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催眠術を理解する

催眠術って何ですか?
催眠術を理解するためには「催眠」と云う現象を理解しなくてはいけません。

催眠の語源


一見眠っているように見える催眠状態ですが、実はさにあらず、眠ってはいません。しかし眠っているかのように見える事から眠りを催す術が転じて「催眠術」と言われるようになったそうです。
勿論この解釈は正しいと思いません。そしてこれ日本語だけなのかというとそうでもなく英語のHYPNOSISも眠りの神ヒュプノスから来ているのだそうで、やはり一般的にはそのような解釈をされているのでしょうね。
そのこと自体はまあ仕方のない事なのですが催眠を学んで実践するにあたっては正しい知識を身につけなくてはならないと思っています。

催眠と云う状態


人は単調な刺激の連続に弱く、繰り返し同じ刺激を受け続けると意識や思考が狭窄状態になります。
例えば単純で単調な作業を切り返していると、やがて意識しなくてもその作業を継続できるようになる代わりに考えることを放棄するようになります。

脳はサボりたい

単調な刺激で活動を低下させてしまうのは、出来るだけ無駄なエネルギーを消費したくないからです。
脳は一度に沢山の処理を常に行っているのですからその負担たるや相当なもので、不随意筋も随意筋も管理し自律神経や思考、感情をコントロール視覚、聴覚、嗅覚などの感覚も処理してエネルギーが不足したらお腹が空いて・・・・・一つ一つ挙げて行ったらきりがないですが、こんなに沢山の事をやってのけるわけです。
これを機械に置き換えたらとてつもなくデカいコンピューターでないと出来ないんだそうです。
こんな小さに人間の体に収まっている脳ですから出来るだけ負担をなくしたいわけです。いつまでも生真面目に管理しているとエネルギーの消費も激しいし、どうかしたらオーバーヒートだってしちゃうわけですから。
なので同じことをある程度繰り返していたら、これ続けていればいいのね?と判断して同じことを繰り返す機能は保ったまま休みます。途端にサボりはじめるのです。

催眠誘導は心ではなく脳に働きかけるという事を理解しましょう

さて、そんなわけで「ああ、一休みだね~」と判断した脳はどうなるか。
考えることを放棄します。
しかし外からの情報まで完全に遮断する事はありません。ありませんがその情報が正確か、誤りかを判断することは苦手です。
それはお休みしてしまった部分が大脳新皮質と呼ばれる場所だからです。
大脳の新皮質は人が生を受けてから今日までに知ってきたこと、身につけてきたこと、常識や正しいとされてきた事が記録されています。
普段これがしっかりと機能しているから人は常識の範囲内で生活が出来るのです。
ここが正しく機能しないと判断力が薄れ、時には恥をかくような行動もとってしまうというわけで泥酔者や認知に障害が起きてしまったケースの行動などはまさにこんな感じですよね。
この現象を意図的に、一時的に発生させるのが催眠誘導です。
この事から催眠誘導は脳に働きかけるという事を理解しておかないと成功率が低くなります。

これは基礎の基礎ですべてではない


ただしこれまでに書いたことは基礎の基礎であることを知っておいてください。
ここまでに書いた事とまるで違う情報もあるのですが、これを知っておかなくてはその先を理解することは困難だと思います。詳しいお話についてはゆくゆく書きますが、まずはここを理解しておいて頂くと良いでしょう。



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