『重心』#327

先日の夜ランニングのとき、走りながら実験をしてみた。その前のとき、ペースをいつもより上げて、短い距離を走った。速いペースが頭のなかと脚の記憶として残っていたのが今回。
何を実験したかというと、走っている最中に「自分のペースが少しだけ落ちたな」と感じたときにまたペースを戻すための方策として「腕振りのために肩に力が入っているのを抜いて、肩の位置を下げて肘から先で腕を振ったこと」と同時に「腰から上でほんの少し前傾して、着地時の足裏のポジションをほんの少しだけつま先寄りにしたこと」の2つ。
普段もペースが落ちたら再度上げようとフォームを変えるけれどいつもは単純に「下腹部から太ももにかけて力を込めて強めに蹴り出す(ストライドを伸ばす)こと」と「ピッチを上げること」と「腕振りで脚を引っ張って、脚の筋肉を休めること」とで対応していた。これだとどうも、疲れる。当たり前のことで、それまでよりも大きな力をかければ、それに伴って身体は疲労する。それでも、これまでは仕方ないと思っていた。いま、それでは先のことを考えて足りないと思った、もっと速く、それにもっと楽に走るために、どうしたらいいのかと考えた。その結果が、ランニングフォームの改善だった。特に、楽に今より速く走るためにはどうしたらいいのかと考えて、実験したのが、重心を少しだけ前側に、そして少しだけ上げて走ること。普段でも、定着して楽に走れるフォームであるけれど、どうしても腕振りで肩がいかってしまうのが難だった。首回りに少し力が入ってる感じ。少し呼吸が浅くなってしまう。その従来フォームから、肩と首の力をフッと抜いて、腰から上体をほんの少し前傾させて、大げさに言えば倒れこみそうになるのをチョンチョンっと真下の足で受け流していく感じ。重心を少し前に持っていったぶん、それを追うように身体が前に行く。足は決して前に振り出すのでなく、パッパッと足を後ろに弾いて蹴っていく。ストライドが普段より伸びる。腕は楽に振られる。肩と首の力が抜けて、大きく変わったのは呼吸で、深くたっぷり吸えるようになり、上がった息も落ち着く。
今回、筋肉にムチを打つのでなく、重心の置き方を変えた(勿論それによる筋肉の負荷がないわけないが)ことで、パフォーマンスが変わることに衝撃を受けた。
運動中の身体にとって、重心をどこに置くか、意識下においては置き場所が、運動中の身体にとって重心が実際にどこにあるか、無意識下で置かれる場所が、パフォーマンスに及ぼす影響は馬鹿にならないのだろう。体操選手がぐるぐる回るときなんか、重心の位置によって大きく結果が変わるだろう。漫画でも読んだ。
出力を上げる以外の、バランスを整えるなどの方法で良いパフォーマンスが得られる作法を、他でも身につけたいものです(昔、勉強ではできていたんだけどなあ)。正座とか特に。

#重心 #181110

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