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【実況者・Vtuber向け】「実況」の視点から見たノベルゲームのススメ

 私はよくノベルゲームの実況をしています。

 今回は他の実況者さんや配信者さんにもノベルゲームの実況をしてもらいたいと思い、

  • ノベルゲーム実況のよさ

  • 実況する際に気をつけたらいいこと

をそれぞれ「ゲーム実況」という立場からまとめてみようと思います。私が実況するのは個人製作のノベルゲームが中心ですが、企業やスタジオ制作の作品にも当てはまることが多いと思っています!
 また、私がよく使っているノベルゲームコレクションではちょうどティラノフェス2023が開催されています!プレイして拍手や感想を送るとプレゼントがもらえたりするのでぜひこの記事を読んで「自分もノベルゲーム実況やってみたい!」と思ったらぜひフェスに参加してみてはいかがでしょうか?

いいところ

リアクションが取りやすく、感情を共有できる

 ノベルゲームは「物語」を語り、それによってなんらかの方向に人の心を動かそうと作られています。なのでノベルゲームを実況していると自然と実況者の感情が動き、視聴者と感情を共有しやすいと思っています。ゲーム実況の際にうまく反応が取れず、黙ってプレイしてしまうことに悩まれている人も少なくないと思います。その中でノベルゲームは極めてリアクションが取りやすいと思っています。ちなみに下に出しているのが私とった激しいリアクションの例です。

 さらにアクションゲームやシューターゲームと違いノベルゲームはゲームの進行を自分の意思で止めやすいので、より考えて言葉を紡ぎ出したり心情や考えを表現できるでしょう。
 また、例えば学園もの作品を遊んでいる時に自身の学生時代のことを絡めてみたり、重大な選択がある物語では、その選択や決定までの過程を通じて視聴者に実況者の人間味が伝わることもありうるでしょう。

技術に左右される面が少ない

 ノベルゲームは操作性が極めて低いジャンルです。もちろん謎解きが必要な作品もありますがほとんどの作品で試行錯誤を繰り返せばクリアまでいけると思っています。なのでゲーム実況においてある程度の体験が保障されているというのは大きいです。正直まともに進めなくてやめてしまった作品もありますから…。
 また、プレイスキルに対して自ら「こんな腕で実況していいのだろうか」とネガティブに考えてしまったり、コメント欄などでプレイスキルに難癖をつけられることもあると思います。私もある有名ゲームを配信したら慣れている人に色々言われてしばらくそのゲームができなくなったことがあります。そのようなコメントは技術による要素がほとんどないノベルゲームではまず起きません。プレイスキルも強いて言えば漢字が読めるかどうかぐらいでしょう。前述の通りノベルゲームは進行を止められるのでそれも調べれはいいだけですから。もちろんその代わりネタバレコメントはありえますが…。

明確に終わりがある

 実況していると、いつまでこの作品の実況をやろうかと思うことがあると思います。最近のゲームは特に規模が大きく、終わりがないと言っても言い過ぎではないものも多いですね。RPGでもクリア後要素の方が多いことも少なくないです。その中でもノベルゲームは明確にエンディングという終わりがあるというのがいいところです。
 また、大作の「すきま」に何をやるか悩む方も多いと思います。その際にノベルゲームはちゃんと「ここで終わり!」というのがはっきりしていますし、プレイ時間も安定します(実況だと作者から呈示されている通常プレイ時間の1.5倍~2倍を計算しておけばいいでしょう)。そのため、日程を調整しながらプレイするのに向いています。

わりとあとで伸びる

 ノベルゲームの配信はアーカイブが結構見られる感覚があります。作品が何らかの形、たとえば有名な方が実況をする、どこかのメディア記事になるなどの出来事が起こるたびにアーカイブを見てくれる人がポツポツ出てきます

こんな感じでタイトルを検索してくれているということでしょうか

 特にyoutubeはアーカイブ性がいいのでノベルゲームは向いているんじゃないかなと思います。 

作品ファンの方が見てくれる

 先ほどの画像にもありましたがyoutubeでは作品タイトルで検索をされる方が多いのでその作品のファンがよく見てくれますノベルゲームは作品ごとに熱狂的なファンがついていることが規模に限らず結構あり、おそらくその作品の実況を全部見るぐらいの勢いで見てくださる方もいらっしゃると思います。私もいくつかの作品は実況を巡っています。そのおかげで見てもらったりとか、コメントをいただいたりとかすることがあるなと考えています。

