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京都林大 池田の百森インターンシップ体験記

はじめに

皆さんこんにちは!京都府立林業大学校の2年生、池田桐耶です。私は8月28日から9月22日までの間(株)百森さんでインターンシップ(学校の授業の一環として事業体で働くこと)をしていました!今回は、普段林業大学校で森林について学んできた私がインターンを通して何を感じたかを語っていきたいと思うので一読いただけると嬉しいです!

自己紹介

京都府立林業大学校森林公共人材専攻2年池田桐耶です!生まれは大阪の枚方市で山との関わりはあんまりなかったのですが、三重にいたおじいちゃんの影響で森林に興味を持ち林業大学校に入学しました。林業大学校では普段伐倒の技術や森林についての知識、森林を活かす公共政策などについて勉強しています!趣味はドライブとキャンプです!百森にインターンに行こうと思ったきっかけは1年次に学校の授業として西粟倉村を視察した際、(株)百森さんに西粟倉村の「百年の森事業」についての話を伺い、その内容にとても興味をひかれたためもっと詳しく知りたい!と思い、ちょうど私が通っている林業大学校の先輩が働いていることもありインターンを志望しました。

日程

こんな感じのスケジュールでインターンシップをさせていただきました!改めて見返すといろいろな種類の仕事を体験させてもらってたんだなぁと感じます。本当にありがとうございました!

8/28 オリエンテーション
8/29 補助金検査
8/20 現地踏査
8/31 作業道補修箇所 土量測量
9/1 林業安全教育研修
9/2 やすみ
9/3 やすみ
9/4 作業道補修箇所 土量測量
9/5 土量計算(Jw_CAD)
9/6 やすみ
9/7 現地踏査
9/8 倒木処理
9/9 チェーンソーツアー1日目
9/10 チェーンソーツアー2日目
9/11 現地測量
9/12 作業道変更点 テープ巻き
9/13 団地完成報告会
9/14 造林検査
9/15 作業道作設予定地写真撮影
9/16 やすみ
9/17 やすみ
9/18 やすみ
9/19 防護柵の修理
9/20 山の悩み相談
9/21 IDテープ巻き
9/22 チェーンソーツアー準備

仕事内容紹介

私が体験したお仕事の内容をいくつか紹介します!

現場

■現地踏査
(株)百森さんの山守の方と一緒に施業予定の団地を踏査し、地形や水の流れを把握し、作業道のルートや土場の位置などを考える仕事です。この仕事では山守さんのてきぱきとした動きや山への慣れに驚かされました。図面を見て位置をすぐ特定する技術やほとんど景色が変わらない急峻な山の中を庭でも歩くような気軽さで歩く体力は学生の自分とはレベルが違うなと感じました。

■現地測量
同じく山守の方と一緒に施業予定地を測量する作業です。この結果が施業する範囲を決めることになるのでとても重要です!(株)百森さんは最新のGNSSという測量技術を利用しています。これは宇宙の衛星から情報を受信することで測量する技術で、一人でも測量を行うことが可能なことが特徴です。学校では最低でも二人必要な測量しかしたことがなかったので、測量する人は全員これ使えばいいのでは?と思うレベルの便利さだと思いました。

■倒木処理
今回私が参加した倒木処理は、Eバイクのコースに使う予定の作業道で倒木があり邪魔なので切って端に寄せる、という作業を行いました。倒木にかかっている力の向きを考え、危険にならないように作業する、といういつもやっているような普通の伐倒、造材とは異なる経験ができ、とても勉強になりました!

倒木処理前
倒木処理後

内業

■作業道補修箇所土量計算(Jw_CAD)
昔使っていた作業道の幅員を広げる際や、破損してしまった個所を修理する際に必要な図面を作るお仕事です。はじめは苦労させられましたがだんだん慣れてきて上達できたことが嬉しかったです。Jw_CADはほかにも様々なことに応用できるので習得できてよかったと思います!

