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北岳(2023.09.03-09.04)

1年半ぶりのちゃんとした登山で北岳へ。前回はKくんと敗退した厳冬期八ヶ岳以来ぶり。
クライミングのアプローチで山は登ってはいるけど、長くても片道30分ぐらいだから。

概要

今回は登山久しぶりだし、体は鍛えて体重も減ってるけど、山を何時間も歩くのも割と特殊だから、様子見の感じで。
頑張れば日帰りだけど1泊2日なら楽だろうぐらいのルートにしようと思って探して、とはいえ丹沢とか甲武信ヶ岳あたりだと暑いし、北アルプスは遠いし。で、行ったことないから南アルプスの北岳行ってみようと。

北岳、標高3193m。日本で富士山に次いで高い山。
3番目が3190mの間ノ岳と奥穂高岳。間ノ岳は北岳の隣である。

1泊2日で北岳行くと決めて色々調べはじめてルートを検討した。
登山口となる広河原は上高地などと同じようにマイカー規制があり、バスを使わないと行けないので移動時間に制約がある。だいたい芦安か奈良田の駐車場に車をとめてそこから広河原へのバスになる。それぞれ一日数本しかないのと休日か平日か、時期でも変わるので時間は調べてください。(冬はバスもなくなる)

で、ルートは3つぐらい考えて、
1) 広河原 <-> 北岳ピストンのみ
2) 広河原 <-> 北岳・間ノ岳 ピストン
3) 広河原 -> 北岳 -> 間ノ岳 -> 農鳥岳 -> 奈良田 の白根三山縦走

今回は準備としては3)の縦走するつもり、駐車場も奈良田に。
奈良田まで歩ききってしまえば帰りのバスの時間心配しなくていいので、手間取っても家には帰れる。が2日目の行動時間が11時間とかになるので、様子見登山じゃなくて完全にマゾ登山になる。
まぁ、2)あたりが現実的かなというところで、肩の小屋ではなく先にある北岳山荘のテント場を予約した。

結論としては、2日目はがっつり雨で視界も悪く、間ノ岳いく気にはなれなかったので、1)の広河原<->北岳ピストンになった。

北岳山荘泊ルート地図

auは電波状況が悪くルート上たまにしか入らなかった。北岳山荘では全く入らない。docomoはだいたい入った。

装備

荷物は水も入れて11.3kg。ザックはPAAGO WORKS Buddy33。

前は1泊2日テント泊だと45Lのザックで15kgぐらい背負ってたけど、今回は色々軽量化した。雨具はツェルトポンチョだけにしようと思ったが、結局天気が怪しいので上はミレーのティフォン50000。下はMONTANE Podium Pants・手袋も持ってくことにした。まぁ仕事もあって天候が確定しているときにいけることがほどんどないので雨の準備は私の場合はいつも必要だ。
ツェルトポンチョで覆えるのでザックカバーはなしにした。
ダウンは上のみにしてPatagoniaのマイクロパフベスト(袖なし)。シェラフカバーもなしでエマージェンシーシートで兼用。食事と水は念のため多めに入れていて、結局だいぶ余ったのでトータルの重量としては1kgちょっとはまだ削れるけど、ここら辺は仕方ないかなぁ。

1日目 9/3(日) 登り

4:45奈良田到着。まだ夜明け前で駐車場の位置がわからず少し迷うも、人の出入りみてたら駐車場発見。満車に近い状態。(ほとんど土曜に来ている人だと思われる)

思ってたより肌寒くて半袖で行くか長袖で行くか悩んだが、まぁこれぐらいなら歩けば暑くなるからと半袖で。温度的にはよかったけど日焼け考慮がもれていた。
バスの席は早い者順だろうから、5:10バス停へ。
もうバスが到着していた。何人かすでに座っていたが、私も無事座れた。

5:30にバスが出発し、6:10ぐらいに広河原インフォメーションセンター到着。トイレは洋式で綺麗。
2Fには休憩用のベンチなどもあるらしい。トイレだけ行って6:25登山スタート。

