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恋をするのはいけないことか?

#7 『制服のマネキン』ー乃木坂46
 乃木坂46のキャプテンである桜井玲香が卒業を発表した。私が乃木坂を好きになったタイミングはあまりにも遅かった。もうすでにななみんも卒業していたし、まりっかもひめたんも生駒ちゃんもそしてななせまるも。もうちょっと早くから知っていたかったなという気持ちが押し寄せる。もう今では選抜もアンダーもどちらも名前が分かるまでになった。

*発展途上で、儚い。愛しいアイドルたち
 
姉が中学に入って関ジャニ∞のファンになった。同じ人が同じようなポーズを撮っているのに何冊も雑誌を買っていた。部屋には同じ人のポスター何枚貼るねんと思いながらも、おやつの時には勝手に雑誌をパラパラとめくっていた。そんな姉の姿を見ていたから3次元の世界の追っかけではなく私は2次元ばかり追っかけていた。アニメに漫画、ボーカロイドに歌い手、声優。中学で誰もが通るオタクの種類を制覇できるほど、あらゆるもののオタクになったと言っても過言ではない。姉から見たら私も同じようにきっと見えているのだろうけど、私は私なりに満足していた。

 そんな私はきっと誰よりもアイドルには程遠かった。無意識のうちに敬遠していたのかもしれない。ファンの人たちと握手して、ギリギリのラインの服を着て、大人数の中で自分が映る一瞬の間にすべてを賭けている。彼女たちは自分のアイドルを生きているのに、文春砲のターゲットになるや否や、かつてはファンだと言ってくれた人たちに、手のひらを返されたように大批判を受ける。彼女たちも同じ人間なのに。心を持っているのに。恋だってしたいだろうに。


でも彼女たちはそんなものに負けてなんかいなかったし、それぞれが困難と闘いながらアイドルとして生きていた。

乃木坂46を知ったのは、いや興味を持ったのはななみんが卒業してからだった。存在自体はデビュー当時から知っていた。弟の学費のためにアイドルを選ぶ人もいるということに衝撃を覚えた。そんな姉を持った弟は本当に幸せものだろうし、それと同時に姉に足して計り知れない感謝と責任感の気持ちが交錯しているのではないかと勝手に近所のおばさんのような気持になった。それでも、幸せだと思う。姉も弟も。

それこそ始めはAKB48の公式ライバルとしてデビューした時は批判が多かったと思う。なによりあの時はTVをつければ1チャンネルはAKB48の時代だったから。そんな最前線を突っ走るAKBにも苦労はあったと思うが、乃木坂の苦労も大変だっただろう。あの時の彼女たちは何を感じていたのだろう。常にAKBと比べられ、ティシュ配りをしても受け取ってもらえず、右も左も分からないことだらけ。センターを連続で務めていた生駒ちゃんが背負っていた重圧は計り知れない。あの時の彼女たちが今の乃木坂46を見たらどう思うのだろうか。

レコード大賞の2連覇や写真集の売り上げなど今やいろんなジャンルにおいて引っ張りだこだ。かつては男性が多かったファンも今では女性の支持も多くなっている。彼女たちは決して始めから恵まれた道を進んでいたわけじゃなかった。映画やドキュメンタリー番組に映る彼女たちはいつも涙を流している。何か目に見えないものと戦っている。アイドルとは何か。可愛いだけでは、もうすでに飽和しているグループの中で「自分」の存在意義を探している。

もう完璧な誰もが認めるアイドルになったのか。
きっと全然違う。まだまだだと彼女たちは言うだろう。

発展途上だからこそ応援したくなる。
何度泣いても立ち上がるから見守りたくなる。
あんな細い体のどこにそんなパワーを持っているのかと思うほど彼女たちは強くなる。
そして卒業する多くのメンバーは卒業の日が今までで一番美しく、儚い。

私が毎日何か変化するように、彼女たちも毎日変わっている。
そんな姿を見ていたくなる。
同じ女の子なのにね。勇気をもらう。

きっと凡人の私には考えられない苦労や、多くの涙を流している彼女たち。
それでもテレビの中に映る彼女たちはいつも笑顔が絶えない。
そんな彼女たちをいつまでも応援したいと思う。

発展途上で
儚くて
とっても愛らしい彼女たち。

1度は生で見てみたいけれど、いつになるかな。