気をつけて欲しいところ

このようにノベルゲーム実況にはいいところがたくさんあるのですが、一方ノベルゲームならではの留意点も複数あります。

ネタバレのガイドラインを読み、厳守する

 ノベルゲームがゲーム実況に向かないと言われることが結構あります。当然ですがその理由の最たるものとして「ネタバレが致命的になる」ことがあります。現代において発表されるノベルゲームには実況やSNS投稿のガイドラインがある場合がほとんどですので必ず読んで厳守してください。ない場合は実況をしないか、作者まで直接問い合わせるのがいいでしょう。作者に直接聞く度胸がないならガイドラインがある作品を実況しましょう。
 ガイドラインは作品によって異なります。「全面的にOK!」という作品も想像以上にありますし、「終盤のシーンをサムネイルのスクショで使わないでください」とか、「〇〇番目のエンディングに関しては実況しないでください」とか、「おまけ要素は実況しないでください」とか作品によって様々です。もちろん全面的に実況禁止の作品もあるのでそれは実況しないようにしてください。あとふりかけ☆スペイシーのガイドラインが超面白いと同時にちゃんと守るべきことが書いてあるのでぜひ読んでください。

 私はノベルゲームコレクションで主に実況する作品を探しているのですが、ノベコレはゲーム実況のOK・NGがおそらく全作品にタグ付けられているのでとてもありがたいです。

刺激の強い表現が含まれているものがある

 ノベルゲームの中にはバイオレンスであったりセクシャルであったり精神的な負荷のかかるエクストリームな表現を含む作品があります。特に個人制作だとそれらが目立つ傾向にあります。もちろんそのエクストリームさが生む刺激が素晴らしいゲーム、物語体験を作っている作品がほとんどですが、そのような表現にはリスクがあるのも事実です。
 私もいつかの作品でダメージを受けたこともあります。私自身はそのダメージを受けたことまで含めていい作品や経験だと思っていますが、例えばトラウマに触れてしまうなどがあれば本当にきついでしょう。また、ちょっと内容が過激すぎて気まずくなったり反応に困ることもあるかもしれません。セクシャルな表現の作品を扱えばセクハラコメントを招くなどの危惧もあると思います。
 今はそのような作品についてははっきり注意書きやタグ付けが明示されていますし、それを読んだうえで、必要なら他の方の感想なども読んで判断されるのがいいかなと思います。もちろんそのような強烈な描写のない作品もいっぱいありますのでそのあたりを実況されるのも選択肢に含まれるでしょう。

最近はsteamでもノベルゲームが増えていますね

作品の先に作者がいることを意識し、軽く扱わない

 特にシナリオに関してはそれなりの規模の作品でも個人が作っている場合が多いですし、個人制作ではなおさらです。物語というのは基本的に書き手が自分の思いを何かしらの形で込めているものです。強い批判はそのまま作者の人格批判として届きやすいところがあります。実際にゲーム実況を見て辛い表情をしている作者さんを見たことが何度かあります。
 もちろん批判をしてはならないということはないのですが、やはり避けるべき表現なんていうものはあると思います。例えば「こんなこと考えてる作者はおかしい」とか言えばそれは人格批判でしょう。どこにラインがあるかは私から明示はできませんが、相手がいることを意識して作品を軽く扱わないということが大事だと思っています。
 ゲーム実況というエンターテイメントはどうしてもゲームを使って観客に実況者である自分の面白いところを見せるという面がありますし、その中でゲームをだしにしてでも客にウケるような表現を使いたくなる所は私にもあります。ただ、そう言うことをする前に「作品の先にいる作者」のことを少し頭に入れていただければと思っています。
 ちなみに私自身は、とりわけレビューについては原則批判的な言説は使わないことにしています。それに関してはこちらの記事をお読みください。

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前述の「ティラノゲームフェス2023」参加作品の中でのお薦め作品を記事にまとめています!ここまで読んで「何かノベルゲームやってみたいな」と気になる方がいたらこちらから選んでもらえたらとても嬉しいです…!


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