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20171031 バスでカナダ入り

次の目的地であるトロントに行くには、カナダの国境を超えなくてはならない。
昨日、折角の旅行なのに外も出歩かずに調べたところによるとデトロイトとカナダは川で区切られている。そこを通行するには橋とトンネルが有るのだが車両以外は通行が出来ないようで、徒歩で入るのも不可能なようだ。
自転車を持って行く一般的な方法としては
空いている時間帯にデトロイトから出ているトンネルバスというのを五ドルで利用する方法。
トンネルか橋の前でヒッチハイクする方法。
デトロイトから北に八十キロメートル行った町でフェリーに乗り、川を渡って国境を越える方法。
色々調べて見て思いついたのは、この三つになるだろうか。

この中ではヒッチハイクも中々ドラマチックでネタになると考えたが、チップを通行料の五ドル、そして乗せてくれたお礼として五ドル渡すことを考えると少しお高い。川を渡る町の船着き場まで行くのには遠いし、一日十五分間隔で走っているトンネルバスを利用したほうが五ドルで済むしコスパが良いのだ。こんな時のために折りたたみ出来る自転車にしてあるのだ。

朝支度を済ませてチェックアウトをした後にバス乗り場に向かうまで、ゆっくりとデトロイトの街を最後に眺める。

有名なGMタワーを見ながら初デトロイトを振り返ってみると、
何だかんだ緊張の連続だったが、最終的には私はこの街が気に入っていた。
具体的にはデトロイト程に面白い場所はない。
公園を歩けば野良犬に追われる。ファストフードの店員は態度悪い。夜道を歩けばギャングが居る。クラブで酔っぱらいのハロウィンコスプレヒッピーに絡まれる。(単純に火を貸してくれと言われただけ)
こんなに非日常が常に起こる街にいて楽しくない訳がない。
いやいや、もちろん良いところもある。
街にはアートが溢れてるし、レコードショップも店内はキレイできちんとした管理をしているところが多かった。
公園もキレイで、ダウンタウン周辺に限ればもキチンと掃除しているのかゴミは少ない。住宅街辺りになると怪しくなるが、その辺りは観光客は行かないだろう。
何が足りないのかと言うとご飯屋さんだろうか。あんまり美味しそうな飯屋は無い印象。メキシカンタウンに行けば別だが大体チェーンのお店が多い。あと、これはどうでもいいが住民全員が黒ずくめの服装だった。本当にそれしか売ってないのかと言うくらい黒しか着ていない。
だから観光客は少しカラフルな服装と顔つきが明るいから直ぐに分かる。

短い滞在期間ではあるが治安も改善努力をしていて少しずつ良くなってはいるのだろうという印象を受ける。
例えば大きな公園の入り口や駅の辺りにはこの様なエマージェンシーと書かれた目立つ柱が幾つか設置されていた。
恐らくの使い方だが、ボタンか何かがあってそれを押すとサイレンやパトランプが回り、同時に警察にも連絡が行く仕組みなのだろう。

この街は確実に、少しずつ良くなり活気を取りもどすだろうと感じながら街を走っていた。

さて、先のGMタワーの根本にカナダ行きのトンネルが有り情報によるとそこにバス乗り場もあるのでそこで待っていれば大丈夫との事だったが、何やら貼り紙がされている。
ドゥーノット?ここでは乗れないという事だろうか?そう思った私は別のバスターミナルの方に向かった。
そこはグレイハウンドというアメリカでは大手の長距離バス会社の発着ターミナルだったのだが、ネット情報によるとそこでもカナダの国境の街であるウィンザーに行けるトンネルバスが発着しているらしい。そこでチケット売り場のおばさんにウィンザー行きのチケットくれと言ったら、ここじゃ売ってねーよ!と言われてしまった。どうやらここではウィンザーよりも先にあるニューヨーク行きのバス等に乗るためのターミナルらしい。
改めてグーグルマップを確認してみるとウィンザーに行くにはまた別のバスターミナルの方に行かなくてはトンネルバスに乗れないとの事。

何やら色々な情報に惑わされているが、それほどまでに車で国境を越える以外の選択肢は少なくて日本語の情報に乏しいのだ。

改めてミシガンアべニューメトロ駅の近くにあるバスターミナルに来て、今度こそと思いインフォメーションにいるおじさんにトンネルバスは何番乗り場か尋ねると十三番で一時五分くらいに来るよと返答が来て安堵した。

自転車を折りたたみ、輪行バッグに入れて寒さに耐えていると怪しげにくねくねした兄さんに話しかけられた。

私が乗ったトンネルバスには市内を走るタイプと同じように車体の前に自転車を積み込む部分があり、わざわざ折りたたまなくても良かった。値段は五ドル。
先の乗れないと思っていたGMタワーの下の高速の料金所みたいなところにあった停留所もいつの間にか乗客が集まり、数人乗り込んできた。
しかし、大きな車内に対して乗客は私を含めても六人なので自転車を真ん中の通路に置いておいてもひと一人通れるくらいには通路は広いしスカスカだ。

バスは直ぐに入国審査所に着き、私は荷物の都合上最後に受け付けられたのだが、英語の対応がまるで駄目と判断されたらしくグーグル翻訳を介しての受け答えとなり、みんなが終わっている中私だけ時間がかかっていた。ネットの情報によると、あまりにも遅いと置いていかれるらしいと聞いていたので少しだけ焦ったが、審査官の男性は丁寧に質問してくれたし、無口な運転手のおっちゃんはコッチをじっと見て待っていてくれていたし、何よりも私の前に審査されていた男性が何やら問題あったらしくて待たされていた。

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