見出し画像

「まもなく着きます」について考える

春、なのか。

春と言えば、新生活。
新生活を控えて、「わたしのようなダメ人間(©️筋肉少女帯)が社会生活を送れるのかしら」と不安に思っている方もいるのではないだろうか。
社会人ともなると、やはりちゃんとするべきと言われていて、「時間を守る」などの大人としての基本は押さえておくべきと言われている。
しかし、常に素早く行動するというのはなかなか難しく、先に着いた先方を待たせてしまって、社会人として気まずい瞬間もあるだろう。
あぁ、僕はある。
そんな時に便利な言葉がある。
「すいません、まもなく着きます」だ。

僕も無意識のうちに多用している、この「まもなく」だが、
あらためて考えてみると実に便利な言葉だ。
なんといっても、具体的じゃないのが良いところだ。
もうほんの少しで着くからね、これはガッツリ遅れているというよりはちょっとだけ時間の噛み合わせが悪かっただけなんだよね、という行間の主張で、なんとなく相手を待たせてしまったことが曖昧に緩和される気がしないだろうか。
素晴らしく便利な言葉だな、「まもなく」。

しかし、ふと思ったのだが、この「まもなく」に対する感覚がズレていると、非常に危険なのではないだろうか。
つまり、自分は「まもなく」と思っているのに、相手が「ぜんぜんまもなくじゃねーよ」と思っていたら、物凄い不評を買っている場合があるのでは、ということだ。
そこで新生活を迎える新社会人がそんな危険に巻き込まれないように、
「まもなく着きます」の「まもなく」は、どこまで許されるのか?を考えたい。

まず、生活の中でもっとも「まもなく到着します」という言葉を聞く機会があるのは、交通機関ではないだろうか。
というわけで、ひとまず最寄りの駅で「まもなく到着します」のアナウンスから、実際に電車がどれくらいで着くのが調べてみた。

ぼんやり缶コーヒーを飲みながら10本ほどの電車を見送って観察してみたが、だいたい平均で1分ほどで着くとわかった。
バスは交通状況によりもう少し幅があるが、大体到着予定時間の1分前くらいまでに電光掲示板に「まもなく到着します」と表示される。
つまり公共機関では「まもなく=1分」ということになるわけだが、そうすると僕としては非常に困る。
「まもなく着きます」と言って、1分以内に着いたことなんかないからだ。
というか、徒歩であと1分で着くなら「まもなく着きます」なんて連絡をするより急げよ、と思う。

そこで、今度は周りにいる人に、「まもなく着きます」、何分以内に着いたら「まもなく」の範疇で許せるかアンケートをとってみた。
アンケート対象にミュージシャン、ライターなどの社会性がやや曖昧な職業が含まれすぎるとアンケートの公正さが揺らぎそうだったので、あまり偏らないよう一般的な職業についている方にも協力してもらって約30名にアンケートを取った。
その結果がこちら。

「まもなく着きます」の「まもなく」、何分以内なら「まもなく」の範疇だと思う?
アンケート結果

1分以内 1名
3分以内 7名
5分以内 11名
10分以内 6名
15分以内 7名


結論1:大体「5分以内」であれば「まもなく」の範疇で許される可能性が高い。

結論2:正直、「1分以内という人も多いだろう」「15分はさすがに許されないだろう」というつもりで入れた項目だったのだが、意外と許されていた。
(ただ、これは僕の交友関係の偏りによる可能性も否めない。仕事なら5分、プライベートなら15分という人もいた。)

ここまでは、良い。重要なのは結論3。

結論3:想像以上に「まもなく」で思い浮かべる時間が人それぞれ違う。
ここまでバラけると思っていなかったのだが、
つまり「まもなく」と聞いて、「1分以内」を想定する人もいれば、「15分以内」を想定する気の長い人もいるのだ。

おわかりいただけただろうか?
つまり、新社会人の皆さんには、「まもなく」なんてそんな曖昧な言葉は使わずに、具体的に伝えられる、時間を守れる社会人になってもらいたいということだ。
がんばってもらいたい。




note書いてないで原稿送れ、デモはまだか…?
「まもなく送ります」っと…

サポートいただいたら、美味しいもの食べたりして、それで培った元気とやる気で、また面白いものをお届けします。