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「また、読み返したい。」note保存記事

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また読み返したいような、noteの記事を保存していきます。
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記事一覧

「おもしろい」より大切かもしれないこと。

おもしろい本をつくりたいと、つねづね思っている。 たとえば『嫌われる勇気』という本にせよ、『取材・執筆・推敲』という本にせよ、ベースにあるのは知識の習得である。アドラー心理学の根幹を知ること。ライターに必要なものを体系的に知ること。それを目的に企画されている。しかしながら、その目的をかなえるためには「読みものとしてのおもしろさ」が欠かせない。論文のように、また指定教科書のように書かれたそれは、なかなか読みとおしてもらえないし、こころにも残らない。コンテンツは、おもしろさが命

人生の転機を迎えた人がよく言う台詞、「もういいや」

最近、「人生の転機」について考えていたんですよ。 まず、「人生の転機」についての定義から入りたいんですけど、これはですね、「いつの間にか、知らない風に乗って、明らかに崖を飛び越えてしまった体験」だと僕は思っているんです。あとで説明するように、転機には「嵐や強風の性質」はやっぱりあるんですね。 そして、「人生の転機」はやはりそこまで生易しいものではなくて、実際に転機を迎えても、「ピンチ」の面を感じ取る人の方が多いと思います。 そして、「人生の転機」には「この風に乗ったら、

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人類学的なデザイン

Spectrum Tokyo Fest 2023にて、「人類学的なデザイン」というタイトルで登壇させていただきました。 近年、人類学とデザインの領域がより近接しています。他者を知ることを通して、翻って自分を深く知る。そのような人類学的な態度を組織にデザインする実践について、提供開始から1年弱で発行枚数200万枚を突破し、グッドデザイン賞も受賞した「メルカード」のデザインプロセスと、お客さまを知るために毎週実施している「Research Hour」の取り組みを事例に紹介しまし

「生成AIの時代に大事な力とは」PKSHA Technology上野山氏が中高生と語る「未来を切り開くAIの授業」

ライフイズテックがこの夏に開催した、日本を代表するAI×データ界の識者・起業家による中高生向け講演会「未来を切り開くAIの授業」。3日目は株式会社PKSHA Technology 代表取締役 上野山勝也さんがゲストです。 講演後の質疑応答まで大いに盛り上がった本講義、上野山さんが語った「AI時代の未来の切り拓き方」とは? 「Software is eating the world」の時代2023年現在、ものすごいスピードで技術が変化しています。 「Software is e

母の介護をしながら判断に迷ってしまう

今回の相談は、実家にいるお母様の介護のことでした。 相談者の一人暮らしのお母様が認知症になってしまったそうです。大変でしたね。この方も、ご兄弟の方も引き取れないために介護付きの高齢者住宅に入れる手続きをされたそうです。こういう「選択」と「決断」ひとつにとっても、本当に各家庭での数えきれないぐらいの葛藤とか、悩みとか、そういうのがあるんでしょうね。 実家にいたときのお母様は、コロナの状況もあって参加していたサークル活動などができなくなり、まわりのお友達はどんどん亡くなられて

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社内ムーブメントを起こすために大事な10のルール

こんにちは、freeeのグローバルデザインチームでマネージャーをしているHalです。先日、freeeの中で担当外のプロダクトであるfreee人事労務のiOSアプリを英語対応するために社内で草の根活動をした話をブログに書いたんですが、 その活動が全社の総会で、freeeの価値基準の一つである「ムーブメント型チーム」を最も体現しているプロジェクトとして表彰されました。 ムーブメント型チームとは? 前回のブログの中で「freeeのような規模で、プロダクトのロードマップにない機

「おもしろいから書くのではない、書いているからどんどんおもしろいことが増える」——くどうれいんさんによる「日記の練習」がはじまります

小説、エッセイ、短歌、俳句とさまざまな文芸ジャンルで活躍する作家、くどうれいんさん。自身が創作する上でとても大切な要素になっているのが「日記」です。そんなくどうさんにとって日記とは何なのでしょうか。 「日記の練習」をはじめます 十代後半、すべての歌がわたしのことを歌っているように感じた時期があった。風が吹いても魚が跳ねても自転車からへんな音がしても同級生が捻挫しても、それがわたしの人生のとびきりの出来事だと本気で思った。毎日書き留めておきたいことがありすぎて、それなのに、書

