嫌われキャラで突っ走れ!

硬い鎧が割れた
持ち前の占い師ならではの勘のよさで人の顔色から気持ちを推し量ってばかりだった
勘が鋭過ぎるのも問題なんだ、疲れるから

「気にするな、気にするな」
と、何度自分に言い聞かせてきたかわからない

でももうやめた

嫌われてもいいから突っ走ることに決めた

もういい加減いい年なのに、人の顔色ばかり伺ってどうする
このまま一生終えるのか?
人の顔色見てやりたい事も中途半端なままで?
バカバカしい

今迄それで自分のプラスになったか?
相手には不快感を与えるのは減らせたかも知れないけど、それで本当に正解か?

相手が特別神経質で要求の強い人かもしれないのに
その人の奴隷でいいのか

丁度いいことに、人前で話す機会があった。

嫌われるの覚悟で思い切って面白おかしくやってみた
自分が信じた通りに

すっごい気持ちよかった

いい評価くれる人が何人もいた
わざわざ感想を言ってきてくれた
大人になるとこういうこと少なくなる
久々の喜びだった

嫌な顔してる人もいたけど

今までは嫌な顔してる人のことばかり見ていた

今回はそっちは見ないようにした

それでいい

勇気ってバカになることに近いかも
途中、不安になりそうな時もあったけど、踏ん張った
今回はどうしても負けたくなかった

気に入ってくれる人もいれば嫌う人もいるんだ
全ての人に好かれるなんて無茶だった
でもその無茶を長いことしてきた
結果、全然楽しくなかった

そりゃそうだ
自分を嫌ってる人から好かれようとするなんて無謀だからだ
相手は絶対に心を和らげない人なのかもしれないのに

頑張ってきた
そういう習性だった
親子関係でそう刷り込まれたから簡単には抜け出せなかった

周りに遠慮して自分らしさを封じてきた

病気してコンプレックス一杯だったから尚更そうなった
そうならざるを得なかった
「お前が言うか」って態度バリバリ感じたから
「お前は引っ込んでろ」って態度で言われたから
それにすごすごと従ってしまった
悔しかったけど仕方がないと思った
自分は普通の人とは違う酷い姿だったから
無駄な努力ばかりして辛かった
なのに、やめられなかった
そんな自分が情けなくて嫌だった

割り切る事も必要なんだ

何かのキッカケで、割り切りが出来るようになる

そういうギリギリの瞬間がくる

来なくてずっと待ってる人には早くくるといいね
私もずっとそうだった
何かを待ってる気がして落ち着かなかったけど、これだったのかも

本来の私を取り戻せた気がした
すごく幸せだ

今のこの気持ちをこのまま取っておきたい
今度こそ忘れないでいたい