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男おひとり様、ピューロランドの旅

私がピューロランドへ行きたい、と思い始めた大きなきっかけはコロナ禍だった。

世界中がパンデミックに陥り、人々の往来、あらゆるエンタメが規制された時代は、まだ記憶に新しい。

ご多分に漏れず、ピューロランドも休園に追い込まれていた中、「わたしたちにできること」として、サンリオは世界を元気づける為に、公式YouTubeサイトにて期間限定で、ピューロランドの代名詞とも言えるパレードである、「Miracle Gift Parade」を無観客の中で撮影、公開した。

コロナ禍で塞ぎ込みがちだった心にパレードの様子は物凄く響き、画面越しでも大きな衝撃と深い感動を与えた。
もともとサンリオのキャラクターやピューロランドに興味はありつつも、態々遠方であるピューロランドへ行こうとは考えになかった私であるが、この動画をきっかけに、いつかパレードをこの目で見る、と決意をしたのであった。

男おひとり様、ピューロランドへ

コロナ禍が明け、規制ムードも落ち着いた中、ずっと行くタイミングを伺っていたものの、周りに一緒に行こうと誘える友人も居らず、中々訪問できずにいた私。

ふとした休日に、「ピューロランドに行こう」と、あっさりと決意したのは11月1日、キティちゃんの誕生日だった。意図したものでは全くなく、思えば運命だったのかもしれない。

男ひとりでピューロランドに行く、というのはなかなかハードルが高そう、と思われるかもしれないが(かくいう私も行くまで割と緊張した)、結論からいえば全く問題なく楽しめた。

たしかにその日ピューロランドに男ひとりで来ていたのは、ざっと見たところ私1人であったが、嫌悪感を示すようなゲストは全くいなかったし、ピューロランドもそうしたゲストに寛容であるように思う。
サンリオを楽しもうとする心さえあれば、誰も拒まない。

いざ入園、圧倒的kawaiiワールド


ピューロランドを目の前に少し感動。

緊張と期待の入り混じる中、いざエントランスをくぐると、360度広がるKawaiiの世界。
ただひたすら圧倒される。なるほど、ここがピューロランドか。

屋内型ランド、細部までkawaii
シナモンくん可愛い


館内どこを見渡しても、キラキラでわくわくするような世界観。
キャストさんの制服も統一されているわけではなくそれぞれ個性があって楽しい。

男ひとりで楽しめるだろうか、白い目で見られないだろうか、という不安はどこへやら。
目いっぱい楽しむぞ、というマインドに一瞬で切り替わった。

バースデーガールに会いに行く

前述の通り、私が訪れたのは11/1、ハローキティさんとハローミミィさんの誕生日であった。
記念日にサンリオに来ることが出来たのだ、是非とも直接お会いしておめでとうと言いたい。
先ずキティさんとグリーティングができるアトラクション、「レディキティハウス」を訪れることにした。

流石誕生日、その日は恐らく全国から、キティさんの誕生日を祝おうと多数のファンが訪れていた。
待機列にはキティさんグッズを身に着けた方も多く並んでいる。
かたや普段通りの格好、男一人で長い列にぽつんと並んでいるのが、なんだか恥ずかしくなってくる。
サンリオの世界観にまだ慣れきっていないのもあり、また緊張と不安がじんわりと心に広がる。

孤独を感じながら待つこと一時間強(記憶が曖昧、もしかしたらもっと待ったかも)、ついにキティさんとご対面である。

私はその日から、キティさんが大好きになった。
ファンサがとにかく圧倒的。
私の発する一言一言に大きくリアクションを取って下さり(実際は緊張でしどろもどろ)、ツーショット写真を撮るときも私の腕を取ってリードしてくださり、その瞬間を最高の思い出にして下さった。

へっぴり腰の情けない私


正直、グリーティング舐めていた。
こんなに楽しくて、かわいくて、会えてよかった、と思うんだ。
あの短い時間でそう思わせてくれるキティさん、凄い。

キティさん、ありがとう。
キティさんに会えただけでピューロに来た価値があった、そう思えた時間だった。

「KAWAII KABUKI」の衝撃

さて、ピューロランドにある「メルヘンシアター」では、毎日数回、「KAWAII KABUKI~ハローキティ一座の桃太郎」というミュージカルショーが公演されている。
夜のパレードまで時間があったため、なんとなく観ることに。

詳しくは語らないが、これが良い意味で期待を裏切り、予想以上に素晴らしかった。
音楽や演出、ダンスパフォーマンスは言わずもがなハイクオリティ。
サンリオ×歌舞伎との融合も、一見ミスマッチが起こりそうな組み合わせだが双方の良さを引き出しあう圧巻の出来。
キャラクターの個性とサンリオの世界観を存分に生かしたショーの脚本が兎に角素晴らしかった。
サンリオに行ったらぜひ見てほしい。すごくよかった。

一番の見どころは、シナモンくんが短い手足をぶんぶん振りながら一生懸命踊っているところです。

メインイベント「Miracle Gift Parade」

Kawaii Kabuki の鑑賞後、園内をフラフラしたり食事をとったりしたのち、いよいよ今回の目的である、「Miracle Gift Parade」の鑑賞である。

私はこのパレードだけは絶対に近くで目に焼き付けたく、「パレードPUROPASS」という指定席を購入し、鑑賞した。
追加料金はかかるものの、最大限パレードを楽しむのであれば購入はお勧めである。


パレードが始まった。
ピューロランドのシンボル、知恵の木がライトによって煌びやかに彩られ、輝きを放つ。
サンリオのキャラクターがそれぞれ特別な衣装を身にまとい、楽しそうに手を取り合い歌って踊る。


パレードのテーマは「かわいい」「おもいやり」「なかよく」のスリーハーツ。
みんなが必ず持っている三つのハートを輝かせよう、というもの。
詳しく語らなかったが、これは前述の「Kawaii Kabuki」の内容にも反映されている、いわばサンリオの根幹的考え方である。

誰しもがこの三つのハートを持っている。
しかし、そのことに我々は気づかない。
スリーハーツが自分にあること、そして、相手にもあることに。
スリーハーツを信じ、輝かせることの大切さを、サンリオはこのパレードを通して伝えてくれる。

ありがとう、ピューロランド

私は、気が付けば涙を流していた。

その日私がピューロランドで過ごした時間は、とても暖かく、尊いものだった。
入園前の不安や緊張、孤独は消え去り、パレードが終わって帰路に着く瞬間は、なんだか切なく名残惜しいものだった。


また絶対に来る、そう決意した。

ありがとう、ピューロランド。
ピューロランドは私に、人生において何か大切なものをくれた、そんな気がする。

少しでも興味があるならぜひ、ピューロランドへ行け。

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