見出し画像

子育てしやすい街、八王子?「八王子版ネウボラ」とは

「八王子版ネウボラ」とはいったい何なのでしょうか?
その存在を知らない人って、ひょっとしたら結構いるのでは?
八王子市で出産・子育てをしている我が家でも、お恥ずかしい話し最近まで知りませんでした。
妻に聞いても知らないとの回答・・・

一方で、八王子市のホームページを見てみると、「都内初「日本子育て支援大賞2022」を受賞(令和4年7月21日)」などと取り上げており、八王子市をあげて子育てしやすい街としてのイメージ作りをして来たことが伺えます。

ん〜このギャップはいったい?
そこで「八王子版ネウボラ」のことを調べてみることにしました。
そして分かったことを解説していきたいと思います。



八王子版ネウボラとは?

まずは「八王子版ネウボラ」とは何かと言いますと、もともとはフィンランド発祥の子育て支援「ネウボラ」を真似て作った八王子版の子育て支援のことを指します。
ネウボラは八王子市に限らず、他の各自治体でも実施していて、それぞれの地域で子育て世帯のサポートをしています。

ネウボラ(neuvola)はアドバイス(neuvo)の場という意味で、妊娠期から就学前までの子どもの健やかな成長・発達の支援はもちろん、母親、父親、きょうだい、家族全体の心身の健康サポートも目的としています。フィンランドでは妊娠の予兆がある時点でまずネウボラへ健診に行きます。ネウボラはどの自治体にもあり、健診は無料で利用率はほぼ100%。全国のネウボラの数は約850です。妊娠期間中は少なくとも8-9回、出産後は15回ほど子どもが小学校に入学するまで定期的に通い、保健師や助産師を中心に専門家からアドバイスをもらいます。

フィンランド大使館


八王子版ネウボラの全体像

八王子市では妊娠期〜18歳までを一貫してサポートします。
特に、妊娠期〜小学校に上がるまでの間は、八王子市内にある3つの保健福祉センターの保健師さんを中心に、栄養士さん、歯科衛生士さん、などの専門職員の方々が随時相談やサポートをしてくれる体制が整っています。

「子育て家庭」「保健福祉センター」は、いつでも相談と助言ができるように「子育てホットライン」で繋がっています。
「保健福祉センター」と「子ども家庭支援センター」は「子育て世代包括支援センター」として連携。

また「子育て世代包括支援センター」「保健所(健康医療部)」「関係機関(医療機関・療育期間・保育園・幼稚園・児童館・学童保育所・小中学校・児童相談所等)」と連携。

また八王子市の保健福祉センターの赤ちゃん訪問を通じて配布されるはちおうじっ子マイファイルは、「乳幼児手帳」と合わせて、子どもの成長の記録や発達に関わる資料を一つにまとめられるようになっています。
この「はちおうじっ子マイファイル」は18歳まで成長の記録として、親御さんが保持し必要な場面で活用できるようにします。


八王子版ネウボラのサポートをピックアップ

八王子版ネウボラのサポートが、どこまでの範囲を指すのか、定義が少し不明な部分もありますが、HUuでは八王子市が発行している「子育てガイドブック」「八王子のホームページ」「八王子市子育て応援サイト」に掲載されているもので、これは役立つサポートだと思うものを、ピックアップしてご紹介したいと思います。


産前・産後ケアの充実

●妊婦面談
全ての妊婦さんを対象に、各保健福祉センターで 保健師さんが面談を行なっています。身体のことや今後の育児のことなど、相談ができます(予約制 )。面談を受けた妊婦さんは、育児パッケージ (はち★ベビギフト)がもらえます。

●子育てホットライン
妊娠、出産、育児に関することで、どこに相談したらよいか分からない時は、お電話ください。
保健師さんや助産師さんが、相談内容を受けてくれ安心して子育てが出来るよう相談に応じてくれます。
開設時間 :8:30~17:00 通年(年末年始・第1日曜日を除く)
電話:042-686-2115(ハローニッコリイイコ)
メールフォームはこちら>

