【UX名古屋】「共感マップ」を使ったインタビュー実践_2回目

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【日にち】 2019/08/27
【主 催】 @uxnagoya さん
【内 容】 「共感マップ」を使ったインタビュー実践
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【共感マップ】 @takoratta さん
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【インタビューテーマ】
「社会人の学びについて(前回と同様)」
   ↓
【個人的に設定したテーマ】
「社会人は学ぶ際にどんなサポートを必要としているか?」

前回インタビュー中に迷走したため、今回は個人的にテーマを具体的に設定してインタビューを実施した。


1.私流インタビューの作戦

インタビューを山登りのイメージで進めた。
前回、インタビュー中に迷走してしまったので、本命の質問を山頂に設定し、スタート地点から山頂までの道のりに、本命よりも答えやすいサブの質問を設定して、サブの質問から実施する事で、私は回答者の状況を把握でき、回答者自身も頭の中が整理されるのでは?という狙いのもと、この作戦を実行した。
※質問内容の検討時に、共感マップを活用した

(例)本命:社会人は学ぶ際にどんなサポートを必要としているか?
  サブ1:何を学んでいる?
  サブ2:何故それを学ぼうと思ったの?
  サブ3:学ぶ為に何をやっている?
  サブ4:学んでどう思った?(やりにくい事など)


2.実践した結果

スタート地点から山頂までの道のりをインタビューで辿ったので(適度に脇道も追加した)、迷子になったり質問内容が漏れる事はなかったが、臨機応変さに欠ける浅いインタビューになってしまった。
私は回答者に対して「○○を目的に□□を学んでいる人」と勝手に前提条件を置いていたが、今回ペアワークでインタビューさせて頂いた方が、学ぶ目的や学ぶ内容が検討中な段階だったため前提条件が異なり、私はとても戸惑いインタビュー中に新たに質問を設定する事が難しかった…


3.反省点

前回は「言葉の深掘り」が出来ていない事が反省だった。
今回は「状況の深掘り」が出来ていない事が反省…

■質問が甘く、相手のリアルな状況を把握できていない
例えば「○○な本を読んでる」と聞いたら、私はそれで終わっていた。そこで終わらず、相手がどんな状況でどのように本を読んでいるのかを把握できなければ、相手の深層心理には入り込めない。そのため4W1Hのような質問を追加して、相手のリアルな状況を把握する必要がある。
(例)・いつ読んでる?
・どこで読んでる?
・どのように読んでる?(読む速さなど)

■回答Aをもらって満足してはダメ!
「他にない?」と聞き、A以外のBやCという答えがないかを確認する必要がある。私は最初に結論を出してから詳細を話すクセがあり「A・B・Cをやってる。まずAは~」という話し方をするが、全員がこう答えるわけではない。「他には?」と問いかける事で、回答者が考えて「そういえばBもやってる」と回答する可能性がある。その貴重な回答を受け取り損ねてはいけない。 


4.新たな学び「認知バイアス」

認知バイアス=思考の偏り。
認知バイアスという言葉は知っていたが、インタビューの場面において、バイアスの影響で実際とは異なる情報を得てしまうという怖さを今回強く感じた。

インタビューの際、いかに回答者に通常と近い心理状況で回答してもらうか?が重要だと前回学んだが、それを100%叶える事は不可能なので、回答者が通常とは違う心理状態である事を認識し、目の前の回答者の言動がバイアスによる影響でないか?注意深く冷静に観察する必要がある。

■バイアスの例
・自分にとって都合の良い人をインタビュー相手に選ぶ
・自分の興味がある事ばかり深堀りして質問する
・回答者がその場に応じて見栄を張ってしまう
(例)商品テストの際、人前だから頑張ってやったが、1人の時ならすぐに諦めていた

■バイアスの回避方法
インタビューする側は、自分にバイアスがかかっている事をどのようにして自覚して、自分のバイアスを解くのか?
⇒バイアスを自覚して回避する事は不可!

■バイアスの対応方法
・バイアスの怖さを常に強く自覚する
・どんな時にどんなバイアスにかかるのか、多くの知識を持つ
・一歩引いた視点&冷静な頭で、インタビューを行う

■私流バイアス対応の心得
・誰の味方でもないフラットな立場を意識する
・純粋な心を保ち回答者を観察する
・違和感や疑問を感じたら回答者に質問する
・回答者の感情に流されない(悲しみ、怒りなど)

■私のバイアス失敗談
今回は2回、回答者側を経験した。1:1のペアワークの時と、周囲から見られる形で回答者をやってみて、状況が変わるとバイアスがかかりやすくなるという経験をした。

(問)何を学んでいますか?
(答)マーケティングを学ぶ為にグロービスに通っています

マーケティングを学んでいると答えれば良いのに、通学の事まで話している。この時点でインタビュアーは回答者である私にバイアスがかかっていないか疑えるだけのバイアスに対する感度が必要。
※なぜ私がこのような回答をしたかというと、時間が限られており、後で通学の話になるだろうと思ったため、先に通学の事を答えた方が会話がスムーズにいくのでは?と気を使ったため。

■バイアスに対する私の課題
バイアスへの感度が高い人でないと、バイアスを察知する事はできない。そこでバイアスに対する感度を高めるために、下記を自分の宿題として設定した。
・バイアスの種類や特徴を、知識として得る
・日常的に人の言動とバイアスを結び付けて観察する

【バイアス参考サイト】
https://no-mark.jp/liveescape/brainpower/bias.html
https://www.jaswill.co.jp/blog/2011/09/01/post_433/
http://lelang.sites-hosting.com/naklang/method.html


5.インタビューのテク

■相手の価値観を把握するテク
インタビュー内容と少し違う角度から質問を投げてみる
(例)旅行のインタビュー中に、食事について質問してみる

■ペインとゲインを把握するテク
ペインとゲインを回答者自身に直接聞いてみるのもアリ!ただし質問の仕方次第で答えが大きく変わるので、質問力が重要。
(例)グロービスに通ってて心が折れた事はある?
※この回答を広げれば、ペイン・ゲインどちらかにも行きつく事が可能

■質問の進め方
ダーツのように本命の質問を中心に設定し、周囲にサブの質問を固める。
私が試した山登りと違って、好きなタイミングで好きな質問を出来るため、臨機応変なインタビューが可能。ただし、何を聞きたいのか?聞き漏れはないか?をしっかり自覚する必要がある。
※最初に本命の質問をしてもOK!回答者の心にその質問を印象付ける事で、回答者はインタビュー中、ずっとその質問を意識し続けるため、終盤に再度質問すると深い回答を得られる可能性がある。

ダーツ