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売上を、減らそう。 #気ままに読書感想文

Twitterのタイムラインに流れてきたのを読み始めたのがきっかけだった。
それだけだったのに、すごくすごく私の心は揺さぶられた。

「はじめに」を読んでから約3週間。
ようやく読めた「売上を、減らそう。」を書いた。


はじめに

仕事は本来、人生を豊かにするためにあるもの。仕事だけが人生ではないはずです。

中村朱美さんの言葉はまっすぐと、「こういうものだから」と固まってしまっていた私たちの価値観に問いかける。

いつの間にか、私たちは生きるために働くのではなく、働くために生きている。


人生って、そんなに長い時間働かなきゃいけないものでしょうか。
ゆっくり朝ごはんを食べてから出勤して、しっかり働いて、暗くなる前には帰る。そして、好きなことをする。それって、本来はごく普通の、誰もがかなえられるべき暮らしだと思うのです。
できるだけ多くの人が「穏やかな成功」をつかめるように

「成功」という言葉に「穏やかな」という言葉をつけた人を初めてみた。
「大いなる成功」「圧倒的な成功」過剰な形容詞だけがすべてじゃないんだ。
「穏やか」「小さな」「少しだけの」それだけでも十分な「成功」なのだ。



第2章

つまり「早く帰れる」というのはお金と同じくらい魅力的なインセンティブ


「ロボットでもできる仕事を人間がするからこそ生まれる改善」
頭が空っぽになって、ほかのことを考えられる余裕が生まれます。そこが私たちの「狙い」なのです。
<中略>
毎日同じことを繰り返すからこそ、些細な変化や違和感に気づくことができます。その違和感から生まれるのは、お客様が「もっと過ごしやすくなる」、あるいは自分たちが「働きやすくなるため」の小さな、でも価値あるアイデアです。


自分に余裕がないときにほかのことは考えられない。
仕事が暇な時間に考えれば?というが、実際は「あー帰りたい」「いつ終わるんだろう?」だ。
それなら終わったら帰れる!でもここは気になる・・・という方がよほど良い。
人は余裕がないと生きていけない。いつの間にこんなにきちきちになってしまったんだろう


佰食屋では、従業員が「お客さんが来ないどうしよう」と不安になることはありませんし「メルマガで何かお得なお知らせを書かなきゃ」「映える写真をアップしなきゃ」と悩むこともありません。

インターネットが普及した時代に「いまここに」集中する
それが意外と本当の答えかもしれない。

第3章

「従業員全員が毎日全力で頑張らないと会社が回らない」という状態を放置しているからです。

働く人は人だ。
いつも同じように同じ速度で走れない。
体調がすぐれない時や、うまく仕事が回らない時、人間関係が悪いとき。さまざまな要因で変わる。
みんなわかっているはずなのに、それを「売上」「パフォーマンス」などの数字に落とした途端に、平均的にできて当たり前となってしまうのはどうしてなんだろう。


第4章

会社は明日の責任を。
みんなは今日の責任を。

「会社はこれからの集客や広報に責任を持ち、お客様にたくさん来ていただく努力をし、みんなを大切にします」
「みんなはお客様が限られた時間の中で最大限満足していただけるよう、接客・調理・おもてなしの努力をし、お客様を大切にします」

うまく言えないけれど、これに尽きる気がした。
今の企業で起こりがちなのが、「何を大事にするか」がわからなくなってしまうこと。
集客も大事、広報も大事、接客も大事、売り上げも大事・・・・私たちはそんなにたくさんのことを大事にすることはできない。
だからそれぞれ上手に分配する。
「あなたたちは何をすればいいか」「ここからは私たちがするから」そう言ってくれるだけで、心に余裕が生まれて見える世界をもっともっと大事にできるかもしれない。


「誰かいい人はいないのか?」の前に
「うちはいい会社なのか?」を考える

なんて耳の痛い言葉なんだろう。
でも「誰かいい人はいないのかな?」と考えている人事としての自分がいると思った。
「誰かいい人」と見えない人に期待するよりも、まずは自分たちを見つめ直さなきゃいけない。


普通の人なんていない、
そもそもみんなマイノリティ

「普通の人」って誰なんだろう?
なんとなく使ってしまう言葉だけど、そもそも誰の何をさして普通と言ってしまうんだろう。
もちろん統計学的にいうと・・・という話もある。でもその統計学の中にある数字はただの数字じゃくなくて「わたし」や「あなた」の一人一人だ。

「わたし」や「あなた」は統計学でくくられるべき、普通の人じゃない。
それぞれの個性や強さ・弱さを持ったいろんなマイノリティを持っている人なんだ。

大切なことは、彼女を「測りのH」と呼んだように、その人の個性や得意なことに名前をつけてあげること。

「得意なこと」っていつの間にか、日本一得意じゃないとダメ!誰もが驚くようなことじゃないとダメ!ってなってしまった気がする。
でも本当は、「◯◯が人よりちょっと得意」「XXっていうちょっとひねったことができる」そのくらいの小さな小さなことも人との違いで、その人の個性で。
そこをしっかり見えるようにしてあげるだけで、その人の個性や得意なことも一気に花開くんじゃないだろうか。


第5章

 わたしたちがやりたいのは、単にいち事業者として佰食屋1/2を成り立たせることではなく、全国各地に幸せな家族を増やしていくことと、幸せだと感じられる時間と心の余裕を持った人を増やしていくこと

「佰食屋1/2」のフランチャイズモデル
・10時〜16時の稼働時間
・ランチのみの営業
・夫婦で月額50万円の売り上げ

多くを望む幸せはもうない気がする。
いい車や、いい家、いつまでも高みを目指し続ける時代は終わって「いま生きるこの時間」を大切にしはじめている気がする。
そんなときに、こんな働き方がを提唱する方がいてくださるとこは大きな一方に感じた。


「穏やかな成功」ができればいいと思う人もいれば、「いやいや、もっとバリバリ稼ぎたい」という人もいる。それぞれの選択があります。
けれどもたしかに言えることが、1つあります。
どんな人生を望む人も、「持続可能」な働き方をした方がいい、ということ。

今の働き方改革や働き方をテーマにする話のすベてはここに行き着くのではないのだろうか?
働きたい人は働いていいし、自分の幸せを掲げている人はそれが叶うように働いていい。猛烈に働いて、1日から仕事の時間をひいて、残るのではなく、自分の時間に仕事を足して、1日に成る。

「24時間ー仕事=自分の時間」ではなく、「自分の時間+仕事=24時間」


その良し悪しは誰かが決めるものではなく、個人個人が決めていい。それが人生で一番大事なことなんじゃないだろうか。


おわりに

”おわりに”を読んで欲しい。

今まで本を読む人に寄り添っていた中村朱美さんの最後の言葉は意外な言葉だった。
でもだからこそ中村さんが伝えたいと思う考え方かもしれない。



中村朱美さんの本を読んで感じた総論は、
「こうしなきゃいけない」なんてない。

固定概念、自分が勝手に決めてしまったルール・・・・
もちろんそれを破る時に孤独だったり、うまくできない難しさを感じる事もあるだろうけれど、私はそれでも「こうしなきゃいけない」と向き合い続けたい。


 #ライツ社
#中村朱美さん
#売上を減らそう

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