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西宮流ゲームマスター術①~プレイヤーのロールプレイを邪魔しない3つのコツ~

◆はじめに

こんにちは、西宮 湊(にしみや みなと)と言います。
普段はオンラインでのボイスセッションを中心にクトゥルフ神話TRPGやエモクロアTRPGをはじめとしたTRPGで遊んでいます。
ゲームマスター(クトゥルフならKP、エモクロアならDL)とプレイヤーをやる比率は半々ぐらい、年間の参加セッション数は100超えぐらいの感じで遊んでおります。(2023年は130セッション分遊んでいたそうです)

自分がゲームマスターとしてシナリオを進行した時に、プレイヤーさんにお褒めいただくことが多く、また「自分がゲームマスターをやる時には真似したい!」と言っていただく機会もありましたので、自己流ではありますがゲームマスターをやる際にこういうことを意識して進行しているよ~の話を備忘録的な感じでまとめようと思います。


※前提条件

今回の記事はあくまでも下記のような環境を前提としたキーパリングのコツとなります

・ロールプレイ重視のCoCシナリオ、エモクロアシナリオにおける回し方
・セッションの形式はココフォリアを使用したオンラインのボイスセッション
・RPをすることが好きなプレイヤーたちが集まっている


1.ロールプレイの終着点を提示してあげる

コツの一つ目は「ロールプレイの終着点を提示してあげる」です。
セッション中、こんなシーンはありませんか?

KP「あなたたちは見知らぬ白い部屋で目を覚まします。周囲には初対面の人が同じように倒れていました。ではここからロールプレイどうぞ!」
PL1「一体ここは……」
PL2「あなたたちは?」
PL3「私は~(自己紹介)」
~キャラクターが一通り自己紹介を終える~
PL1(この流れで探索していいのかな?)「部屋には何がありますか?」
KP「あっ、部屋の探索する前に描写あります!」
PL1「あっ!すみませんどうぞ!」

そのほかにもロールプレイが途切れたかな?ってタイミングを狙って次のシーンの描写を読み上げようとした時にプレイヤーと発言が被ってしまってお見合いになったり、とか……。
そんな気まずいシーンを解消するために「ロールプレイの終着点を提示してあげる」ことが大事なんです。

では、上記の例に「ロールプレイの終着点を提示してあげる」があった場合はどのように進行されるか見てみましょう。

KP「あなたたちは見知らぬ白い部屋で目を覚まします。周囲には初対面の人が同じように倒れていました。ではここからロールプレイどうぞ!自己紹介が終わったあたりで描写があります
PL1「一体ここは……」
PL2「あなたたちは?」
PL3「私は~(自己紹介)」
~キャラクターが一通り自己紹介を終える~
PL達(自己紹介が終わったあとに描写があるって言ってたから一回ロールプレイを切ろう)
KP(よし、ロールプレイが切れたな)「あなたたちが自己紹介を終えたその時、後方から声をかけられます」

お見合いをすることがなくなり、またプレイヤーたちに自主的にロールプレイの切れ目を作ってもらうことで、ロールプレイをぶった切って流れを止めるようなこともなくなりました。

「就寝するまでのロールプレイをしてください」
「部屋を出たら次のシーンに移行します」

等はわかりやすいロールプレイの終着点としてよく使っています。

また、そこから派生したテクニックとして「SE(サウンドエフェクト)を活用する」というのがあります。

例えば、学校が舞台の場合、学校の始業チャイムのSEを鳴らすことで、「あ、もう授業はじまるね」「昼休みおわっちゃった!」等のロールプレイを引き出しつつ、プレイヤーたちに自主的にロールプレイを区切ってもらうことができます。(私はココフォリアのカットイン機能を活用しています)


2.探索のロールプレイ中にはテキストで探索可能箇所、振れる技能を提示してあげる

コツの二つ目は「探索のロールプレイ中にはテキストで探索可能箇所、振れる技能を提示してあげる」です。
これも一つ目に続いてロールプレイを遮らずに進行するためのコツになります。

