統合失調症という病について

自分には統合失調症の診断がくだっています。
主な理由は幻聴、幻覚の類とそれを理由にした奇異行動があったからなのですが、服薬などの制限はあれど退院後はまぁ普通に暮らしております。

統合失調症。「げっ」と思う方もいるでしょう。実際、うちの母は病前、抑うつ状態にあった私に「統合失調症になる前になんとかしなさい」などの言葉を投げつけております。病相全然違うんですけど。
つまるところ精神の限界を超えて行きつく果てが統合失調症。そういうイメージをお持ちの方も少なくないと思います。

発症者数は100人に一人と言われてるそうです。結構な割合ですね。駅とかで奇異な行動を取っている方は統合失調症の方が多いのかもしれません。
だから何。という感じでもありますがあれも病気なんですよね。

統合失調症で救急搬送される前の自分は
・日付、時間の感覚を失う
・疲労感、空腹感などを失う。何かの作業に没頭する(わたしの場合はカウンセラーとの面談が迫っていたのでこのメンタルを何とか伝えねばと思い手紙を書きつけていました。あと延々ウィキペディア見てた)
・ネットとリアルの区別がつかなくなる。なかったことがあったかのように知覚される。記憶が造り上げられていくような感覚。
などの症状が出ていました。一人、部屋の中、静かに狂っておりました。
この後家族におかしなメールや電話をかけて、あまりの錯乱っぷりに緊急搬送となりました。その後の記憶はありません。警察が来なかった事が救いです。

その後は思考の暴走に苦しめられ、「誰かが私を陥れようとしている(だからこのような場所にいるのだ、という理屈付け)」「こういう方法で陥れられそうになっている(荒唐無稽な陰謀に巻き込まれているという感覚)」。幻覚が現実と区別がつかない上、「隔離病室にいる」という一点に納得できないため、脳内で現実を捻じ曲げて理論的に説明を試みたり……が延々二週間ほど続きました。興奮したりもあったんじゃないでしょうか。他人事なのはこう書いてても本当に他人事だったような気がしてくるからです……。思い出そうとすると実際めっちゃしんどいし……。

ただ、統合失調症の場合、錯乱などの急性症状の後「陰性症状」という自閉的・感情の鈍麻・無反応といった症状に突入することが多いそうです。自分にはそれがなかったので、正確に統合失調症といえるかは微妙な所ではあるのですが、一応それを見越して治療を受けています。
医師に、「治らないものなのか、一生ものなのか」と訊いたら遠まわしに「はい」と言われました。ただ、薬の力だとは思いますが、今の所は好調です。
(幻聴や突発的な不安感はたまにあります。幻聴というよりも頭の中で声がする感じです。こないだは寝る直前になってローマ法王の悪口がめちゃくちゃ聞こえてきて「本人に言えや!!!!」という気持ちになりました)

「頭の中で声がする」は物心ついた頃からずーっとあった現象で、当たり前の事でしたが、ストレスがかかると自分を攻撃する内容になるので、もしかしたらその頃から予兆はあったのかもしれません。
でもオタクならみんなあるよね?ない?

入院→退院に至るまでは、とにかく家族の合意がないと何もできない。病院にもよるかもですが、本人の意志よりもまず家族の合意待ち。隔離解除直後は散髪するのにも看護師さんが家族に連絡を入れていました。
外泊、外出もまず家族のサポートがないと無理。仕事を何度も休んでもらっていたと理解したのは随分後のことでした。
病院には「家族の側が受け入れる準備ができていない」という理由で何年も入院している方がいましたし、そういう方たちは本当に年単位で、廊下を端から端まで歩いても1~2分という狭い病棟から、一歩も出られていない状態のようでした。

隔離されていた時は「あれ?これ詰んだってやつ?」と思ったのですが、家族のおかげでなんとか出られた感あるので、思う所もゼロではないですが保険だと思って家族とはやっていくつもりです。

100人に一人。多いか少ないか分からない数字ですが、「結構多い」方だと思うので、独りで話している人がいても、「不気味」ではなく一応理由があるんだと思ってもらえたら、一患者として幸いです。

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