見出し画像

100円ショップの老眼鏡で間に合わせていませんか?

近くが見えにくくなってきた。そんな老眼を感じたあなたは100円ショップの老眼鏡で間に合わせていませんか?

100円ショップで売っている老眼鏡でも何種類か度数のバリエーションがありますので、とりあえずはある程度合った度数の老眼鏡をかければ見えるでしょう。

でも眼科医として、これをメインの老眼鏡として使うことは3つの理由からおススメしません。

ひとつ目は、そもそも左右の目の度数は違う人が多いからです。既製品の老眼鏡では左右同じ度数なのでどちらかの目の眼鏡はあまり合っていないですし、乱視は入っていないので乱視がある人は両方の目ともあまり合っていないことになります。
この状態で5分、10分とスマホや本を見ていると目が疲れやすくなります。目の毛様体筋が頑張って近くにピントを合わせようとするためです。そして目が頑張り過ぎるて疲れがひどくなると、近くだけでなく遠くまでピントが合いにくくなり、見えにくくなります。

二つ目は眼鏡の度数だけでなく、レンズの質もあまり良くないからです。部屋の照明が変に反射したり、レンズの質が良くないことで少し歪んで見えたりすることも、目の疲れやすさの原因になります。

三つ目はメガネのかけ心地もちゃんとはフィットしません。下を向いて作業しているとだんだん老眼鏡が下にずれてくることがあります。

これらの理由でちゃんと検査して作った老眼鏡と比べると、長い時間使った時の目の疲れ具合、脳の疲労具合には大きな差が出ます。

読書する、スマホを長くみる、手元の細かい作業をする。そんな時には自分の目にきちんと目に合った度数の老眼鏡があるといいでしょう。

老眼になって調節力の落ちた目には、ちゃんと目に合った度数の老眼鏡をかけることで、落ちてきた目の調節力を補い、なるべく疲れさせないのが大切なのです。

ただ100円ショップなどの既製品の老眼鏡を忘れた時用のストック用として持っておくのは有効だと思います。老眼鏡をかけないで、頑張って見るよりは、100円の老眼鏡であっても近くをみる調整力を補ってはくれますので。
ちゃんと見える老眼鏡を忘れた時のために、いつものバックの中に入れて置くとか、家や職場に置いて置くといいのかと思います。どの度数の老眼鏡を買うといいのかは老眼鏡を作るために検査した時に相談されるといいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?