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「風呂上がりにはヱビス」~~恵比寿・宝来湯

恵比寿。いまどきの人は知らないだろうが,かつては渋谷最南部の下町。
中小の工場と飲み屋がひしめく処。よって渋谷北部で生まれ育ったボクがわざわざ出かけていく用事はございませんでした。

さて前置きはこれまで。恵比寿駅西口を出て右へ。
真っすぐ真っすぐどこまでも,どん詰まりは外苑西通り。
そこを右に折れると見えてきます。

今日の訪湯は「宝来湯」です。
一瞬通り過ぎてしまいそうな狭い入口。
地下に降りる構造で階段が急です。

オバサマに声をかけられる。
「先に降りてもらえるかしら,怖いのよ。どなたか前にいてくださると助かるわ」はいはいとお手伝い。

さて,フロントにはご老体。
「マスク着用と手指消毒をお願いします」旨の張り紙が。
ボクは常時ノーマスク。
「すみません,お店のルールを知らなくて」と声をかけると
「はい,手だけお願いします」と優しく答えてくださる。

脱衣所。おぉ床も壁も板張り,木目じがなかなかなもの。
木製の休憩台が何とも言えぬ古色を放つ。
撫でると滑らかさが心地よい。
1日10人が座ったとしても1年で3000人,10年で3万人…
一体どれだけの人を受け止めてきたのでしょう。
今日,ボクもその歴史の一人に加わりました

と,そんな気持ちにさせてくれます。
そうそうロッカーが珍しい。大小あり,フロントでキーを渡してくれます。ボクは大。開けてビックリ。
中が上下2段になっている。荷物と衣服を分けるのか。
ボクはリュックを背負っていたので,大にしてくださったのでしょう。

いざ浴室へ。
ビル銭らしく天井は低い。
カランの数も16とコンパクト。
湯舟もシンプル。向かって右が「大・浅」でジェットバス3基。
いずれも同じ高さ,同じ圧の三つ子さん。
左が「小・深」でバイブラ。湯温は同じく42~3度。
熱めですが,肌に優しい感じ。

サウナはあるけれど,日曜日のみの営業だそうです。

ペンキ絵もタイル絵もない…けれど,富士の絵が二幅。
向かって右が「青空を背景とした富士山と逆さ富士」。
縦書きの署名「丸山清人」。
向かって左が「桜の樹を前景とした赤富士」。
横書きの署名で「ナカジマ」。
おぉ有名画伯お二人の揃い踏み。
それにしては…コンパクト??

風呂上がりにご主人にうかがったら
本部で買ったんですよ」というお答え。
神田岩本町の東京都浴場組合事務所で販売しているとのこと。

午後4時の開店と共に入ったせいか,常時5名程度でゆったりできる。
今週は期末テストづくり(2科目)で追われていたので,疲れています。
ともかくゆったり過ごす。
「身体と心の癒し」は銭湯,これ以上のものはございません。

さて,風呂上り。
ロビーもいい。こちらも板張りで素足が気持ちいい。

奥にはまたもや富士山の二幅。
これも「本部で買った」のでしょうか。

そして,こいつ,です。
恵比寿の地だけに,ヱビスビール。
1缶300円の良心価格。
プシュゥ~・・・プハァ~。
今週もよくがんばりました,ボク。

宝来湯さん,ありがとうございます。いいお湯でした。

外に出て外苑西通りを見渡して気が付いた。白金は目と鼻の先。
「プラチナ通り」とはすごいネーミング

先日うかがった「アクアガーデン三越湯」は通りの向こうにあるみたい。
この界隈,また街歩きに来ます。また寄りますね。

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