安倍総理、ご苦労様でした。

※本稿はあくまで感想を述べるものであり、根拠や主義信条を発信するものではありません。ご留意ください。

2019年11月には歴代在職日数が第一次から数えて歴代1位になり、今月24日には歴代在任日数も1位となった安倍総理。自分には「何だかんだで来年の9月まで続けるんだろうな」と思っていたので、この急転直下の辞意表明に驚いております。

自分はアラサーで、12年前のリーマンブラザーズ破綻から生じた不景気の最中、高校生でした。自分とその少し上の世代には投げやりな空気が漂っていたのを覚えています。自分は「おそらく就ける仕事なんてないか、あってもブラック企業だろう」という思いを抱いていました。結局、今も仕事に就けていませんが……。

麻生政権後の民主党政権でも円高などの影響でなかなか景気が向上せず、どうなるんだろうという不安の中で生まれた安倍政権。その中で、「アベノミクス」という言葉に期待感を持った人たちが、消費に対して少し前向きになったのが印象に残っています。経済を建て直してくれるんだ、という好感からでしょう。

しかし、自民党議員の不倫、モリカケ問題に始まり、消費増税やGDPの伸びが1%台に留まるなど、その政権運用は一筋縄ではいきません。災害も多く、2018年の平成30年7月豪雨や2019年の令和元年東日本台風は、広範囲に多大なる被害を及ぼしました。そして、今年の新型コロナウイルスの流行による経済悪化。下げ幅は戦後最大で、深刻な打撃となったのではないでしょうか。

憲法改正や北方領土問題、拉致問題の解決を進められないまま、そして経済の建て直しを少しずつ進めていかねばならない中で、持病の悪化に伴い辞任することになったその無念さは、自分のような者には察することができないほど、大きいものなのではないかと思います。様々な問題が起こり、中には閣僚や官僚による不祥事で審議が進まず、本当に達成したかったことを達成できなかった。そして、まだ任期を残したままの辞任。悔しいことでしょう。

総理や政権への評価は様々と思いますが、自分にとっては、あの10年前の閉塞感を破り、買い手市場だった就活を売り手市場にしてもらったことが、何よりもありがたいことでした。無論、また別の問題をはらむ結果になりましたが、それでも仕事がないことへの不安感を持ち続けなくてもいい、というのがとても救いになったのです。

後任の総理がどのような方になるのか、また、その方が安倍総理のような長期政権を担うのかそうでないのかは、分かりません。加えて、後任の総理には、経済の建て直しや東京五輪の開催、来年10月の衆議院解散など、解決すべき問題が山積しています。この状況下で誰がその席に座るのか。座らずに済むのならその方が……という人がいても、おかしくないでしょう。

ただ、長期政権には悪い面もあれば、良い面もあるということを、この7年8ヶ月で学べたと思うのです。どうか、また長期の政権を担い、何なら安倍総理の記録を破れるような方に、総理になっていただきたいと思います。

殴り書きのような状態になりましたが、あらためて、安倍総理、ご苦労様でした。指定難病と約半世紀近い付き合いを持ちながら、歴代在任日数1位の政権を、まさかアラサーの自分が見れるとは思いませんでした。それだけ、15年くらい前からゴタゴタしてましたので……。まだ後任の決定まで執務が残っておりますが、どうか体調に気をつけていただきたいです。

関係のない話になりますが、この10年間でよくも悪くも様変わりしたと思います。副職に対する認識、YouTuberの登場など、働き方も稼ぎ方も変わっていきました。おそらく、自分が高校生の頃には、想像できなかった世界です。特に今年の変貌は、フィクションの小説をも上回ったのではないでしょうか。

この2020年代、どうなるか分かりません。しかし、希望は持っていたいなと思うのです。ポジティブな変化が、あってほしいなと。そう信じて、生きていきたいと思います。