●ハローベビーサポート(産前・産後サポート)
日中、支援者がいないなど、支援が必要なご家庭にヘルパーが訪問し、家事・育児のお手伝いをするサービスです。
利用するには登録が必要です。

・サポート内容
1、簡単な食事の支度・下準備
2、衣類の洗濯
3、居室の掃除、整理整頓
4、食材や生活必需品の買い物 (自宅から1km 範囲内)
5、沐浴、入浴の準備・片付け
6、授乳の準備・片付け
7、おむつ交換の準備・片付け
8、健診等の付き添い
9、兄姉の送迎(自宅から1km 範囲内)
・利用料
2時間1,000円、3時間1,500円 (1日1回2時間又は3時間)
・利用時間
月~土曜日(日・祝、年末年始を除く) 8:00から18:00まで

詳しくはこちら>

●産後ケア(宿泊型・通所型・訪問型)
出産後のサポートが必要なママが赤ちゃんと一緒に授乳・沐浴の相談や指導・育児相談等の助産師ケアを受けられます。希望により、宿泊型・通所型・訪問型を選択できます。
詳しくはこちら>

●パパ・ママクラス
離乳食のことや赤ちゃんのお風呂など、妊娠中から疑問はいっぱいだと思います。 そんなプレママ・プレパパのために、各保健福祉センターで、妊婦さんやそのご家族が安心して出産・育児にのぞめるように、妊娠中の生活や出産についての教室を開催しています。
詳しくはこちら>


育児休業と職場復帰

●育児休業(育児・介護休業法)
1歳に満たない子どもを育てる父母は、育児のために2回まで分割して休業できます。また、1歳を超えても保育所に入所できないなど休業が必要と認められる場合は、1歳6か月まで延長できます。
※1歳6か月まで延長しても保育園に入れない場合などには、2歳までの再延長も可。

・育児休業を取ることができる人
正社員だけでなくパートタイム労働者も、一定の要件を満たしていれば取得できます。
・育児休業を取るための手続き
育児休業を取得する日の1か月前までには、「育児休業申出書」を人事担当に提出しましょう。

●産後パパ育休(出生時育児休業)
父親は、育児休業とは別に、出生後8週間以内に4週間、2回まで分割して出生児育児休業が取得できます。(育児休業と合わせて4回休業できます)
休業を取得する2週間前までに、事業主に申し出ましょう。
労使協定で定めがある場合、一定の範囲で休業中に就労することも可能です。就労を希望する場合は、事業主へ確認してみましょう。


出産・子育て応援交付金事業

出産・子育て応援交付金事業の一環として「経済的支援」があるのが嬉しいですね。「出産応援ギフト 5万円相当」と「子育て応援ギフト 5万円相当」合計で10万円相当です!
育児用品、子育て支援サービスまたは生活支援用品(家電製品ほか)等の提供を受けられるギフトカードなので是非受け取って下さい。

  • 【出産応援ギフト(オレンジ色)】
    妊娠1回に対して5万円相当のギフトカード
    妊娠届を出し、妊婦面談の際に手渡しされます。

  • 【子育て応援ギフト(グリーン色)】
    出生したお子さん1人に対して5万円相当のギフトカード
    出生届を出し、赤ちゃん訪問の際に申請書を渡されますので別途申請すると受け取れます。


夜間・休日の救急相談

●夜間の救急診療
夜間に急に具合が悪くなり、応急的な診療が必要な場合に対応してくれます。 来所する前には電話をして保険証を必ずお持ちください。

・夜間救急診療室
住所:八王子市散田町3-10-1 南多摩病院1階
診療時間:20:00~23:00
TEL:042-663-9911

・東海大学医学部付属八王子病院(奇数日)
住所:八王子市石川町183
診療時間:3:00~翌日の朝
TEL:042-639-1111

・東京医科大学八王子医療センター(偶数日)
住所:八王子市館町1163
診療時間:23:00~翌日の朝
TEL:042-665-5611

・南多摩病院
住所:八王子市散田町3-10-1
診療時間:毎日(24時間)
TEL:042-663-0111

・救急車を呼ぶべきか迷ったら
消防庁救急相談センター(24時間)
#7119 または  TEL:042-521-2323】

●休日の救急診療
八王子市内の医療機関が当番制で休日診療を行っています。
詳しくはこちら>


ひとり親家庭のサポート

●養育費確保支援事業
養育費取り決めの対象となる20歳未満のお子さんを扶養している保護者の方に、養育費の取り決めに際し、公正証書の作成手数料や養育費保証契約に係る経費、認知調停に係る経費の一部を助成しています。(養育費は子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用で、衣食住に必要な経費、教育費にあたり、子どもの心と未来を支えるものです)
※対象は20歳未満のお子さんを扶養している、ひとり親家庭の親。

