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シミュラークルに思いを馳せる

90年代、ボードリヤールの「シミュラークルとシミュレーション」という本を読んだことを思い出していました。

大量消費の時代は、イメージを「盗用(アブロブリエーション)」することによってオリジナリティから脱却し、社会的システムとイメージの関係性を考え直す時代になっている、というような趣旨の内容だったのですが、そうしてできたアブロブリエーション美術がヴィトンとリチャード・プリンスとのコラボやコム デ ギャルソンが打ち出していたシンディ・シャーマンとのキャンペーンフォトなどで再び表現と消費に組み込まれていくのをみたりしていると、新しい仕組みを獲得した結果、結局別のオリジナリティへと回帰していくのかなぁと考えていました。




リチャード・プリンスのアブロブリエーション。
ポルノ雑誌からのサンプリングした写真をもとに、
ペインティングした作品のひとつ。
ググったものを敢えて掲載します。


ハウス・ミュージックやヒップホップを論じるにもシミュラークルがしきりに使われていましたが、結局ハウスもヒップホップも器であって、表現は進んでいくわけですし、それとは別の、もっとナイーブな表現としてシューゲイザーやトリップホップ、エレクトロニカの発展があったりもするわけですし、コードを書いてツールからデザインする手法の出現ともそう無関係じゃない気もしています。
シミュラークルの「新しい仕組みを作り上げる」というところでは、デザイン思考やサービスデザイン方面ともなんとなく地続きなんじゃないかなぁと思ったりしています。アブロブリエーションではないのですが...

ここらへんはまだいくら考えても消化不良気味なので、今後の課題であることは変わらない気がします。人の手によるデザインとディープラーニングとの関係とか...

適当に追記します。

Webフォントサービスを片っ端から試してみたいですし、オンスクリーン組版ももっと探求していきたいです。もしサポートいただけるのでしたら、主にそのための費用とさせていただくつもりです。