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欧州旅行記⑨:パリ

2005年に欧州4ヶ国を旅した時の記録です。目次はこちら
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ちゃっちゃか支度をしてルーブル美術館に向かう。ピラミッドは混むからメトロ直通の入場口をつかうとよろし、という「地球の歩き方」の教えにしたがい、それでも混雑している「パッサージュ・リシュリュー」から入場。

「パッサージュ・リシュリュー」はじめ、ルーブル美術館もといフランスには中二心をくすぐるかっこいい名前が多い。「リシュリュー翼」「ドゥノン翼」とかファイナルファンタジーのダンジョンのようじゃあないか。

ルーブル美術館は展示を一つ一つ見て回ると1週間はかかると言われているので、幾分端折り、目についたものをじっくり拝見することとした。芸術について語彙のあるぼくではないが、

「おお これが かの ゆうめいな せきぞうか」

と感心するものばかりであった。

一番印象に残っているのが「サモトラケのニケ」。威風堂々とした翼で前に向かう力強い意思。めちゃくちゃカッコイイ。そして「どんな表情をしていたのだろう」という想像をせずにいられない、顔のない状態で発見された奇跡。かっこよすぎる。

結局半日近くルーブルに居た。疲れたー。

美術館脇の売店でサンドイッチと水を仕入れ、公園で食す。チーズに癖があって食べにくかった。ともあれ、ひなたぼっこをしながら養分を補給し、一応体力は回復。

凱旋門にむかうべく、シャンゼリゼ通りをひた歩く。凱旋門はひたすら遠くて、旅のクライマックスの疲労困憊の足に大変なダメージだ。若干暑い陽気も体力を奪っていく。仕上げに凱旋門の展望台に登るための螺旋階段。

塔は高くて、晴天がいい

といったのは誰だったか。青空、パリの白い町を眼下に、吹き抜ける春の風が気持ちいい。しばらく、パリの街を眺めた。

スーパーで土産になりそうなものをあらかた購入し、程よい時間になったのでモンマルトルで夕食。最終日くらいはいいもの食べようと思い、手頃な値段のレストランに入った。ウェイターが朗らかで店の雰囲気も良い。

エスカルゴ、サーロインステーキ、チョコレートムースのセットをオーダー。エスカルゴは初めて食べたが、しっかりガーリックバター味で美味しかった。つぶ貝みたいなもんだろうか。ステーキはオニオンソースがけ、脂身が少なめで味はよかった。塩のついたサンダルのような合衆国のそれとはえらい違いだ。ごちそうさまでした。

ホステルに帰ると、同室のドイツ人グループが出かける支度をしていた。その中の女の子が

「いまから別のホステルに移る!お湯は出ないし部屋は汚いし、夜中はうるさいし、まったくもってstupid!」

と怒り心頭であった。うわさに聞くホステル難民。すでに時間は2300、難儀なことである。

この旅行も明日が最終日である。

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