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95点!奥さん大満足~~落合・松の湯

新宿区落合・松の湯。昨年11月26日リニューアルオープン。

その日に駆け付けられず、以来2度訪湯機会を逃してきました。
今回は3度目の正直で念願が叶いました。
まず、おバカな話で申し訳ないのですが、2度の失敗談を。

1度目。夫婦で訪湯。新宿区「高齢者入浴券」を差し出すとご主人に今月分は使い切っているとご指摘されます。エッ

「翌月分を使っていただけないか」と恐る恐る…
「出来ないんですよねえ」おっしゃる通り。
ここまで歩いてきたし、そんな時は現金も持ち歩かない。
止むなく撤退。おバカだぁ~~

2度目。夫婦で訪湯。「高齢者入浴券」よし、まさかの時の「現金」よし

あれ?閉まっている…まさかの土曜定休日でした。
おバカだぁ~~

満を持しての3回目。今回も夫婦で。
奥さんが道々心配することすること。
明かりが灯っているのを見たときはホッとしましたよ

もう多くの方が書かれていますが、ボクの印象。
まずは階段・暖簾がすばらしい。上品な花の柄。
そして上へと吸い込まれていくような灯りの妙。
銭湯に来た…のだけど、すごく上質な空間に誘われている感じ。


(リニューアルオープン直後の写真)
リニューアルオープン直後の写真
今回訪湯時の写真

フロントにご主人の豪快な笑い声が響く。
滞りなく手続きを終え

いざ脱衣所へ。
コンパクト感は以前のまま。
でも雑然としていた昭和グッズは一掃されている。

(「東京銭湯」HPより)

床材が珍しい。マット系なのだけど吸水性が抜群に良い。
よくある床の水滴水たまりに嫌な思いをすることがまるでない。

さて、浴室は。
オォ~~白を基調とした階段からは予想もつかない仄暗さ。
濃紺のタイルが床、壁、湯舟を蓋う
天井は白いタイルで奥行きを出す。
照明は暖色系で落ち着きを演出。
浴室いっぱいに湯気がもうもうと立ち込めているので
どこぞの温泉に入っている気分になれる。
う~~むこれが今井健太郎さんの技なのですね。

(「東京銭湯」HPより)

カランの数は14。あれ減った?
風呂上がりにフロントにいた女将さん曰く
「カランを減らした分,湯舟を広くした」とのこと。

そして名物「階段湯舟」は健在でした。
下から「水風呂」21度前後。
上へ「温風呂浅め」これが12名くらいは浸かれる広さ。
その上に「温風呂深め」。こちらは4名サイズ。

上から下へとお湯が滝のように落ちている。
この風情はなかなかのものです。
名物「唄背の湯」はなくなってしまいましたが、
彷彿とさせる造作です。

(「東京銭湯」HPより)

さて、さらに階段を上るとドアの向こうに控えるのは露天風呂
「外気浴」となっています。熱湯で43℃。
ボディバスが2基。2名掛けベンチが2つ。
空を仰ぐと格子の向こうに空が見えます。
23区の銭湯はこれでいいんです。これが都会の露天です。

というわけで、上から下まで4層の湯舟を巡ること3周。
あっという間に1時間。いやぁ満足満足。
ロビーといえるスペースはなく、フロント前に物販コーナー。
伊良コーラ缶をいただく。新宿・落合の地コーラ(クラフトコーラ)の逸品。缶で290円は安い。

時々「伊良コーラの湯」開催。どんな湯?

女将さんとしばし。
「階段風呂」と「唄背の湯」はリニューアルの際、保健所と大モメにもめたそうです。保健所曰く「水質がどうのこうの」で両方とも認めない。そこを粘りに粘って二者択一まで持ち込み、残したのが「階段風呂」だそうです。

「うちは前からこの造りだったから許可が下りたけど、新しく階段風呂を造ることはできないみたいです」だそうです。つまりはかなりのレアもの。

松の湯に未湯、階段風呂未湯の方はぜひお越しください。

女将さんと語らう合間にもひっきりなしの来客。
「昨日はどうも」
「あら、今日はお一人、珍しいわね」
女将さんが声をかける。
「こんばんはー!」
二人のボンズが駆け込んでくる。
いいなぁこの地元密着感。

松の湯には「サウナはない」
でも、老若男女が集っている。
女将さん「この辺りは銭湯が多いでしょ。歩いて行けるところだけで、あそことここと…」
ボク「そんなに集まると競争が大変でしょう」
女将さん「いやぁみんな集まっているからね。かえってウチもやっていこうってがんばれちゃうんじゃないかしら」
―― 
なるほど、いいお話です。

出てきた奥さんがニコニコ。
「ねぇ何点か聞いて!」
「はい、はい、何点だったの」
「95点❣」
ほぉ~~奥さんにしては異例の高得点。
「だって」と話が続く
・湯船が広々としている。
・電気風呂とか、ジャグジーとかあり過ぎない。
・ごちゃごちゃしていない。よけいな貼り紙とかない。
・シンプル・イズ・ザ・ベスト。
・消毒のにおいがきつくない。
・熱くないのにいつの間にか温まっている。
・入っている人たちが声尾を掛け合ったり親しみやすい。
まだまだ止まらない。

「そこまで褒めたら100点じゃないの」
「ううん、2点は2回空振りさせられたから減点」
いや、それはボクたちの落ち度で松の湯のせいにしては気の毒…と心でつぶやくが(家庭内平和のために)口にはしない

「あと3点は、ドライヤが-10円で安いと思ったら1分間しか出ないの。30円使ったからマイナス3点」…主婦はキビシイ。
「まぁ100点にしてあげてもいいんだけどね」
と、なぜか思いっきり上から目線の奥さんなのでした。
でも断然また来たいだそうです。

松の湯さん、ありがとうございます。いいお湯でした。

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