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2022年 第31節 アビスパ福岡vsヴィッセル神戸 レビュー

試合内容



痛恨の敗戦だ。同勝ち点で並んでいたヴィッセル神戸に、それもホームで0-1の負けを喫した。
試合のあとは、筆者は大きく落ち込んだ。内容が悪かったからではない。残留争いに大事なのは、内容ではなく結果だ。かといって、負けたからでもない。相手ある勝負事であるからには、いくら頑張っても勝てないことはある。
筆者が落ち込んだのは、残留を目指し何が何でも勝利を目指さなければならない試合だったにもかかわらず、おもに前半、特に失点するまで、強い気持ちを感じられなかったためだ。もちろん個々として勝ちたいという思いはあっただろうが、それを感じることはできなかった。

話は1度逸れるが、長谷部監督率いるアビスパの長所は何だったろうか。筆者は、ベースは攻から守への切り替えの素早さと、縦横にコンパクトな守備ブロックだと感じている。そして、守備ブロックを敷いたうえで前から追い込んでいく守備へと切り替え高い位置でボールを奪い、素早い攻撃を繰り出す。
それを90分間を見据えてというより開始から発揮し続け、終盤はギリギリになりながらも守り切る、という形だった。
これらのうち、ヴィッセルとの試合でどれだけを出すことができただろうか。この試合ではボールを奪われた瞬間に止まってしまう、またはセルフジャッジをしてしまう選手がおり、切り替えは素早いといえず。全体としてコンパクトさに欠け、前半には何度も中央を経由してサイドに展開された。そのため、高い位置でボールを奪うこともできなかった。そして90分間を見据えたかのようなペース配分で、早い時間帯にすることとなった。

つまり個々で頑張る意思はあっても、組織として良さを出せなかったため、勝ちたいという思いを感じられなかったのだろう。
何度も言っていることだが、アビスパは個々の頑張りで戦えるチームではない。組織で、身体を張り続けてようやく勝ち点3を手にできる。チームで改めて意思統一を図り、残り3試合すべてでそのような試合をみせてくれることを願っている。不可能ではないはずだ。今年何度も、そして前節の清水エスパルス戦でもそのような試合ができたのだから。

採点(及第点5.5)、寸評

GK 31村上昌謙  5.5
身体を張った守備をみせたが、完璧に合わされた決勝点は防げず。

DF 29 前嶋洋太 5.5 (84分OUT)
守備ではある程度安定していたが、クルークスのフォローができず孤立気味に。

DF 33 ドウグラス・グローリ 5.5 
強度は間違いないが、普段よりもサイドに釣り出されることが多かった。終盤には前線に上がった。

DF  5 宮 大樹 5.5
前半は大迫を抑えられず。個としては抑えられずとも、周囲との連携で自由を奪いたかった。

DF 13 志知孝明 5.5
終盤まで運動量を落とすことなく攻撃に絡んだが、精度は課題。

MF 14 ジョルディ・クルークス 5.0 (84分OUT)
高い位置取りからサイドに開いてボールを受けようとしたが、攻撃への意識が高く同サイドで守備時に数的不利となることも。

MF 40 中村 駿 5.5 
前線からの守備がハマらなかったこともあり、前とのコンビが普段ほどの成果を出せず。

MF  6 前 寛之 5.5
普段より走行距離もスプリント回数も少なく、ミスも多かった。

MF  7 金森健志 6.0 (69分OUT)
数少ないポジティブな要素。キレのあるドリブルで仕掛けたが、周囲との連携に問題があり得点には繋げられず。

FW 11 山岸祐也 5.0 (75分OUT)
チームトップスコアラーは、タイトなマークで完全に消された。個人としての運動量も乏しく、守備での貢献もいつもほどではない。

FW 17 ルキアン 5.5 (75分OUT)
身体を張ったキープで好機を引き寄せようとした。この試合最大の決定機だったループシュートは、打つまでの流れは完璧だったが…。

途中出場

MF 19 田邉草民 5.5 (69分IN)
全体のバランスを取れる選手だが、同点ゴールへの貢献はできず。

FW  9 フアンマ・デルガド 6.0 (75分IN)
ターゲットマンとして、懸命に競り続けた。サイドに流れるなどチームのため、を体現。

FW 45 ジョン・マリ 6.0 (75分IN)
ゴール前のポジショニングで上回り、惜しいシュートを放った。

DF 20 三國ケネディエブス 採点なし (84分IN)

DF  2 湯澤聖人 採点なし (84分OUT)

監督  長谷部茂利 5.0
早い時間帯の失点を防げず。また以前のように、飲水タイムやハーフタイムに明確な修正はできなかった。

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