お問い合わせ:子育て支援課 ひとり親支援担当
TEL:042-620-7300

●ひとり親家庭の生活支援
<ひとり親家庭ホームヘルプサービス>
就労等のため家事・育児にお困りのひとり親家庭にホームヘルパーを派遣します。 ひとり親になって2年以内で中学生以下のお子さんがいるご家庭、2年を経過した場合は小学校以下のお子さんがいるご家庭が対象です。

・派遣回数
月最大12回まで(技能習得通学の場合は月24回まで)
・派遣時間
7:00から22:00までの間で、1日2時間以上8時間まで。
・サービスの内容
お子さんの見守り、掃除、食事のお世話、後片付け、洗濯、 調理。外出は一切できません。
・費用負担
一定所得以下の方は、費用負担がありません。

お問い合わせ:子育て支援課
TEL:042-620-7300 


はちおうじっ子マイファイル

特別な支援を必要とする子供への就学前から学齢期、社会参加までの切れ目ない支援体制として、子どもの成長発達の記録を保存しておくファイルが「はちおうじっ子マイファイル」です。
関係機関である医療機関・療育期間・保育園・幼稚園・児童館・学童保育所・小中学校・児童相談所等が情報を共有し、切れ目なく伝わることでより良い支援に繋げます。

特別な支援を必要とするお子さんであれば、こうしたファイルは、保育園や幼稚園に入るとき、小学校に入学するとき、学年が上がる~中学校に行く、高校に行くなどのタイミングで学校同士や学校と保護者の間で、子どもの様子を共有することで、引継ぎや相談を切れ目なく継続的に行っていくためにとても役に立ちます。

だた「はちおうじっ子マイファイル」は、自動的に関係機関へ連携さるのでなく、あくまで親御さんがこのファイルを保持し、相談が必要になったタイミングで、参考資料として関係機関へ親御さんから共有して頂くものになります。

はちおうじっ子マイファイルは、各保険福祉センターが実施する「赤ちゃん訪問」の時に、成長記録や相談情報の第一歩となる「乳幼児手帳」と一緒に手渡されます。


他にも充実したサービスやサポートがありますので「八王子市子育てガイドブック」を是非、チェックして下さい。


まとめ

我が家を改めて振り返ってみると、出産時からの様々な手続きをする中で、結果的に「八王子版ネウボラ」のサービスやサポートを知らないうちに利用していることが分かりました(汗)
ただ「ネウボラ」という名称を知らなかっただけとの結論に至りました。
ネーミングが浸透していない事に特に問題は感じませんが「切れ目のない子育て支援」を八王子市はしていますよ。
それは「八王子版ネウボラ」ですよ。
と言うのであれば、もう少しアピールして認知度が上がると、八王子市は子育てしやすい街との認知も高まるのではないでしょうか?

総評して「八王子版ネウボラ」は素晴らしいサービスやサポートをたくさんしてくれています。
欲を言えば18歳まで支援すると言ってるので、小学校〜高校生の間も、もう少し手厚くして頂けると嬉しいです。職員不足の問題もあるそうなので、この部分は今後の動向を見守りたいと思います。
しかし現状でも、年を追うごとに充実度が増しているとの声も聞かれるので「八王子版ネウボラ」を活用しながら子育てをして頂ければと思います。

そして八王子市への移住を考えている方は、子育てがしやす街として、是非八王子市をご検討頂ければと思います。


WRITER / 投稿者
「ガク」
2児の父。子育て当事者として
八王子市の子育て支援の現状に迫る(笑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?