『ねぎとろ』#293

言うまでもなく、すき身のマグロと小口切りにした万能ねぎと合わせて盛ったもの。寿司ネタとして、軍艦巻のネタとして乗ることが多い。あとは丼ものの具材としてねぎとろ丼と称されるものがある。
あえて、きちんと書いた。マグロのすき身を万能ねぎを合わせたものだ、と。
うちだけでなく少なくない家庭で、スーパーでお目にかかるマグロのすき身を、「ねぎとろ」と呼んでいることと思う。実家の食卓で、「ねぎとろ買ってあるから、ご飯にのせて食べてもいいよ」と母から言われたことは何度あったろうか。実際に数えたらそんな100回どころか10回あるかどうかもわからないけれど、とにかく、ねぎの無いすき身のことでも「ねぎとろ」と呼んでしまう、癖と言っていいのか、それとも同一化と言うのが適当なのか、この事態をどう詳しく書いたらいいか戸惑うところだがこういう、日常の気になることがある。
今朝もあった。
「ねぎとろ冷蔵庫にあるよ」
あったのは、プラスチック容器に入っていつもどおり白い穴あきの紙に乗せられた整形のマグロのすき身だ。
小学生とか中学生のころは、その発言に食いついたものだ、「ねぎ無いじゃん」と、「とろじゃん」と。でも、トロでも無い。でもない、って言うと難だが、トロと言えば中トロとか大トロとか、脂の乗った部位の、なんとなく切り身・刺身のことを言うイメージで、すき身のことを“とろ”単体で言うのははばかられる。そんな経緯もあって、いまは“とろ”だけのことをすき身のマグロと言っている。
それで、肝心要のねぎとろはと言えば万能ねぎあってこその名コンビであるわけで小学生の頃から、好きな寿司ネタとして変わらぬ地位を築いている。一番はサーモンだけど。次か、次の次かってくらいにねぎとろがある。値段もいやに高いものでなく、子供が「食べたい」と無邪気に言っても許されるだろうと、「好きなもの」としてインプットしてもらった、というか、させてもらった。
漁師町の定食屋さんにはよくあるものと期待するのが、ねぎとろ丼と海鮮丼。ほか、地場の特産によっていくつかバリエーションがあるから、珍し物好きな私はそっちばかり頼んでしまう。頼んでしまうけれどそれでも、幸福感と満足感を味わえる安パイとしてねぎとろ丼があるから、変わり種を切れるって向きもある。そんな定番のねぎとろ丼を擁するお店でも、まぐろ二色盛り、みたいな丼があるときには悩む。マグロの刺身とねぎとろがセットになった丼、これにときどき、ねぎが無い。辛うじて、ガリがある。さて。まぁ。どうあってもうまい、塩気と脂と混ぜあわせる酢飯、文句も無い。

#ねぎとろ #181007

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