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まだ間に合うぞ! 秋の新作アニメ

2021年秋の新作アニメは大豊作。今回はそのなかでも『見える子ちゃん』、『異世界食堂2』という間違いなしな作品を紹介します。どっちも超現実世界で楽しいぞ!

ホラーとコメディと女子高生の意外な組み合わせ⁉「見える子ちゃん」

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女子高生の四谷みこちゃんは、いわゆる幽霊などが「見える」人。
だが、幽霊が見えた瞬間、幽霊に恐怖していることを悟られたくないために、みこちゃんは、徹底して幽霊をスルーすることにしている。
この、「見えている」のに「見えてない」ふりをしなくちゃいけない設定を活用して上質なコメディに仕上げているのが本作です。
飽きないんです。あの手この手で見える子ちゃんは、見えないふりを続けるのです。そこが面白いし、工夫があるので見どころです。
ホラーとコメディは意外な結末が訪れるという点で構造的にもおなじで、両立は難しいジャンル同士ですが、この作品は幽霊をちゃんと怖い造形で描いていて、しっかり怖い。それでいてちゃんと面白いので、奇跡的といっていいバランスで両立できている稀有な作品ですね。

異世界と現実世界を繋ぐ扉は、素敵な料理屋だった。「異世界食堂2」

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アレッタとクロというかわいい女の子ふたりが働いている洋食屋「洋食のねこや」。この洋食屋は、普段は日常世界の洋食屋なのですが、一週間に一度、土曜日だけ、扉が異なる世界と繋がるために、異世界の住人たちがふと訪れる洋食屋となる。
物語は、この異世界食堂を訪れるお客さんたちのドラマを軸に、毎週短いお話を2本放送しています。どの話数から入っても大丈夫なのでいつでも見始めてください。
ここで出される料理の美味しそうなことといったら! グルメアニメならば詳細な作り方とか、食材の調達などから追うところだが、この作品は訪問客のドラマが軸なので、料理は人生に彩りを添える一品として描かれるのがポイント。

現実の延長戦上にありそうで、でも体験できない!

この二つの作品は、それぞれ「幽霊の見える人がいる世界」と、扉を開けたら到着する「異世界」を扱っています。無関係なようでいて、「もしかしたら現実の延長戦上にある世界なのに、普通の人には見えない世界の話」と共通点に気付く人もいるかもしれませんね。

 そうなのです。異世界食堂への扉はそう簡単には見つかりません。そしてそう簡単に幽霊の姿をはっきり見ることはできません(いずれも実在するかどうかはまた別の話です)。

 だから、このアニメを見るときは「別世界」の話として楽しんでください。現実世界に引き戻されるより、自分に関係ない世界の話のほうが気が楽だという人も多いはず。ひたすら楽しんで、現実世界を生き抜く活力にしていただきたい!そんな効力がこの二作にはあります。

Text/サンキュータツオ

「見える子ちゃん」はこちら▼

「異世界食堂2」はこちら▼

サンキュータツオ プロフィール

1976年東京生まれ。漫才コンビ「米粒写経」として都内の寄席などで活動。
早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文化専攻博士後期課程修了。
アニメ、マンガなどを愛好しており、二次元愛好ポッドキャスト「熱量と文字数」を毎週水曜日配信。「このBLがやばい!」選者、広辞苑第七版サブカルチャー項目執筆担当者。一橋大学などで非常勤講師も務め、留学生に日本語や日本文化も教えている。Twitter:@39tatsuo

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