正義の人
世の中は一定数「正義の人」がいると思う。
正義の人って何かというと
「正論を唱えれば、すべてがうまくいく」
「正しいことは、すべてにおいて優先される」
「正しい意見は、間違った意見よりもみんなに支持されるし、支持しない人は悪だ」
「自分が正しいと思うこと以外に、正しいことがあることは許されない」
などなどを信仰してる人だ。
正義の人は大体「いい人」である。
大体において、いい人である正義の人だが、人から敬遠されることが多い。
なぜなら正義の人は「めんどくさい」からである。
正義の人には、妥協は存在しない。
妥協しないから、いつまでも正しくなるための議論を続けてしまう。
たった1人の1時間の遅延の報告に、20人いる会議で2時間かけて「なぜ遅れた?」「なぜ遅れを事前に察知できなかったのか?」「この遅れの再発を防止するためにはどうしたらいいか?」と原因を追究しまくり、結果として20人×2時間=40時間の無駄を生むことを「当然」と思っている。
なぜなら正しいことをしているから。
正義の人は、状況は関係ない。
今こういう状況だからこういう落としどころで納得しようという話は、正義の人は面白くない。
正しくないのだから是正する必要がある。
都度都度、折につけ、あれは間違っている、こうするべきだった、ああいう判断をしたらこうなったといい始める。
終わった話でしょ?ということは彼らには通用しない。なぜなら正しいことをしていないから。
正義の人は面倒である。
でも世の中にはなぜか正義の人が増えているように思える。
教育なのか?世の中なのか?
すべてとは言えないが報道が一因なのではないかと思う。
今の報道は物事の1面しか伝えない。
「マスクが2枚しか配布されない」
という報道を聞いたら「正義の人」は、なぜ2枚なのだ?2枚しかなかった意味がない、うちは5人家族だから5枚は最低限必要なはずだ!そんな政権はクズだ、こんなやつらに国を任せる意味が分からない。
そんな話をするだろう。
でも、違う側面もある
・月7億枚の供給を確保した
・医療機関には来週1500万枚配布する
・高齢者施設、障害者施設、小中学校にも順次支給する予定がたった
・郵政の配布システムを使い、再利用可能な布マスクを各家庭に2枚ずつ配布する(とりあえず外出しなければならない親2人分を最優先)
そうきいたらどうだろうか?
正義の人は、1をきいて1から判断する。
でも世界は1の情報の裏に、100も1000も情報がある。
世界は狭くない。
正義は1億人いたら1億通りはあるのだ。
まず人の話を聞こう、そして自分の正義と他人の正義の折り合いをつけよう。
それが大人ってもの。
そう思う時がよくある。
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