ロールプレイを積極的にやってほしいので、私がゲームマスターのセッションでは時間が押していない限りは探索中のロールプレイも推奨しているんですが(もちろん探索は事務的に進めたいプレイヤーさんもいるのでプレイヤーさんのスタイルに合わせてます)、ロールプレイで探索を進めていただいているシーンは

・探索可能箇所
・該当の探索箇所で振れる技能(複数ある場合はその技能が成功した時に出る情報が技能毎に違うか、同じかも合わせて提示しています)
・これ以上調べても情報がないこと(次の探索に進めてねの合図)

をテキストとしてココフォリアのチャットで出しています。

PL1「この部屋は……」
KP『探索可能箇所は机・棚です』
PL2「机に何かあるかな……」
KP『机に〝目星〟を振ることができます』
~各PLが〝目星〟技能を振る~
KP『〝目星〟に成功したあなたは机の引き出しに一本の鍵があることに気が付きます。』
PL1「お!こんなとこに鍵が!と言いながらポケットに仕舞います」
KP『机の情報は以上です』
PL1「机は……こんなもんか。棚のほうはどうだ?何かあったか?」
PL2「えーっとこっちは……」
KP『〝図書館〟または〝目星〟を振ることができます。出る情報はどちらの技能成功でも同じです』

(以下略)

イメージ的にはテレビ番組とかでカンペ出してるディレクター的な感じですね。
これがロールプレイのまま、探索を進めてもらうのに一番スムーズな方法だと思っています。
技能を使って調べた結果がテキストでチャットに残ることで、口頭での情報が記憶に残りにくい人もわかりやすい形で進行することができます。(人間には認知特性というものがあって、口頭での情報が記憶に残りやすい人、テキストでの情報が記憶に残りやすい人と違っているようです。画像認識が強い人もいるので、図式とか出せる場合は図式にする場合も。可能な限りはどちらにも配慮した形でプレイヤーがやりやすい進行を心掛けています)


3.キャラクターたちと行動しているNPCがいる場合はNPCの口を借りて進行を促す

三つ目は「キャラクターたちと行動しているNPCがいる場合はNPCの口を借りて進行を促す」です。

もちろんシナリオで設定されているNPCの設定に準拠はしますが、可能であれば進行の誘導や、アドバイスなどはゲームマスターとしての発言ではなく、ロールプレイの一環としてNPCの口を借りてできたらロールプレイを切らずにできていいな~と思っています。

PL1「一通り調べたが……さて、どうしたものか……」
NPC「書斎で見つけた日記に書かれていた研究所が気になるな……」
PL2「それなら研究所に行ってみるか」

こんな感じで探索をそれとなく誘導したり、就寝して欲しい場合はNPCから積極的に就寝するロールプレイを振ったりということをしています。
あまり発言していないキャラクターに話を振ったりの場を回す役割もできそうだったら、それも兼ねてNPCのロールプレイをやっていたりします。
誘導できるようなNPCがいない場合は、前述したようにテキストでRPの終着点を示してあげたり、〝アイデア〟を振らせてテキストでヒントを出してあげたり等、極力ゲームマスターとしての発言でロールプレイを切らないようにしています。


◆まとめ

1.ロールプレイの終着点を提示してあげる
2.探索のロールプレイ中にはテキストで探索可能箇所、振れる技能を提示してあげる
3.キャラクターたちと行動しているNPCがいる場合はNPCの口を借りて進行を促す

以上が西宮流、ロールプレイ重視のセッションでプレイヤーのロールプレイを邪魔しない3つのコツでした。

今までの同卓者から折に触れてお褒めいただくことがあった箇所を今回はご紹介させていただきました。

参考になれば幸いです。
また気が向けば続きを書くことがあるかもしれません。

それでは。

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