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01:ヘビイチゴの味の無さを感じてみる

河原や空き地などでたまに見かける、ひときわ目を引く赤い果実。それがヘビイチゴ。
いかにも美味しそうな見た目をしているが、好んで食べる人は少ないだろう。なんといっても名前がヘビイチゴなのだから。

だが一度も食べずに判断するというのも、ちょっともったいない話。
毒性はないようなので、もし食べ頃を見かけたら、食べてみるのも一興かもしれない。

これは私が食べたときの感想である。
まず人差し指と親指で真っ赤な果実を摘まむと、表面の種がポロポロとこぼれて焦った。そして見た目よりもなんだか軽い。

大丈夫かなと思いつつ水で洗って齧ってみると、果肉密度がものすごく薄く、「す」の入ったスイカの「す」の部分、あるいは安いスポンジのような歯触り。あんぱんについているケシの実のような種だけが静かに主張していた。

そして肝心の味だが、ものすごくうっすらと甘味を感じるのだが、その僅かな甘さが逆に切ない。いっそ酸っぱかったらと思うのだが、酸味は一切ないのだ。

うっすいイチゴ味のシロップで作った「無」。
味はほとんどしないけれど、「面白味」だけはあると思う。

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