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はじめてのたいしょく⑯ 最後の日

ついに訪れたその日は
あっという間に過ぎるかと思いきや、

長い一日だった。

最後の日もルーティン業務はあったので、朝一からのシステムトラブルに閉口しつつも、粛々と仕事を進めていた。
しかし、最近システムトラブル頻発。
もう関わることはないけど、この先大丈夫かいな・・・。

退職が開示されてからすでに多くの人が声掛けに来てくれていたけど、最終日のその日は、今までの比ではなかった。

デスクで粛々と業務を進める私に、たくさんの人がひっきりなしに最後の挨拶に来てくれた。
以前一緒に仕事をしていたチームの人や、とりわけ、何人もの現場のアルバイトさん達が、送別の品まで持って。
なかには休みなのにわざわざ会社まで出てきてくれた人も。

現場では、私の退職の情報が社員さんまでで止まってるところもあるから、
「昨日知りました!本当ですか?!」と言って。
「別人かと思っていたけど、本人だった!」と言って。

一人一人と思い出があるから、それぞれそこそこ話し込む。
私のデスクの上が、送別の品で埋まっていく。

業務と、
思いでトークと、
部長への挨拶と、
人事部との最終面談と。
お昼休憩を取る間もなく、 18時の終礼の時間が迫る。

そして終礼がはじまった。

テレワーク組も多いのでリアル参加者は少ないと思っていたのだが、思いの外たくさんの人達がオフィスに居たようで、ぐるりと周りを囲むように注目が集まる。

超緊張・・・。でもなかった。

挨拶ネタを事前に用意していたのと、なにより、私の紹介をしてくれた上司や同僚が、場を温めてくれたから。

長くならないように、と考えた挨拶内容は、
19年を振り返って非常に心に残ったものをコンパクトにまとめた。はずだったが、話ながら自分で内容を追加していったので、やや長くなってしまった。
途中笑いがとれたので、よぅし!!と、腹でガッツポーズ。
なんなら、これが一番大事。

泣くかも・・・号泣したらどうしよう・・・。
と思っていたが、わりに冷静だった。

終わりに、お花とプレゼントとメッセージ集を手渡しで頂いた。開示から1週間しかなかったのに、準備担当してくれたメンバーがめっちゃ沢山の人達からメッセージを集めてくれていて、それが一番驚いた。
時間があれば集められるだろうけど、今回は厳しいだろうな。メッセージ集自体ないかも・・・それなら後から郵送してほしいな・・・と思っていたので。

拍手で締めて頂き、その後オフィスから会社の玄関口に移動して記念写真。大きな会社のシンボルマークの下で、長い間一緒に仕事をした人達と最後の一枚を。

あー。最後のセレモニーが完了したなー。

業務がまだ少し残ってるから、このあと片付けないと。
個別に会社アドレスにメールくれている人達への返信も、ぜんぜん済んでいない。
オフィスの備品も返却しないと。
あれ、今日、何時に上がれるんだろう??

オフィス最終退社とか、それは悲しいから、嫌だ・・・。
(ちょくちょくやってた)

もう少しつづく。

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