■作業道横断面図作成
作業道を垂直に切った断面をPowerPointで作図するお仕事です。PowerPointで作図をするのはCADの時とは全然違う難しさがありかなり苦労しました。これが内業の中で一番キツかったです(笑)

その他

■チェンソーツアー
(株)百森が主宰するチェンソーの体験イベントです。私がお手伝いさせていただいたのはちょっと前に行われたツアーを用事で欠席した方の振り替えで、1.5日間かけて行われました。村民の方が楽しそうにチェンソーを練習しているところを見ると私が林大で練習していたころを思い出しちょっとホームシックならぬ林大シックのような気分になりました(笑)。森林活用は森林に縁のない人々に森林をしてもらう一つの手段として必ず必要になってくる分野だと再認識できるいい経験をさせていただきました。

■造林検査
補助金を出すか出さないかの審査の種類はとても多い上に、役場の人といっしょに検査をするんだということを学ぶことができました。。作業道の検査でも幅員、のり面の高さや地山の勾配、など様々な項目を検査されます。その際に立木を造材した際の枝葉などがたまっていると大変だと学んだので現場で作業する際には注意しようと思いました。実際に山での作業が終わってもやることはたくさんあることを知ることができてよかったです。

印象に残っていること

(株)百森が使っているツール

(株)百森では業務を円滑に行うために様々なツールを使っています。代表的なものはslack、docbase、redmine、などです。代表がもともとIT系の会社におられたということでそういうコミュニケーションツールやタスク管理などの知識が普通の林業会社とは全然レベルが違うなと感じたことが印象に残っています。特にチケットという制度はどんな会社にでも使えるツールだなと感じました。1年次のインターンシップで行った森林組合や、知り合いの森林組合にも事務で苦労しているという話はよく聞くのでこういったツール系はどんどん広めてくべきだと思いました。

山守の路線設計技術

山守の方と現地踏査に行くと、この山は地山勾配がこうだからこういう道を作る、土や木の様子から土地に流れるであろう水の量を推測し線形を調整する、この辺りは車で入れそうだから回し場を確保する、この辺りは契約が取れてないが取れるかもしれないのでどちらのパターンでも対応できる線形を考えるなど作業道の路線一つを決定するのにとんでもない量の条件がありとんでもない量の知識や経験を用いていることがわかります。作業道をどこにつけるかが搬出できる材の量を決定するので所有者さんに返せるお金が変わってきます。そういうところを山守が真剣に取り組んでいるのがすごくいいと思い印象に残っています。

排水が悪いとこうなります


最高のコンテナハウス

(株)百森さんでのインターン期間中会社のお金で安全第一客室というコンテナハウスに泊まらせていただきました!ここがほんとに最高で言いたいことはいっぱいあるんですけど少しだけ紹介します。
まず一つめがめっちゃオシャレ!!外見のカッコよさに加えて全面木張りの内装は温かい気持ちにさせてくれます。そして二つめがきれいなキッチンと家電一式、さらにはお風呂までもがついていること。しかもベッドから降りて三歩以内でそれらすべてにアクセスすることができるという利便性まで兼ね備えています。無敵なのか…。一か月という長い期間を快適に過ごすことができたのは安全第一客室のおかげといっても過言ではありません。(株)百森さん、安全第一客室さん、本当にありがとうございました!!!

山守の多忙さ

私は(株)百森の主に山守の仕事について行って勉強していましたが、その多忙さはとても印象に残っています。最近山守の一人が独立したこともあり(株)百森が主に発注している業者が三業者いるのに対し山守が二人しかいない現状です。山守の二人のためにもいい人材が入ってくれるといいなと思います。

感想

(株)百森さんでのインターンシップは学びと驚きの連続であっというまの一か月間でした!職場の雰囲気もとてもよく何でも聞きやすい雰囲気を作ってくれていたことに感謝しかないです!(株)百森に来るまではいろいろ未知な部分が多くうまくやれるか心配していた自分に心配ないぞ!と伝えてあげたいくらいです(笑)
インターンシップで一番成長できたな、と思うことはパソコンを使って事務作業をする能力です。そこかい!て思うかもしれませんが実はかなり重要です。私は現場で木を伐るというよりはどのような森林を作っていくかという設計に興味があるため、今後絶対に役に立ちます。今まで知らなかったパソコンで作業する際のやり方などを早いうちにある程度知ることができてよかったです。ダブルチェックの大切さも事務作業で痛感したのでそのあたりも徹底していこうと思います。

終わりに

(株)百森さんでは非常にいい体験をさせていただきました。森林を作り上げているのは現場で働く人だけではなく、(株)百森さんのような会社が縁の下の力持ちとして活躍していることを実感できました。一ヵ月という短い期間ではありましたが真摯に教育してくださり本当に楽しかったです!ありがとうございました!
 気づいたらこんな長文になってしまってました(笑)。最後になりますが、西粟倉村も百森もとってもいいところでした!この経験を生かして日本の山を守る未来の山守として、バリバリ活躍していきたいと思います!今後とも株式会社百森と京都林業大学校をよろしくお願いします!!


京都府立林業大学校 池田桐耶



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