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欧州旅行記⑦:ザーンセ・スカンス

2005年に欧州4ヶ国を旅した時の記録です。目次はこちら
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起きるとすでに1000。しまった寝坊した。

本日は天気が良さそうなので、アムステルダムの郊外ザーンセ・スカンスまで足を伸ばして見ることにした。オランダ名物の風車群を見られる場所だ。中央駅を1130ころ出発してローカル線で15分ほど。ローカル線は特急と違った、のんびりと流れる車窓に趣があってよろしい。

Koog-Zaandijikという、なんと読むか全くわからない無人駅に降り、そこから案内板に従って徒歩で15分ほど。住宅街の隙間からおおきな風車が顔を出す。思わず足早に、風車をめざして進む。

水辺まで進んでいくと、向こう側にはたくさんの風車。回っているのも回っていないのもあったけれど、実に壮観な眺めだ。枯れ草の色、風車の赤、建物の緑、青空。たくさんの色が水面に映り、キレイだった。

風車を見ながら、水辺を散歩。家々は水面ギリギリに建っていて、この土地が海抜の低い土地であることを思わせる。

春の陽気をたっぷり満喫したあとは、アムステルダムに戻り、明日のパリ行タリスのチケットを手配。アムステルダム=パリの運賃は、覚悟はしていたものの、12,000円程。貧乏旅行には辛い出費だ。バスを使えば5,000円程度で済むが8時間もかかる(タリスなら4時間)。友人は言っていた。

「ヨーロッパの長距離交通は、早くてものすごく高いか、安くてものすごく遅いかのどちらかだ。」

背に腹は代えられない。パリでの4時間を、7,000円で買ったと思うことにしよう。

昼下がりのアムステルダム「飾り窓」地区をドキドキしながら歩いてみる。この国で、お天道様のもと認められた売春街だ。ピンクの窓枠の中に、水着姿のお姉さま方が。これが飾り窓か。通りには合法ドラック喫茶などもあり、夜間の一人歩きは避けたほうが良い模様。

止むに止まれぬ事情で、この業で生計を立てている人がいるのだろうから無下にはできないが、じゃあ開き直ってOKにしましょうっていうのも、違和感がある気がする。

そこからアンネ・フランクの家へ。ナチス政権時代にアンネフランクが隠れ家としていた家がそのままの状態で残されており、見応え充分であった。ゆっくり見て回れた。

「言葉で世界を定めるのではなく、世界を描くために言葉を用いよ」




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