見出し画像

エレキベースのヘッド落ち対策と仕組み

エレキギターやエレキベースも日進月歩。
スタンダードな形に見えても中身や重さが違ったりと様々です。

中でも、5弦ベースは比較的新しい部類の存在で、その分、スタンダードな形でも重量バランスが悪かったりします。

重量バランスが悪いと何が起こるのか。

それはヘッド落ち。NECK DIVE!

せっかくストラップも手に入れて、スタジオに行く前に家で立って練習を。でもヘッド落ち。これが嫌でエレキ楽器から離れてしまう例も少なくない!多分。

そんな、少年時代からすこしは知恵が付きましたので、ヘッド落ち対策と仕組みを考えました。Anti Neck-Dive Tipsや。


■古き良き時代の対策を振り返る

ギターヒーローにあこがれて手に入れたるはモッキンバード。
数あるギターの中でも最もヘッド落ちをすると言われる部類のものです。店員さんに相談するも、滑りにくいストラップでなんとかすると。
ずり上がる学生服。うむむ。

そんな中、GIGSに載っていたエンドピンの位置を調整するのだ!というのを見て早速実践。
実家にあるモッキンバードは穴ぼこになってしまい、それでもヘッド落ちは解決できず、いつしかギターを弾かなくなってしまったのである。


■エレキ楽器の重心はどこに

ストラップで下げた時の重心を考えます。
わかりやすく四角で考え始めます。

画像1

左の四角がブリッジ。右の四角がナット。
真ん中が12フレットで、さらに半分が24フレット。

画像2

ボディとヘッドを書きます。

画像3

通常のギターやベースはここにツノがついていて、その先端にストラップピンがあります。だいたい12フレットのあたり。
2つの黒丸がストラップピン。

画像4

ストラップで吊るすとこんな感じ。

画像5

一点鎖線の位置が楽器の重心に来ていれば、上図のとおり水平になりますが、ヘッド側が重いとヘッド落ちします。
NECK DIVE!

理想はこう。

画像6

先程より、一点鎖線の位置はブリッジ寄りになりました。さらにバランスが悪くなっている=ネックを人の手で支えなければいけない場合が多くなるということです。

ジャズベースのお尻の形はバランスが良くなるように、とても合理的な形でもあるわけですね。

そして、一点鎖線が右側へ行けば、ネック落ちのしにくい状態が作れます。

画像7

一番簡単な方法はストラップを短くすること。
こうなります。

画像8

一点鎖線が右側へ移動します。

ただし、ここまでのお話は木材の個体差や、同じ形でも微妙に異なる事は考慮に入れていません。

画像22


同じジャズベースでも(ジャグァー混ざってるけど気にしないでください)、年代やメーカーによってストラップピンの位置が数センチ異なってるのがわかります。さらに、木材は一つとして同じものがありません。

結局、個々の楽器ごとに状態を見て、適切な調整や対策が必要ということです。
4弦ジャズベースはヘッド落ちしない!って言われてもするものはします。

ジャズベースでヘッド落ちするのはおかしいんじゃない(笑)と煽ってくる輩がいますが、ちっともおかしくないのです。

では、さっそく対策を行いましょう。

■具体的な対策1/3

ヘッド側のストラップピンを延長します。
もっともお手軽。効果は2cm伸ばすとペグを180gくらい軽くした程度とのこと。ソースはツイッターで見た。

画像9

とりあえず、ストラップピンを5mmくらい緩めてみましょう。5mm延長した感じを体感できます。
この方法で10mmくらいまではお試しできます。

やると決まったら、ストラップピンを外して、適当なスペーサーを入れましょう。
スペーサーの分だけタッピングビスを延長するのも忘れずに。

画像10

伸ばしていくとバランスが改善されるものの見た目があれになる両刃の剣。ビスは強度を鑑みて、ステンレス製にした方が良いかもしれません。

スペーサーとワッシャーはこれを使っています。
ビスはM3なんでしょうが、見栄えを優先してひとまわり大きなスペーサーとワッシャーをチョイス。

これで解決したならば苦労はないということで、次の対策へ。

■具体的な対策2/3

次はエンド側のピンの位置を変えます。
加工も必要で、失敗すると大惨事ですが効果は大きい。そして、コストはほとんど掛からない。

画像11

エンドピンを右側へ移動することでも、一点鎖線の位置は右へ移動します。

早速、位置を探っていきます。
こちらの図の、赤線上で配置すれば、今までと操作感は変わらない状態でバランスを改善できます。

画像12

これは、楽器を吊るす支点を結ぶ軸線を変えないということです。
この軸線を変えた場合、極端に言うとこんなことが起こります。

画像13

吊るす視点が楽器の上側に来てしまうと、右図(楽器を横から見た図)のようにブラブラして演奏しにくいというわけです。

では、実際に試してみましょう。

ここから先は

1,351字 / 9画像

¥ 114

ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、試行錯誤を繰り返して、楽しかったり上手く行ったところを書いていたりします。 貴重なサポートを頂けますと、なおさら色んなことを試して書きます!