（ふせったーに書き散らかしてたやつです）

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最初ブランを塔から突き落としたときに「なんていけ好かない野郎だ！顔もきらい！！！」と超憤慨してたんだ。

当時はジェイミー見た目も若かったし、なんか長髪でスカしてたから……（誰かがデンマークの加勢大周と書いてて大笑いした）しかし彼はそれはそこから大いなる変遷をとげたのであった……。

なんていうかこうー、ジェイミー・ラニスターはあまり己のない影響されやすい人間なんだろうと思う。同じラニスター家の中ではトメンとかが似てるかも知れない。
好ましく思っている人の前だと、優しく大事にしたいあまりその要求に何でもつい応えてしまう。そういう人いるじゃない……？
サーセイのような人間の前では、ともに悪に堕ちその邪悪さの増幅装置になってしまうし、ブライエニーの前にいると、その高潔な魂をうつして自身も誇り高く精一杯誠実であろうとする。そしてティリオンの前では、家族として兄として望まれていること、彼を受け入れ理解しようと務める。
それらはジェイミーの中で何も矛盾しないんだろう。どの愛も本物なのだ。

でもやっぱり、最終的にジェイミーはブライエニーと出会ったことで本物の愛と正義に目覚めたのだと思う。S8の時点で、ジェイミーはサーセイのことを、かつて愛した姉であり家族、という以上にもう執着してはいなかったんじゃないか。
NAITO KING戦のあと、ブライエニーとティリオンと酒を酌み交わすジェイミーは本当に楽しそうだった。気をきかせて二人きりにしてあげるティリオンの兄愛も良かった。（「この部屋暑いなー」はゲースロとともに語り継がれる名台詞になってほしい。）
とにかくジェイミー的にはサーセイをふっ切って北に行った時点でもう色々なことは終わっていたんだろう。
（わざわざブライエニーとのベッドシーンを入れたのは、あれは女性が高潔で誇り高くあることに、処女性は関係ないというメッセージなのではないかと思っている。もっと言うと、どのタイミングであれセックスが女性の本質的なものを変化させることはないという、サンサやアリアでも同様に語られているメッセージ。）

それでもジェイミーがかつての罪を精算するためにサーセイの元に戻ったのは、家族であり愛した人のため……というよりは、サーセイのお腹にいる子供のためだったのではないかと思う（ティリオンにも「一人、気にしている人間がいるだろう」みたいなことを別れのシーンで言われている）。

かつての狡く邪悪だったジェイミーは、三人の父親であったのに、名乗り出られなかったのは勿論だけれど、父親らしいことは何ひとつしていない。たぶん叔父として教育などもしていなかっただろう。（ティリオンはジェフリーに説教したりしていたのに）。
彼が変化していく過程で、ミアセラだけにたった一度、自分が父だと打ち明けられたとき、「あなたが父で良かった」と言われたときの戸惑ったような嬉しそうな様子が忘れられない。（しかしその直後にミアセラは毒で死んでしまう……）。
ジェイミーは今度こそ、サーセイのお腹の中にいる子に、父親としての役目を果たそうと決意したのだろう。だから母子を生かすため王都から逃がそうとした。命をかけてサーセイの元へ向かった。しかしそれもやはり叶わないのだけれど……。

キャスタミアの雨に打たれながら、抱き合い瓦礫の中に埋もれていく二人を見て、愛ってなんだろう……運命とは……とやるせない気持ちになってしまった。
あのとき二人の胸に去来しているものは何だったんだろうな……。かつての罪か、それとも愛し合った頃の喜びか……。二人とも、為す術なく死なせてしまった三人の子どもたちのことを思っただろうか……。

そして最終話で、ティリオンに掘り起こされた二人の遺体。
そこでジェイミーの義手は、サーセイのお腹を守るように重ねられていた。ジェイミーは最期の瞬間まで立派な父親になろうとしていたのだ。ああ……。

ジェイミーはかつてブロンに「愛する人の腕の中で死にたい」みたいなことを言っていたけれど、これは願いが叶ったのか、どうなんだろうな……。
しかしいけ好かないイケメンクソ野郎だったジェイミーが、その隠された本質である誠実さをみるみる発揮していき、最後には素晴らしい騎士であり父親になった。劇中で最も成長したひとりなんじゃないだろうか。
そして彼を変え、立派な人間にしたのは間違いなくブライエニーだ。共に過ごした時間は少なくとも、それはきっとブライエニーにとっても誇らしいことだろう。だから彼女はペンを取った。
ブライエニーは恥ずかしがるだろうけど、女性をはじめて騎士に任命した、というのも是非書いてあげてほしい。ジェイミーはきっと「自分がした一番偉大な仕事だ」と喜ぶと思う。

はーー本当に……ラニスター家の人たちはいくら語っても尽きない……ラニスター箱推しだったわ私……

あとすっかりジェイミーが好きになったので、彼（ニコライ・コスター＝ワルド）がピタピタミニスカートをはいて頑張ったというキングオブエジプトも見たいと思います。