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批判を集める松川るい参議院議員。一方でその実績は政界指折り!

フランスへの視察で批判を集めた自民党の松川るい参議院議員が自民党の女性局長を辞任しました。

視察中に撮影した写真によって大きな代償を払うことになった松川参議院議員ですが、視察ばかりが注目を集め、その経歴や実績については目が向けられていません。

松川参議院議員は外交官出身ですが、その外交官時代に担当をした仕事をみると交渉人としての腕は一流といっても過言ではありません。また政治家としての実績も目を見張るものがあります。

反省すべきは反省し、今までの経験を日本の将来のために生かしてもらいたいと思います。


松川参議院議員の外交官時代の凄い実績

松川参議院議員は大学卒業後に外務省に入省し、政界に進出するまで外交の舞台で活躍していました。

外務省で条約局、アジア大洋州局を渡り歩き、女性参画推進室長(初代)を務めていました。その外交官としての経歴からは優れた交渉人であったことが窺い知れます。いくつか事案を紹介したいと思います。

外交官時代 ①ミナミマグロ事件

外交官時代に関わった事案の1つがみなみまぐろ事件です。この事件は、日本のミナミマグロの調査漁獲に対して、オーストラリアとニュージーランドが国連海洋法条約に違反するとして国際海洋法裁判所に提訴した事件です。


ドイツ・ハンブルグの国際海洋法裁判所  出典 在ハンブルグ日本国総領事館

国際海洋法裁判所では、合意または国別割り当て量の範囲内でない限り、調査漁獲を慎むべき等の暫定措置命令が下されました。

一旦は暫定措置命令が下された事件ですが、国連海洋法条約に基づいて初めて開かれた仲裁裁判所では、日本の主張が受け入れられ、暫定措置命令を無効とする判断が下されました。(ミナミマグロ事件仲裁裁判の結果について

外交官時代 ②EPA交渉

外交において重要な交渉にも松川参議院議員は携わっていました。その重要な交渉とはEPAです。

EPA:貿易の自由化に加え、投資、人の移動、知的財産の保護や競争政策におけるルール作り、様々な分野での協力の要素等を含む、幅広い経済関係の強化を目的とする協定

我が国の経済連携協定(EPA/FTA)等の取組

幅広い経済関係の強化を目的とする協定であることから、難交渉が予想されますが、松川参議院議員は、日本とタイのEPA、日本・フィリピンのEPA、そしてASEAN諸国とのEPA交渉に携わっています。

日本とタイのEPA交渉の背景には日本の産業界からの強い要望があったとされています。(日タイ経済連携協定タスクフォースの報告について

ミナミマグロ事件では日本の主張を通し、そして難交渉のEPAに携わった松川参議院議員の実績は、ロシアのウクライナ侵攻や覇権主義的な動きを強める中国等、混迷を深める国際社会を鑑みれば、今後生かせるのではないでしょうか。

政治家になり、力を入れている子育て支援と女性活躍

松川参議院議員が外交官から政治家に転身したのは2016年7月です。参議院選挙大阪選挙区から当選を果たし、政治家になりました。

政治家に転身したことによって、活動の幅も広がり、外交官時代の外交安全保障、女性活躍に加え、子育て支援にも力を入れています。

男性の育休をめぐり議連を創設し、当時の安倍総理に提言提出&法改正!

政治家に転身した松川参議院議員が力を入れていることの1つが子育て支援です。男性の育休取得率の低さを改善しようと「男性育休義務化議連」を立ち上げたのです。

この「男性育休の義務化」については松川参議院議員個人が子育て中の経験が生きているようです。2019年、ネットメディアのインタビューに次のように語っています。

そこには、二児の母である松川議員自身の経験から、「家事育児をしなかった」夫への不満が爆発した経験も大いに影響しているのだという。
中略
「夫はかつて、家事と育児を全くしない人でした。同じような職場に務めて同じ額の給料をもらっている夫婦なのに、全部私が負担していました。『お皿ぐらい洗ってよ』と言ったら、本当にお皿だけ洗ったんですよ、お茶碗は残して…。怒り心頭です。なんで私ばっかりって。アンフェアだと思いました」
「『ママだから子どもを見るのは当たり前』とか、『女性と男性は違うんだ』とか。諸外国では外交の現場で活躍する女性たちもたくさんいるのを目の当たりにしていましたから、『育児家事をやらない男性が多いから、これじゃ日本の女性は輝けないんだ』と確信しましたね」

「これじゃ日本の女性は輝けない」 男性育休”義務化”に自民・松川るい氏が込めた思い


松川参議院議員が育児をしているときに感じたことに共感を覚える人も多いのではないでしょうか。

そして松川参議院議員が立ち上げた「男性育休義務化議連」は、大きな成果を残すことになります。当時の安倍総理に男性育休義務化に向けた法整備を提言したのです(参考)。


松川参議院議員の活動の結果、2021年6月には男性の育休のための育休法改正が行われました。

自身の経験から議連の創設、そして法改正にまで持っていく。このような実力を持った国会議員は少ないのではないでしょうか。

外交官時代から引き続き取り組む女性活躍

松川参議院議員の外交官時代に一際目立つ役職に就いていました。それが2014年に外務省に新設された女性参画推進室の初代室長です。

外交官時代から取り組んでいた女性活躍ですが、舞台を政界に移してからも女性活躍に力を入れています。

自民党の大阪府連に女性活躍に特化した「watashiba」という新組織を設置し、松川参議院議員自ら本部長に就任しました。この「watashiba」では、女性の政治参加を推進するために、政治塾も開講しています。

女性が政治に関わることについて、松川参議院議員自らが「watashiba」の動画で次のように語っています。

自らの経験を活かし、さらに外交官時代から引き続き、女性活躍に力を入れている松川参議院議員。外交官時代の実績と政治家になってからの実績の一部を見てみましたが、今後も政治家として活躍を期待できる人材なのではないでしょうか。

フランス視察での行動は褒められたものではありませんが、失敗を今後に生かすことはできる人物だと思います。

一度の失敗で、今までに実績が評価されないようなことになるのは、日本社会としても不健全だと思います。

松川参議院議員には今回の失敗で反省すべきとこは反省し、今後の政治家活動に生かしていってもらいたいと思います。



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