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空飛ぶクルマ2月の注目ニュース深掘り

マンスリー「空飛ぶクルマNews」の着目点から業界同行を深掘りします。
今月は、世界で動き出した国境を超えたコラボレーションプロジェクトに注目しました。まずは以下のニュースをご確認ください。

Joby Aviation、ドバイにおけるエアタクシー事業の独占権利を獲得。2026年初頭までの開始を目指して(2/20)

HAAMの空飛ぶクルマニュースでも度々取り上げているアメリカのJoby Aviation社から、新たなニュースが飛び込んできました。

Joby Aviationは20日、ドバイの道路交通庁(RTA)と2026年初頭までにエアタクシーサービスを開始する最終契約を締結しました。契約はドバイで開催された世界政府サミットで締結され、これによってドバイはJoby社に国内でエアタクシーを運行する独占的な権利を6年間提供します。

具体的には、ドバイにおけるサービス事業参入と推進のために財政面など様々な支援を行います。エアタクシーが導入されれば、ドバイ国際空港から「パーム・ジュメイラ(ドバイのシンボル的存在である世界最大の人工島)」までの所要時間が車で45分のところ、わずか10分となる見込みです。

また、Jobyは事業展開にあたって現地事業体を設立し、運営チームの大半をドバイで現地採用する意向を示しました。インフラ面だけでなく、ドバイの労働環境にも影響を与えるJobyの取り組み。世界各国で進むエアタクシー事業に向けた取り組みの先進的事例となるのでしょうか。

共同プロジェクト

2月のニュースにはイギリスのLilium社とASEAN地域でグローバル・サービスを提供する航空会社PhilJets社の提携もありましたが、空飛ぶクルマに関する共同プロジェクトの背景には国と地域によって異なる社会課題解決への取り組みを見ることができます。

ドバイのエアタクシーは観光に加えて交通渋滞や大気汚染などの課題解決があり、Liliumが狙うのは人口が多く経済成長が著しい地域ながらモビリティ分野で遅れをとっている東南アジアにおける空飛ぶクルマの可能性に着目したものと見ることができます。

国際事業のポイント

国を超えた空飛ぶクルマビジネスの連携が続々と登場してくる背景には以下の3ポイントがあると考えられます。

1)汎用的な技術開発
多様な社会課題を持つ国家・地域の課題を解決するためには、安全性や効率性などの分野でこれまでに想定されていなかった技術が求められてきます。

2)国際的な運航ルール
現在は国家ベースで構築されている法律やサービスに対して国際的なルールが求められる可能性があり、商用運航のビジネスモデルにも関わってきます。

3)インフラ整備
日本の場合は国境を超えて飛んでくる空飛ぶクルマのイメージはありませんが、陸続きの国家間では離発着場や充電設備などのインフラ計画が統一されている可能性があります。

地域連携プロジェクト事例

空飛ぶクルマに関する国際的なスキームとして注目したい事例を紹介すると…

■UAM Initiative
欧州連合(EU)で推進されているeVTOL機の開発と運航に向けた官民共同プロジェクトで46都市が参加しているとのこと。

https://drone-journal.impress.co.jp/docs/series/column20230411-01/1185450.html

↑こちらのコラムに詳しい情報がありますが、日本の自治体参加についても紹介されています。

VOLOCOPTER実機

現在、東京で開催されている「SusHi Teck Tokyo」にて次世代モビリティ展示が行われており、3/16に筆者も訪問しVOLOCOPTER実機と記念撮影をしてきました。

実際に世界各地の実証実験で空を飛んできた機材との対面は胸躍る機会でした。

空飛ぶクルマの開発がより具体的になり、国・地域を超えたプロジェクトが多様に動き出すことで、イメージとしての未来を間近にする機会が飛躍的に増えることを期待したいと思います。

大阪・関西万博開催まで1年と少しになりましたが、どんなプレゼンテーションが行われるか楽しみです。

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来月も新たな情報を国内外から集めてアップしますのでお楽しみに!

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