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「おしん」には、まともな男が源じいとテキ屋のケンさんしかいない件

ちょっとしたきっかけで再び「おしん」を見ています。
1983年の当時は、部活動できちんとみたことはありませんでした。
初めて見たのが10年前です。
 
こんなに長いストーリーを寝る時間も惜しんで見てしまうとは、流石に橋田壽賀子先生の脚本、役者さんの力だと思いました。

そして当時は力のある役者さんがとてもたくさんいたということです。
加賀屋のおばあさま、泉ピンコさん、一筋縄ではいかない役者さんばかりですが、
このお話、2回見て気がつきましたが、ここに出てくる男性陣はろくでなしなのです。
お加代様とおしんを振り回した渡瀬恒彦演じる高倉も、おしんの夫の並木史郎も、おしんを幸せにはしてくれませんでした。

佐賀でのおしんの妊娠出産シーンなどは、
目を背きたいほどの苦しさが伝わってきます。

その中で、唯一光のをくれる男性が、
田野倉商会の源じいとテキ屋のケンさんです。

テキ屋のケンさんの出番はとても少ないのですが、のちにおしんが本当に困ったとき、ケンさんから教わったことが役に立ちました。
そして、源じいは震災で亡くなってしまうのです。
おしんの子どもを守ってくれて。

これが生きている源じいとの最後の会話になります。
背中におしんの子どもをおんぶして。

この方、もの凄く気になったので調べてみました。
今福将雄さん。
なんと文学座の方でした。
おしんでの九州の言葉もうまいと思っていたら、
九州ご出身の方でした。
どおりでうまいわけです。
残念ながら2015年にお亡くなりになりましたが、
よく見るとイケメンだと思いませんか?

ちょっとイチロー風味という感じです。
橋田壽賀子さんが、小林綾子ちゃんに、
「汚いところを見せるために髪を洗うな」とおっしゃっていたそうで、3ヶ月間髪の毛を洗えなかったとのちに話していたことがありました。

世界的に有名なこの作品ですが、もっと今の役者さん達が上手くなり、この作品を超えるものができたら、日本にもまだ救いがあるように思うのです。