日本へようこそ! 私の2週間のインバウンドツアーガイド

大好きな友人が、はるばるヨーロッパからやってきた! ウクライナ生まれベラルーシ育ち、今はコペンハーゲンに住んでいるAllaと、彼女とはベラルーシ時代からの長い付き合いであるパートナーのVit。 ふたりが長旅を経て初めての日本、初めてのアジアに来てくれたのが、2023年5月31日。そこから4年前の2019年の春、私はアイルランドのダブリンでAllaに出会った。 彼女は当時、ダブリンでファッションデザイナーとして活動していたのだけれど、語学留学生として1ヶ月だけそこに滞在し

成功は運か努力か才能か?についての考察

「人生は運ゲーに過ぎないのか?」「運ゲーだとしたら攻略法はあるのか?」というテーマをここ数年ずっと考えていて、自分なりに納得できたので備忘録として書き残しておこうと思う。 今の時代に「努力は報われる」といった話を素直に信じることはできないのは明白だが、分不相応な夢は描かないほうが良いという雰囲気もある。 そこで、昔から続く「成功は運か努力か才能か?」という疑問に対する考えをまとめてみることにした。 才能ではなく運が支配する世界2022年のイグノーベル経済学賞に非常に面白

戦略、作戦、戦術そして兵站「経営者とは、肩書きや地位を指す言葉ではなく、能力を指す言葉だ」-清水亮さんの神ブログの再編再掲

戦略 戦術 って口にするけど、じゃあ戦略って何? 単なる執行者から経営者に変わりたいと思う方々に捧げます 清水亮さんが昨日 こういう記事を挙げられていた 本記事も、AI時代の戦略設計の変更の良記事と同時に、誰もが事業を作っていく時にどういう思考をしなければ生き残り続けられないのか?というインサイト満載の記事でした。 ここに掲載している 戦略、作戦、戦術、兵站の図は 2012年に清水亮さんのブログで解説されたもので、この元記事がブログ移転で消失してたので清水亮さんから今の

夢中になること

赤ちゃんは見たことのないものを手にすると、かじったりガンガン床に叩きつけたりなげたり、いろんな角度から眺めたり。ありとあらゆる方法でそれを味わい尽くす。それこそ夢中で。五感を使って関心あるものを夢中で調べ尽くす本能があるらしい。 大人から見ると、知育おもちゃは遊び方が決まっている。赤ちゃんが「本来の遊び方」と違うアプローチをしていると「これはそうじゃなくて、こうやって遊ぶんだよ」と、つい教えたくなる。けれど、赤ちゃんは目の前のものの調査真っ最中。ジャマしない方がよい。 昔

製品づくりとメタ認知(アイデアとかデザインとか経営学とか)

2023年2月15日。 ミッドタウン六本木のデザインハブという場所で、トークイベントを行いました。 題して『アイデアとかデザインとか経営学とか』。 僕たちクリエイティブユニットTENTの本『アイデアとかデザインとか』を軸にしつつ、ゲストに静岡大学工学部で経営学を教える本條晴一郎氏を迎え 「デザイン思考」や「意味のイノベーション」だけでは捉えきれていなかった「デザインやアイデアとその周辺にある重要なポイント」について語り合いながら探っていく、というイベントでした。 イベ

編集力とは「想像」と「言葉」を結びつける力

 先週、今年初めての秋田入りをした。  まだお正月の4日ということもあって、誰に連絡するでもなくやってきた秋田は、お正月気分がそうさせるのか、なんだか故郷に帰ってきたような気持ちになって不思議だ。  秋田市内ということもあるけれど、それでも思ったよりも雪は少なく、穏やかな気候に安心する。夜にzoom打ち合わせがあったからそのままホテルの部屋で夕食をとり、今回の秋田入りの目的である、講演の資料をまとめながら、眠ってしまった。  朝、目が覚めると昨日とは打って変わって、えらい

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イーロン・マスクのように「ワクワクする未来図」を描くための思考法

人を動かすのは、ロジックではなく「感情」です。 僕は5年ほど会社を経営していますが、やっぱり「人はロジックだけじゃ動かない」と感じる瞬間はたくさんあります。 なにより僕自身「こうすればうまくいくな」と頭で理解はしていても、心から情熱を燃やせなければ、その事業を続けることはできませんでした。 自分や周囲の人を動かすのは、やっぱり「感情のこもったビジョン」なんです。ロジックはもちろん大切ですが、ロジカルすぎるビジョンはあんまりおもしろくない。 おもしろくないものには、人が