作り
  ⇒ 会議室は緊張感をあたえるのでダメ
    カフェなど雑音がある場所が良い
  ⇒ インタビュアーは
    話しやすさを演出する(服装、メイク、表情など
・インタビュアーはメモ等を取らない
  ⇒ 対象者気メモを気にしてしまうので…
  ⇒ 対象者気メモを気にしてしまうので…

上記を実現するためにインタビュアーは
「インタビューに行く」ではなく
「お話をしに行く」という
ラフなスタンスで対象者に接すると
対象者に与えるプレッシャーを減らす事ができる。


2.対象者を常に疑い、対象者の言葉を深掘りする

具体的には、
■対象者の言葉を鵜呑みにしない
■対象者を理解したつもりにならない
■対象者の話した言葉(ビッグワード)を鮮明化する

■対象者の言葉を鵜呑みにしない
対象者が「△△が欲しい」と言った際に、「△△」で納得しないこと。実は「○○するためには△△が良いって聞いたから△△が欲しい」という事が多い。
この場合△△ではなく○○に対するアプローチが必要となるため、対象者の言葉を鵜呑みにしてはいけない。

■対象者を理解したつもりにならない
実際はインタビュアーの価値観・感覚での理解であって、対象者の本心と異なっている場合が多い。実際はインタビュアーの価値観・感覚での理解であって、対象者の本心と異なっている場合が多い。
そのため、「なんで?どうして?」と深掘りして、対象者に本音を話してもらう事で、対象者を理解していく。

■対象者の話した言葉(ビッグワード)を鮮明化する
ビッグワードは人によって捉え方が事なるため、対象者にとってソレはどの程度のものなのかを質問して、鮮明化する必要がある。

(例) ちょっとした隙間時間
  ⇒ 10分だと思う人もいれば、1時間だと思う人もいる。

下記のような質問をする事で、ビッグワードを明確化する。
・ちょっとした隙間時間って、何分くらい?
  ⇒ 10分、1時間 など
・ちょっとした隙間時間って、どんな場所に居るの?
  ⇒ 通勤の電車、お昼休み など


3.対象者の利用文脈を知る

※利用文脈:どんな状況、どんな背景で、その商品やサービスを使うのか?

対象者の利用文脈を把握していない状態で、インタビューをして、その後製品を開発すると、対象者の求めているモノとは違った、商品・サービスが出来上がる事が多い。

(例) 丈夫で壊れないミシン
なぜ対象者は、丈夫で壊れないミシンを必要としているのかを深掘りしないと、下記のように、全く見当違いな商品・サービスとなってしまう。
(高額な開発コストをかけ完成したのに、まったく売れない商品…)

・利用文脈を把握せずに完成した商品
  ⇒ ボディーが超合金で出来た丈夫で壊れないミシン
・利用文脈を把握した上で完成した商品
  ⇒ 針だけが折れにくいミシン


4.「共感マップ」を意識してインタビューする

インタビュー中は、共感マップのどのパートの話なのか?を意識すると漏れが少なく、そして深いインタビューを実施する事ができる。

UX名古屋でオススメ頂いたインタビュー方法は、下記の順番で対象者に答えてもらい、そこから深掘りしていくというやり方。

今回のテーマ
「対象者の勉強していること」に当てはめると…
①対象者はどんな人か?
  ⇒ 仕事・趣味・ライフスタイルなど
⑤対象者は何をしている人か?
  ⇒ どんな勉強をしているのか?
②対象者は何故それをやろうとしたのか?
  ⇒ なぜ勉強しているのか?


5.私の学びポイント

私が行ったインタビューも上記「4」の順番だった。

まず、初対面の相手との心的距離を近づけるために、どんな人なのかを把握するために聞く。いきなり本題に入ると相手は身構えてしまうので、このパートの時間は長めに、インタビュー時間の1/4程度を使った。

次に、何を勉強しているのか?への対象者の回答は即答だったが、なぜ勉強しているのか?を深掘りしていくと、対象者が無言で考える時間が長くなった。この時間は対象者が 「自分の本音を自分で探っている時間」 だと思い、私はひたすら「待つ」を実行した。

ここで私が口出ししてしまうと、尋問誘導的に対象者の答えを、私寄りに引っ張ってしまうため、ぐぐっと我慢した。それでも我慢できずに喋ってしまった時があったので反省…

改めて振り返ってみると、この時間は「顧客の潜在ニーズ」に近づいている重要な時間なので、今後は「よし。さぁ来い!潜在ニーズ!!」という気持ちで、対象者の言葉を待ちます☆