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ルービックキューブとファンタジーの法則(思い出の日記)

※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。

夜、家に帰ると長男がうれしそうに私のところに来た。

ルービックキューブを手にしている。

長男「見て、見て! 完全一面ができるようになったよ」

※「完全一面」というのはルービックキューブの一つの面(9個の小体)が正しい位置と向きに並ぶことです。

私「すごいじゃない。説明書見て覚えたの?」

長男「まあそうなんだけど、ああすればこうなるっていう理屈がわかれば覚えやすいね」

私「完全一面やってみせてよ」

長男「いいよ。まずグチャグチャにしてと……いい?……ほらね!(得意げ)」

私「ふんふん、なるほど。途中のそこんところ、もう一回やってよ」

長男「カシャ・カシャして、グルッとして、シャカ・シャカ」

私「それはね、共役っていうんだよ」

長男「共役って何?」

私「あなたがいまやったじゃない。このままグルッと回すと駄目だから、カシャ・カシャしてからグルッとして、シャカ・シャカ戻す」

長男「うん」

私「共役はね、こちらの世界で解けない問題を別世界に行って解き、帰ってくるひとつの例だよ。お父さんの本(『プログラマの数学』)に書いてある…(本を見せる)…ほら、この《ファンタジーの法則》だよ。共役とはどこにも書いてないけれどね。矢印を見てごらん」

長男「あ、あああ、なるほど。確かにそうだね!」

 * * *

キューブと共役の話題は、ホフスタッターの『メタマジック・ゲーム』にも出てきますね。

共役は、操作Aを行い、操作Hを行い、Aの逆操作A'を行うこと。

続けてやるとAHA'(アハ!)になる、と。

 * * *

※2006年2月2日の「結城浩の日記」から。
http://www.hyuki.com/d/

※長男はこのころ、12歳。

※『プログラマの数学』(結城浩)(Kindle版もあり)
http://www.hyuki.com/math/

※『メタマジック・ゲーム―科学と芸術のジグソーパズル』(ダグラス・ホフスタッター)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4826901267/hyuki-22/

※Photo by webtreats.
https://www.flickr.com/photos/webtreatsetc/4185326903/

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