広河原インフォメーションセンター
いきなり吊り橋渡る
橋をわたってすぐ広河原小屋

白根御池分岐まではゆるやかな登り、その後標高差500mぐらいの急登の尾根を登ったあとトラバースして白根御池小屋へ8:35到着。予定を1時間以上巻いた。

トラバース中の沢、流量十分。これが広河原に流れ早川になり、富士川に合流して太平洋へ。
白根御池小屋。ちょっと休憩して行動食を食べる。いっぱい人がいた。
全品グルテンフリー!いいね。
白根御池。先の看板を左に行くと八本歯のコル。帰りはそちらから。
行きは右に進んで砂スベりの急登へ。

砂スベりの急登はカンカン照りで暑くて疲れた。その後ガスってきてせっかくの稜線歩きがーと思ってたら、結局晴れて稜線は視界良好。
2時間弱急登を登ると小太郎尾根分岐の稜線。2860m。

虫だらけの稜線歩き

左奥が北岳。途中のへこんでるところに肩の小屋も見える。
振り返ると鳳凰三山がはっきりと。登山始めた頃に吐きそうになりながら登ったなー。
途中、ひょこひょこしてる鳥をみかけておいかけて撮影。
雷鳥の子供かなと思ったけどどうやら「イワヒバリ」説が濃厚。

本当は気持ちいいはずの稜線歩きなんだけど、今回はとにかく虫が多かった。ハエ、アブ、ブヨがむちゃくちゃ多くてちょっと止まるとたかってくるので全然休めず、ただただ歩いた。
今年は暑すぎるので異常発生しているのか、もう少したったらトンボがでてきたら捕食してくれるのか。とにかく不快だった。ほんとうじゃうじゃいた。小鳥頑張って食べてくれ。

もうすぐ北岳肩の小屋。標高3000m。
肩の小屋

11時。肩の小屋到着。せっかくだから小屋でご飯でも食べようかなと思ったけど、注文が混んでたのでベンチに腰掛けて行動食を食べた。
岩場がぼちぼちでてきたので、ストックはしまった。
靴履いたまま太もものストレッチをしようとしたら、足の裏が攣りそうになり、靴を脱ぐのが面倒だったのでストレッチをやめた。

肩の小屋は、ここ何年か前にリニューアルしていて綺麗らしい。私が登っている間で2便ぐらいヘリが荷物を運んでいた。

よじよじと岩場を登り、
頂上登頂!

北岳山頂に11:50到着。予定より2時間巻いた。
ここからは北岳山荘に下るのみ、だが結構ざれてて歩きにくいのであまりペースは上がらない。下りは苦手。

尾根途中の赤い屋根が北岳山荘
近づいてきた

13:00 今日の目的地の北岳山荘に到着。テント泊の手続きをしてポカリスエットとパンを買ってがぶ飲み。
日差しが強いけどとりあえずテント設営。テントに少し出入りしている間にもハエとかが5,6匹入り込んで駆除が大変だった。

記念撮影

まだテントの中は暑すぎるし、外は日差しが強すぎるし虫も多いしで、まわりをふらふら。山荘の東側にベンチと机があって日影で虫もいないナイススペースを発見。

ベンチの日影から、正面のスペースもテント張れる

ここでお菓子食べたりポカリスエットやアミノ酸ドリンク飲んだり、ストレッチしたり、地図見て明日どうするか考えたりなど。
この時点で稜線の虫の多さにうんざりして縦走する気はなくなっていた。

16時ぐらいになると日影が寒くなってきたので、テント場に戻る。

石垣を背もたれに俺用ソファとか調子にのってたらエアマットに穴が開いてしまい、大ピンチ。補修キットはもっていたが、これまで一度もつかってなかったので接着剤が固体になっていて使えず。ダクトテープを穴に貼ったり、ライターで炙って接着してみようとしたりしたけど空気の漏れを止めることはできず、最終的に補修用のシートを山小屋の方にお借りしたシューズ修理用のゴム接着剤で貼りあわせて固定。
大分良くはなったが、空気はわずかずつもれて、結局寝ている間2,3回おきて空気を入れ直した。

