一冊の本に必要な参考文献

一冊の本を書くのに参考文献は何冊ぐらい必要だろうか。もちろん書かれる本と書く人によって様々で、特に裏付けの必要のない創作ならゼロでもいいし、たくさんの本を参照していても参考文献に上げるのはその中でも一部だけという人もいるだろうし、本の裏をみてもわからないことも多い。

自分の例でいうと『SF超入門』では具体的に参考文献として上げた(引用したりかなり参照したもの)だけでたぶん100冊ぐらいでそれ以外に参照したり参考にしたものを合わせると150〜250冊の間ぐらいだろうか。そもそも『SF超入門』は本についての本だから対象となる本の時点で(20冊近いシリーズものとかもあるせいで)70超えてるから少し多めかもしれないけれど。

で、今書いている読書についての本もやはり本についての本という意味では変わらないので参考文献は多くなりそうだなあ……と思っている。今最初の方の章を書いているが、この章だけで参照した本は20冊を超えているから、最終的にはやはり200は超えてきそうだ。でも実際にはこれも参考文献というかあくまでも「参照した本」というだけであって、「これ参考になりそうだな」と思って買ってさっと目を通しても「期待とちがってぜんぜんつかえね〜」という本も多いし、そういうもんだろう。

参考文献は単純に数が多いと「すげ〜」と単純に思うものだけど、書いている側からすると参考文献の多さは不安の現れでもあり、同時に精神安定剤でもある。書いている最中、この章って最終的に書けるのかな、まとまるのかな、という不安が常にあるが、一冊、また一冊と参考文献になりそうなものが積みあがっていくと、「こんなにたくさん参考にするものがあるんだからきっと書けるはず」とだんだん自信に転換されていくんだよね。で、実際には使わなかったとしても「書けるはず」という幻想の自信が現実の文章に転換されていくのである。僕はこれを参考文献虚栄自信転換殺法と読んでいる。

そういえば星雲賞の参考候補作リストに『SF超入門』も挙げてもらっていたので投票できる人は清き一票をお願いいたします。とはいえ投票できるのは日本SF大会に参加する人だけなのだけど。あと星雲賞の参考候補作はあくまでも参考だから、ここに上がっているもの以外にも投票していいんだよね。

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