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中国の外遊び事情

中国で1ヶ月間、森のようちえんの研修を行ってきました。そこでの気づきをまとめていきます。

今回は中国の幼稚園での外遊び事情について。
中国で外遊びをするには日本とは異なるこんな条件、制限がありました。

自然環境|PM2.5

中国行くと言うと、必ずと言っていいほど「PM2.5大丈夫?」と聞かれます。実際、向こうの空気汚染状況はかなり良くないものでした。写真の通り、薄い黄土色のような空が日常で、青い空が見える日は感動すら覚えました。

幼稚園の玄関には、その日の天気に合わせて、PM2.5の状況も毎日表示してありました。重度の場合は外遊び禁止で、天気以外にも外遊びを制限するものとなっています。

(北京スタイル。かなり汚染がひどい時はマスク必須。でも、現地の人たちでマスクをしている人は1割程度でした。冬は特に汚染がひどいらしく滞在した時期も悪かった。。。)


自然環境|水質

酸性雨を含め、水質も問題になっています。砂遊び、泥遊びには欠かせない「水」という要素。中国での飲料水は、必ず専用のサーバーかペットボトルから飲んでいました。

森のようちえん実施に合わせ、園庭も作り変えたいという園長先生と話をしている時も、砂場に水があると、遊びが豊かになりますよーと言っても、「いや、水は大いらない。」という感じで、圧倒的な温度差で却下されました。

空気と水というかなり根源的な自然環境が制限されている状況を目の当たりにすると、日本の当たり前の環境がとても愛おしいものに感じます。


安全管理|人さらい

日本人にはあまり現実味のない話ですが、中国では、園外ではこどもが拉致されるリスクがあり、こどもたちが広がって自由に遊ぶような活動はあまり好ましくない感じでした。

そのため、研修後の森のようちえんの実施も園庭内で行うのが現実的だろうという話になりました。研修中に近隣の公園を使ったりもしましたが、使い慣れない環境に先生たちも過度に気を使っているようでした。

人さらいは、絶対に取り除かなければいけない危険です。そのリスクを犯してまで、森のようちえん活動を行う意味はありません。むしろ自分たちが使える環境をどううまく使っていくか、そういう視点の方が森のようちえん的と言えるでしょう。


まとめ

日本に比べて、いくつかハードな条件がある中国。制限はあるもののだからといって、森のようちえんができないわけではないです。(様々な制限があるのは、日本も一緒。)

むしろ、こういった状況だからこそ、環境のことを自分ごとにして考えられるひとを育てなければいけないんじゃないかという危機感、義務感のようなものも感じました。

普段、積極的に外遊びや自由遊びを行っていない幼稚園のこどもたちでしたが、いざ一緒に活動してみると、すごく楽しそうに遊んでいて、ほっとしました。

話す言葉は違いますが、草木や虫なんかに飛びついて楽しそうに笑っている姿は、日本のこどもたちとなんら変わりないものでした。

こうやって自然で遊んだ体験が、いずれ自然環境を考え、行動できる人になっていくと思うと、今、中国のこどもたちに森のようちえんを伝えていくことにも意味があるなーと思います。

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