帰ってから撮影した補修後。残念ながらこのマットは廃棄。

その後、湯をわかして晩ご飯。

アルファ米と畑のカレー

北岳山荘は飲料水はただで補充できた。ポカリスエットは600円。

北岳山荘の入口。要塞感がある。

18時頃にはもうほとんどガスで回りが見えなくなって天気的にももたなそうなのが予感された。

18:30

何も見えないなら間ノ岳もいかずに下山しようかと思うが、広河原から奈良田へ行くバスは朝は7時しかなく次は14:30。どうにも間に合わない。検索すると乗り合いタクシーが7時40分と12時半にあるという時刻表のPDFが見つかった。頑張れば7時40分間に合うかもしれない、まぁ間に合わなくても12時半なら待てばいいかと思って、3時に起きる予定で19時就寝。

夕焼け見えないかなーと思ってぼーっとしてたところ、
一瞬だけガスが消えて綺麗な景色が見えた。

2日目 9/4(月) 下山

睡眠薬飲んでても、マットが空気抜けて背中痛くなって何回か起きて空気を入れたりもしつつ少し寝坊して3:30に起きた。外は雨、本降り。もう間ノ岳いっても何も見えないので下山することに。八本歯のコルらへんは前日に遠目にみた感じ険しそうにみえ、暗闇で降りるのは怖かったので、コーヒー入れて朝ご飯にパンを食べ、テントを撤収して4:30出発。5:10ごろ夜明けなので、八本歯のコルにつく頃には日がでてる予定で。

まだこの時は7時40分の乗り合いタクシー、ぎりぎり間に合うかもなと思ってたけど結果全然無理だった。

下山時は、上下レインウェアにポンチョ。ポンチョの腰縛るひもがどっかにいってしまったがザックのベルトに挟んで止めた。

ヘッドライトで進む
吊り尾根分岐
八本歯のコルらへんの階段。

八本歯のコルらへんは案の定険しく、木の丸太階段というかはしごというかが多くあった。濡れているので足を滑らさないようゆっくり進まねばならず、時間は全然稼げなかった。

明るくはなってきてもまだ雨と霧の中。

ひたすら下って、6:40大樺沢二俣へ。ここからはもう樹林帯なので危険もなし、雨にもさほど濡れないので、レインポンチョをしまってペースを上げる。

雪渓はまだ残ってはいるがほんのちょっと。
というわけで下山完了。左奥に見えるのが広河原インフォメーションセンター。

結局、広河原についたのは8:30だった。
別方面の乗り合いタクシーの運転手さんに乗るか聞かれたので、奈良田なんですというと、奈良田行きの乗り合いタクシーはもうないという衝撃の事実が・・見てた時刻表が古かったらしい。

その運転手さんの乗り合いタクシーはまだ出発まで時間があるとのことで、貸切だから1万円かかるけど、それで良ければ奈良田まで往復してくれると!
6時間広河原で足止めは辛いし、コンクリの道を雨の中20km歩いて奈良田までいくのも嫌すぎるので、即答でお願いし、奈良田まで連れてってもらい、無事マイカーの元へ。

その後、運転手さんに教えてもらった奈良田の里温泉(女帝の湯)で、温泉入って着替えて、ご飯たべてストレッチやマッサージをして無事帰京。
奈良田の温泉はヌメヌメしてなかなか良かった。

このあと金曜日までは大腿四頭筋と脛、ふくらはぎは激しい筋肉痛でつらかった。1日目の登りは全然大丈夫だったけど、やっぱり下山のエキセントリック負荷は筋肉へのダメージはすごい。1年半降りというのはあるけど。

白根三山縦走はまたいつか違う季節でリベンジしたいと思いう。5月末あたりのほうがいいのかなー。あの虫はこりごりだ。





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