『三角形』#300

話は多面体にまで及ぶ。多面を成す面の、最も少ない直線で作られた最も単純な面は、三角形でできている。なにも、正三角形だけを指すのではなくて、とにかく、三つの辺と三つの頂点・角をもつ、平たく尖った形。
「人間を抽象化すると、“いびつな多面体の風船”って思う」という発言はわたしのもので、ただ誰に言ったのかはよく覚えていないのでもしかしたらわたしがずっと頭の中で温め続けている言葉である、それだけかもしれない、それだけかもしれないけれど、なかなかグッとくるのだ私にはこの感覚が。
あるひとが過去に見せたことのない振る舞いをしたり、ひとに見せていなかった能力を披露したりしたそんなとき、誰かは「あなたのまた新しい側面を見ることができた」と言う。そのフレーズというか言い回しかが自分は好きで、ひとには正面と別にたくさんの側面があって、一見しただけではひとの全面を捉えることができないことを示唆する。
ひとが多面体であろうって話はそのあたりから。外面。
内面から思うと、ひとは感情によって、あるいは言い方が違うかもしれないが感情の快感とか不快感とかで笑ったり泣いたりして表情にも振る舞いにも色々な姿がある、というその姿が、膨らんだり萎んだりすることととても親和性があると思っていて、その様相がまるで風船であるようだ、と思っているわけで。それで、じゃあシンプルな丸い風船であるかといえばそんなこともなく、ひとは外から見ればいろいろな面を持つ多面体であるわけだから、そういうこと。膨らんだり萎んだりする多面体。
しかもその多面体は、「新たな側面」を発見されるたびに実質の面が増えていく。見えていなかっただけかもしれない。でも、当人には当然外の面は見えない、だから、増えると仮定する。概念的な球体に面を作るためには、囲う辺を作らなくてはならない。折り目。新たな側面が発見されるとき、辺が増えていく。どんどん面が発見されてどんどん多面体の面の数が膨大になってくると、辺が増えに増えて複雑な多角形がどんどん分割されて、ついに三角形にまで収束する面もあるだろう。
三角形を辺で分割すると、それは小さな三角形に分かれる。もういちどやってもそう。新たな側面が発見されていくと一面は小さくなっていく。小さな三角形になっていき、新たな側面は次第に見つけられにくくなっていく。
これが、アラサーも定着してきて冷めた目をするようになっていま、思うこと。だれか三角形の中に丸でも見つけてくれないかね。

#三角形 #181014

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