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超オススメ "不思議なオカルト漫画" 『ある設計士の忌録』鯛夢著

オカルトが好きだ。ひとことで言うと、現代の科学言語ではとらえられないモノにはロマンがあるからだ。これはオカルトに限った話ではないけどね。ぼくはオカルトを頭から馬鹿にする人間は大嫌いです。

ここ数年、youtubeで心霊話や都市伝説などの動画を数えきれないほど見てきた。話すと超長いが、いわゆる怪談というのはたくさん聞いていると類型化されてくる。

そのなかでぼくは「土地の神様」や呪い、また数多の怪異系話のなかでたまに出てくる"異常なレベルの能力者"などといった話が好きだ。この作品(シリーズ2作)はその意味でドンピシャだ。

「は~~?」と思う人も当然いるだろう。そういう方は閉じてください。ぼくは大っっ好きなのでオススメしちゃいたい。

本作は作者(漫画家)が知り合いの「不動産屋さん」から聞いた"実話"をベースとしている。この「不動産屋さん」を狂言まわしとして、一話完結で進むのだが、タイトルにもあるように、主人公的な人物は「不動産屋さん」の知り合いの「建築設計士」となっている。この設計士が"異常なレベルの能力者"で、ちょっとそこらの心霊体験なんかとはレベルの違う体験談が出てくるのが最大の特徴だ。話のスケールがデカすぎてリアリティがない、それゆえに「コレは本当のことなんじゃないか」と逆に思わされるんである。

この建築士の先生は初老の気難しい不愛想な男性、として描かれているのだが、「そういう土地」や物件の呪いを祓ったり、逆に土地に神を降ろしたりする力がある。この人物の独特な雰囲気が作品のいちばんの魅力かもしれない。その先生と同行する不動産屋さんも、"視える"ほうの人間だ。とにかくエピソードがいちいち凄い。ここまで読んで興味を持った方は是非とも購入してください。

2冊の各エピソードのうち、印象に残ったお話の超概要をちょっとずつ書く。宣伝文句的に。
*画像の引用元は下記リンクの書籍内からです

[1作目]

古い家屋の蔵の解体で出てきた、封印された謎の箱とは何だったのか!?
旅館の改築工事で三重に囲って作られた "絶対に人が見てはいけない開かずの間" に居たモノとは!?
新興宗教施設の建築時に法外な値段で降ろした神様の正体とは!?
工事を依頼された家がトンデモだった!建物、窓、トイレ、浴槽、木材の組み合わせ、何からか何まで全て三角形の住宅で病人続出!
昭和初期まで大蛇の神に妊婦を生贄にしていた神社の封印が解けてしまった!いかにして再封印するのか!?
元宗教施設の解体工事。しかしそこは地下8階の変態迷宮だった!そして新キャラ登場!先生の助手は大神社神官の家系で、とんでもない能力が!!

[2作目]

・ 解体業者の事故が続出し、依頼がきた。ヤクザが稼働させていた山中の工場。そこで起きていたコトとは?そして先生と助手のとんでもない能力とは!?
首吊り自殺が続出した中古戸建を浄化する方法とは!?
絶対にやってはいけない「一人かくれんぼ」。元カレからかけられた呪いは最後どこへ向かうのか!?
・ 山奥深くにいつもいて、何十年も変わらぬ姿で同じ場所で煙管を吸っている爺さん。しかし建築士の師匠との因縁があった!
・バカな若者が封印されていたご神体をふざけて破壊してしまった!それはかつて村を襲った恐ろしい疫病の神だった!シリーズ最大最悪の呪い。特殊能力を持つ先生ひとりでは解決できない、そこで同じ師匠から"技"を受け継いだ兄弟子たちが終結した!果たして再封印は可能なのか!?

煽りまくるようにして書いてしまいましたが、実際の漫画表現は、実に淡々としています。恐ろしさをバンバン煽るのでなく、淡々としすぎているから妙にリアルなんです。

作者さん曰く、まだまだ「不動産屋さんと設計士さん」のエピソードはあるとのこと。そして次回作!の発売も決まったようです。超楽しみ。

上でも書いたけど、土地や風習、神や呪いにまつわる怪異は大好きなので、「こんなのもあるよ!」というのがありましたら教えてくださいネ。

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